【読解力が危ない】(05) 考えて表現、新聞が効果

20170216 05
「新聞タイム始めるよ」――。東京都北区立東十条小学校の4~6年生の教室で、児童が担任の合図と共に、新聞記事を切り抜き始めた。事件・事故・政治・スポーツ等の記事を台紙に貼り、要約と感想を書き込む。“新聞タイム”は8年前に始まり、現在は全校児童が週1回、授業開始前の15分間で新聞記事に親しむ。佐藤舜真君(12)は、“高齢者ドライバーの死亡事故率が高い”という記事を選んだ。「祖父母も車を運転する。『事故には気をつけて』と声をかけたい」と話した。11年前、元同校校長の関口修司さん(61)が「子供たちに社会への関心を持ってほしい」と、区内の別の学校で導入した。意欲的な子供の姿を見た区教委が、「読解力向上に有効」と着目。実施校は現在、区内48校の区立小中学校の内、28校に広がった。区立滝野川小は2013年の『全国学力テスト』で、応用力を問う国語B『書くこと』の正答率が全国平均より4.3ポイント高い成績だったが、導入後の2014年は15.6ポイントも上回った。関口さんは、「活字への抵抗感が消え、学ぶことに前向きな姿勢が身についた」と話す。

読解力向上に取り組む学校は各地にある。小中一貫教育を行う京都市立御所南小・高倉小・京都御池中の3校は、2007年度に独自教科“読解科”を設け、複数の資料を読み比べる方法等を9年間通じて指導している。広島市は2010年度から、小学5年生~中学3年生を対象に独自科目“言語・教理運用科”を開始。新聞・チラシ・運賃表等を読み、考えを表現する力を育む。昨年12月公表の『国際学力調査』で、日本の15歳の読解力が低下した。その向上は、2020年度から実施される小中高校の次期学習指導要領でも重要課題とされ、新聞活用や読解科等の取り組みが改めて注目されている。大学入試でも読解力を問う出題は増えている。群馬大学では昨春、教育学部の小論文で、ロボットに任せたい仕事等を尋ねたアンケートのグラフを読み、“親の介護”か“兵士”をロボットが担う場合の問題点を200字程度で記述させた。論文読解や面接を重視した成城大学法学部のAO(アドミッションオフィス)入試では、2014年度から“デモクラシー”等を題材にした6000~1万字の長文を読ませ、著者の主張等を論述させている。『代々木ゼミナール』教材研究センターの土生昌彦本部長(59)は、「難しい時代を生き抜く為の力として、大学入試でも読解力が求められる」と指摘している。


⦿読売新聞 2017年2月3日付掲載⦿
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