【かわる金融・地方を興す】(番外編) “目利き力”とは…将来性や苦境を見抜く

日本経済の成長には、地域金融機関が“目利き力”を発揮して、有望な企業にリスクを取って融資し、地方経済を活性化させることが必要だ。目利き力とは何か。一問一答で纏めた。

20170216 06
Q. 銀行の“目利き力”とは何か?
A. 融資をする際に、企業や事業の将来性があるのかどうかを見抜く能力だ。融資先の強みと課題を見極めて、成長の為に必要な戦略を企業と一緒に考えることも求められる。

Q. 具体的に何を見て将来性を判断するのか?
A. 銀行によって様々なノウハウがある。売上高や利益等、決算書に載っているデータだけでなく、経営者の人柄や地域での評判、企業の技術力や労使の関係等、数字に表し難い要素も含めて総合的に判断している。営業経験が豊富なメガバンクの行員は、「工場を見れば、いい会社かどうかがわかる。従業員が挨拶し、ゴミ1つ落ちていない会社は、人もモノも仕事も大事にする会社だ」と話す。事務所に貼ってあるカレンダーを見れば、どんな企業と取引があるのか、仕事が沢山入っているのか等もわかる。月が替わったのに捲っていないような会社は、“ずぼらで論外”なのだという。財務内容や収支が今一つでも、経営者の仕事に対する熱意や、製品の意外性を高く評価して融資に踏み切るケースもある。融資先の苦境を見抜く力でもある。例えば、その企業が新規出店した時に、普段は付き合いの無い筈の別の銀行から開店祝いの花が届いたのを見つけ、実は金策に苦しんでいることがわかるといった具合だ。

Q. 何故、重要なのか?
A. 銀行と地方経済、双方の為になるからだ。地銀の融資は、融資先が破綻した時に回収する“担保”や、他の誰かが返してくれる“保証”に頼りがちだ。しかし、地方の中小企業は、これらを用意するのが容易ではない。「銀行の保守的な姿勢が融資を難しくし、地方経済が停滞する一因になってきた」とされる。一方、目利き力を発揮し、他の銀行が融資に二の足を踏むような企業に助言して経営を改善すれば、融資が可能になることもある。貸したお金が返ってこなくなるリスクはあるものの、他行との競争を避けられるので、高い金利を得られ易い。地元企業の優れた技術やアイテアを育てれば、地域の活性化に繋がる。

Q. 何故今、注目されるのか?
A. 銀行の目利き力が衰えているからだ。バブルの時は兎に角、融資の規模を増やせば利益を上げられたので、事業の中身をよく見ない融資が蔓延った。バブル崩壊後は「不良債権を抱えないように」と、やはり事業の中身を見ない、担保や保証に極端に依存した融資が広がった。金融庁が銀行の健全性を重視したことも、“リスク回避”の姿勢を後押しし、目利き力は失われていった。麻生太郎金融担当大臣は、質草で回収できる範囲でお金を貸す質屋を引き合いに、「銀行は質屋ではない」と指摘し、目利き力を発揮した融資を増やすよう求めている。近年、地銀の財務は安定しており、金融庁も健全性より目利き力を重視する姿勢を鮮明にしている。昨年10月に公表した行政方針には、お金を借りる企業側の意見も聞き、“巨利き融資”が伸び悩む原因を調査することを盛り込んだ。


⦿読売新聞 2017年2月3日付掲載⦿
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テーマ : 経済
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