【トランプ主義・外交編】(04) 北核問題、対話か圧力か

20170215 01
今月16日は、朝鮮労働党(北朝鮮)・金正恩委員長の父である金正日総書記の誕生日だ。正恩氏は今年元日の“新年の辞”で、大陸間弾道弾(ICBM)の発射実験が「最終段階にある」と述べており、今月半ばが、ドナルド・トランプ新政権にとって安全保障上の最初の試練となるかもしれない。「中国はアメリカから多大なカネと富を奪っているが、 北朝鮮問題では協力しない」。トランプ氏が先月2日に自身の『ツイッター』で展開した中国への批判は、バラク・オバマ前政権が進めてきた北朝鮮政策の本質を言い当てていた。北朝鮮を核保有国として認めず、北朝鮮側が希望する直接対話に応じず、制裁で政策転換を迫ったオバマ前政権の“戦略的忍耐”。更に、北朝鮮が食料やエネルギーで依存している中国に圧力をかけ、核・ミサイル開発を阻止する役割を果たさせようとした。だが、北朝鮮に4度の核実験とICBMの開発を許す結果となった。「事実上の放置に近かった」との指摘もある。トランプ政権は現時点で、中国を介した対北戦略は継続する姿勢だ。

国務省のレックス・ティラーソン長官は、就任前の先月11日に開かれた上院公聴会で、「中国が国連制裁を履行しないなら、履行させる為の行動を検討する」と牽制。ニッキー・へイリー国連大使も公聴会で、「『北朝鮮のミサイル開発は中国にとって良いことではない』と、彼らに迫っていかなければならない」との見解を示した。だが、北朝鮮への過度の圧力で体制崩壊等に繋がる事態は避けたい中国の習近平国家主席が、アメリカの要求通りに動く保証は無い。トランプ氏は昨年6月の選挙演説で、「(北朝鮮と)話をすることの一体何が悪いんだ?」と言い放った。その後、対話についての明確な言及は無いが、“動かない中国”に業を煮やしたトランプ大統領が、オバマ路線の枠を破り、直接の交渉や威嚇に乗り出す可能性もある。国防総省のジェームズ・マティス長官は今月3日、韓国で国防部の韓民求長官と、最新鋭ミサイル防衛システム『最終段階高高度地域防衛(THAAD)』の在韓アメリカ軍への配備について協議する。韓国のメディアによると、当初は今年末の予定だった運用開始が、早ければ5月に前倒しされる案も出ているという。ミサイル防衛を強化した上で、北朝鮮の核・ミサイル関連施設への爆撃等も検討――。前政権が避けてきた軍事的選択肢(オプション)について、マティス長官は上院公聴会で、「議論の俎上から外すべきではない」との認識を示した。現実となれば、元々、THAAD配備に強い反対姿勢を示していた中国は更に反発し、東アジア地域は一層の緊張状態に陥りかねない。『韓国国立外交院』のキム・ヒョンウク教授は、今後の金正恩政権の出方をこう予測する。「かなり早い時期に、核実験やICBM発射等を同時多発的に行うだろう。トランプ政権の対北政策の輪郭が表れる前に、“核保有国”になろうと試みるのが有利だと判断している」。こうした北朝鮮の動向に、トランプ政権はどう反応するのか。日本を含めた関係国は、米朝の緊張関係の行方を注視している。 (ニューヨーク支局 水野哲也・ソウル支局 中島健太郎)


⦿読売新聞 2017年2月1日付掲載⦿
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