【男の子育て日記】(39) ○月×日

9月9日 新京極通りにある『MOVIX京都』に行ったら、男のトイレにベビーチェアがあった。一文を連れて行った訳ではないが、「これはありがたい」と思った。新幹線の中にあるようなオムツを取り替えるボードがあったら言うこと無し。個室のコーナーにちょこんと座らせられるものでも超助かる。MOVIX京都、わかってるぅ。映画の後、『大丸』のレストラン街へ。ベビーチェアと休憩室があるのは女性用トイレだけだった。つまり、ここのデパートは「赤ん坊のオムツを取り替えたり、ミルクをあげたりするのは女の役目で、男はやらなくていい」と言っているのだ。 これって男差別だろ。世のパパども、怒っていいよ(その後、同じ階のぐるりと回ったところにある男子トイレにはベビーチェアと休憩室があるのを確認)。何でもっとわかり易く表示しないかな。あれだと、「この階では赤ん坊のオムツを替えられない」と諦めて、別の階までトイレを探しに行っちゃうよ。不親切過ぎないか?

9月10日 一文が引き出しを開けるようになった。目を離すと何でも口に入れようとするので、細かいものは手が届かないところに置く。それでも好き勝手にさせていたら、散らかり放題に。いくら掃除をしても追いつかない。あっという間に家の中がゴミ屋敷に。“子育てあるある”だよねぇ。「自分で遊んだものは自分で片付けなさい」と言っても、生後10ヵ月の赤子は聞く耳を持たない。けれど、この日は立ち上がって5歩歩いた。全部許せてしまう。

9月11日 『新潮社』の“女帝”…違った、女神のGさんから、7月6日の日記を読んだ感想メールが届く。働きながら病気の一文の面倒を見ていた頃のことだ。てっきり労いの一言かと思いきや、「疲れがどっと出て昼寝をした、だと? 仕事をしている女は昼寝なんかできねんだよ!」。日頃、言うことを聞かない僕に対してガバガバのド寛容ぶりを見せるGさんが、こと子育てとなると鬼。Gさんの旦那さんのKさんへ。『講談社』で働きながら、子育てお疲れ様です。“日恐組”(※日本恐妻家組合の略)を作りませんか? 勿論、会長の座はお譲り致します。

9月14日 上京。5歳の姪っ子を抱っこしたら、一文が怒り泣き。こんなに幼くても嫉妬の感情があるのか? これには僕も妻も驚き。

9月15日 帰りの新幹線で一文がゲロ大量噴射。辺りに飛び散らないよう全身で受け止める。この子の着替えは用意していたが、僕のほうは昨日まで着ていたものを宅配で自宅に送っていた。ジーンズの下のちんこまで生温かい吐瀉物を感じながら家まで帰る。車掌さん、周りの乗客の皆さん、ご迷惑をおかけしました。夜、久し振りに夫婦生活。声が大きかったのか、起きて乱入してくる。一文センセイ、これまで甘やかされて育ってきた両親を一から鍛えて下さって、ありがとうございます。


樋口毅宏(ひぐち・たけひろ) 作家。1971年、東京都生まれ。帝京大学文学部卒業後、『コアマガジン』に入社。『ニャン2倶楽部Z』『BUBKA』編集部を経て、『白夜書房』に移籍。『コリアムービー』『みうらじゅんマガジン』の編集長を務める。2009年に作家に転身。著書に『日本のセックス』(双葉文庫)・『ルック・バック・イン・アンガー』(祥伝社文庫)・『さよなら小沢健二』(扶桑社)等。


キャプチャ  2017年2月16日号掲載
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