【ネットビジネスの闇】(上) 広告、秒単位で次々

日々の情報収集やコミュニケーションに欠かすことができない存在となったインターネット。ただ、広告不正・誤情報・無断転用等の負の側面が次々と表面化している。インターネットの世界では、そこに流れ込む膨大な資金に群がり、利用者らを食い物にする怪しいビジネスも存在している。

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「広告が出ているかどうかが、他のメディアに比べて極めてわかり難い。逆に言えば、出ていないことも認識し難い」――。インターネット広告で約1億1500万円分の架空請求や運用実績の虚偽報告等が発覚した『電通』の広告不正で、同社の山本敏博常務執行役員(当時)は昨年9月の記者会見後、現状をこう説明した。不正の背景となったのは、同じサイトを見ていてもパソコンによって異なる広告が表示される“運用型広告”の複雑な仕組みだ。広告の配信先が事前に決まっていない上、広告主側は、電車の中吊り広告等のように、掲載実績を確認することも難しい。その一方、データ上で“多くの人が見た”・“沢山クリックされた”インターネット広告には、より多額の広告費が注ぎ込まれる。アドフラウド(広告詐欺)も、こうした運用型広告の仕組みを悪用している。アドフラウドの手口の1つと問題視されているのが“水増しサイト”だ。「換金できるポイントを与える」等と会員登録を促し、登録した利用者のパソコン等に大量の広告を表示させたり、クリックさせたりする。法人登記のある東京都内の水増しサイトの運営会社に行ってみたが、そこにはスーパーマーケットやスポーツジムの建物があるだけで、従業員らは「そんな会社は知らない」と怪訝な表情を見せた。

別の運営会社の所在地も、人の出入りのない倉庫だった。電話番号だけ判明した3つの水増しサイトには、昨年末から電話をかけ続けているが、誰も出たことがない。水増しサイトの1つに会員登録し、画面上のボタンを押すと、パソコンにサイトが次々と自動で表示された。サイト内の広告を読もうとしても数秒単位で表示が切り替わり、内容は殆ど確認できなかった。別のボタンを押すと、今度はクリックを求められ、クリックし続けると表示が次々と切り替わったり、重なったりする。広告の内容を確認することは、やはり困難だった。表示されるサイトには、家電や通販といった大手企業の広告が掲載されていた。そのサイトは、防犯グッズや健康グッズの販売を謳いながら、商品は全て“品切れ”や“未入荷”。インターネット販売に義務付けられている“特定商取引法に基づく表記”も無い。広告が掲載されていた大手通販会社は、「広告配信を受ける審査を潜り抜ける為に、防犯グッズ等の販売サイトを装ったダミーサイトの可能性が高く、不正に広告費を得ている可能性がある」と分析。ただ、「こうしたサイト全てを広告主が把握することは不可能に近い」と憤る。一旦広告審査に通り、口座を登録すれば、サイト運営者は国内外どこにいても広告の掲載料を受け取ることができる。大量の広告が人に閲覧されないまま消え、多額の広告費がインターネットの先の何者かに流れ続けている。


⦿読売新聞 2017年2月18日付掲載⦿
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