【ネットビジネスの闇】(中) まとめサイト、ゆがむ情報

20170222 03
特定のテーマで情報を集約する“まとめサイト”で昨年末、虚偽の情報や他サイトからの原稿や画像の無断転用が相次いで表面化した。IT大手の『DeNA』が運営する医療や子育て等のまとめサイトでは、10サイト全てが休止に追い込まれた。「素人が安い報酬で原稿の大量生産を求められ、誤字・脱字は当たり前。内容の真偽を確認されることもなかった」。同社サイトで原稿を書いていた千葉県内のフリーライターの女性(56)は、こう振り返る。女性は出版社で編集経験もあり、2015年秋からDeNAの医療情報のまとめサイトから原稿の依頼を受け始めた。ライターは、専用ページにある“肩こり”や“妊娠”といったテーマ一覧から、書きたいものを選ぶ。女性は「誤った医療情報は人命にも関わるから」と、時間をかけて様々な資料を調べながら原稿を書いた。しかし、サイト側の指示は「文字数や写真を増やして」だった。検索サイトで上位になる為の単語を加えるよう指示され、意味不明の見出しになることもあった。

当初、1文字1円だった“執筆料”は、半年間で0.2円程度まで落ち込んだ。赤ちゃんの初期の離乳食なのに硬い食材を薦めるといった危険な間違いを同社サイトで目にするようになり、女性は昨春、同社サイトへの執筆を止めた。「収益が最優先で、内容の正確性・ライター・利用者は二の次。これ以上、健康被害に結び付くような危ない情報を垂れ流すサイトに加担したくなかった」。インターネット利用者が気軽に情報収集に使うまとめサイトは、閲覧数が増えれば広告収入が増えるビジネスモデルだ。ここ数年で急成長し、同社は問題発覚前、「まとめサイト事業の利益が来年度中に一時10億円を超える」との想定を発表。同業他社も次々と参入し、まとめサイトが乱立した。DeNA等は、まとめサイトを“キュレーションメディア”と称していた。博物館等の学芸員“キュレーター”が専門知識を基に情報収集をするという意味を持たせていたが、その実態はまるでかけ離れたものだった。浴衣等のインターネット販売を手がける大阪市東成区の男性社長(40)は、自社サイトにある浴衣の着付け手順のイラストや写真がまとめサイトで勝手に使われた(左上画像)。インターネット上で批判が高まり、まとめサイトの写真等は削除されたが、社長は「費用をかけて作ったのに、やっていいことと悪いことがある」と溜め息を吐く。早稲田大学の上野達弘教授(知的財産法)は、「他のサイトから無断でコピーした画像を使うことは、著作権侵害に当たる。原稿の場合は、引用した文章の量等で判断が分かれるが、出典を示さずに無断転用すれば違法となる可能性がある」とした上で、「無断転用した素材で収益を上げようとするまとめサイトが悪質なのは間違いない」と指摘している。


⦿読売新聞 2017年2月19日付掲載⦿
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