【安倍・トランプ新時代】(下) 波乱含みの経済対話

20170217 05
安倍晋三首相とドナルド・トランプ大統領との首脳外交中、日本政府や自動車大手の関係者は、トランプ大統領の『ツイッター』にも神経を尖らせていた。本音が記者会見以上に滲み出る。先月、『トヨタ自動車』のメキシコ工場建設を批判したのもツイッターだ。安倍首相の訪米中、トランプ大統領の首相に関する呟きは実に7本。何れも意気投合ぶりを示し、安堵が広がった。トランプ大統領は会談前、アメリカの巨額に上る対日貿易赤字を問題視し、対米輸出の多い日本の自動車貿易を「不公平だ」と批判。日本の輸出に有利となる円安も槍玉に挙げていた。経済分野でトランプ大統領の矛先を躱すことが重要課題だった今月10日の首脳会談。トランプ大統領は、貿易や為替を巡る批判を口にしなかった。日本側が警戒した2国間の自由貿易協定(FTA)も、直接要求はしなかった。安倍首相は昨日の衆議院予算委員会で、「安定的な関係をこれからも維持できる」と会談の成果を誇った。しかし、“正面衝突”を避けられたのは、アメリカ側が会談までに、為替政策を担う財務長官や、産業政策を担う商務長官ら主要経済閣僚の議会承認が間に合わなかったことが大きい。日本政府関係者は、「準備不足で詳細を詰められる状態ではなかった」と解説する。

採択した共同声明も、経済分野は“玉虫色”だ。貿易を巡り、「日本が既存のイニシアティブを基礎として、地域レベルの進展を推進する」との文言は日本側が入れた。アメリカが離脱を決めたものの、『環太平洋経済連携協定(TPP)』の取り決めを念頭に、日米がアジア太平洋地域に広域経済圏を作ることに期待を示す。「日米間で2国間の枠組みに関して議論を行う」は、アメリカ側が押し込んだ。2国間FTAを目指す圧力が燻る。安倍首相の提案で、麻生太郎副総理兼財務大臣とマイク・ペンス副大統領をトップとし、閣僚級で通商や財政等といった幅広いテーマを扱う『日米経済対話』の新設が決まった。為替の問題も、日米の財務省トップが担うことになった。日本側には、予測不能であるトランプ大統領の“直接介入”を避け、実務者同士で通商や為替を議論する狙いがある。しかし、“アメリカ第一”を掲げるトランプ政権との協議は波乱含みだ。スティーブン・ムニューチン氏が経済・財政政策を取り仕切る財務長官に就任した今月13日。ホワイトハウスで開かれた式典で、トランプ大統領は訴えた。「彼は、我々をすっからかんにした連中から製造業の雇用を守る。外国は今後、我々を利用することはできない。全く新しい時代となる」。経済官庁幹部は、経済対話を作る意義を説明した。「やっとスタートラインに立ったということだ」。 (経済部 一言剛之)


⦿読売新聞 2017年2月15日付掲載⦿
スポンサーサイト

テーマ : 国際ニュース
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR