【ヘンな食べ物】(26) 猫食が日本の食卓を変える?

好き嫌いの激しい猫をもれなく虜にする謎の食品『ちゅ~る』の話である。扨て、NHKの番組が放映された後、枝元なほみさんが私やスタッフを自宅に招いてくれ、打ち上げを行った。その時、又しても猫ちゃんがにゃーにゃー言って現れ、ちゅ~るを貪るので、「これ、美味しそう」「人間も食べられるんじゃないの?」と誰ともなく言い出すと、枝元さんが即座に『ちゅ~るのカナッペ』を仕立ててしまった。クラッカーに蕪のスライスを載せ、まぐろ味のちゅ~るをかけ、ピンク胡椒とイタリアンパセリを散らした見事な一品。バーで頼んだら1000円ぐらいしそう。味見してみたら、「おぉー」と声が出た。美味いのだ。バーのつまみとして十分通用する。シーチキンをとろとろにして更に旨味を加えたような、調味料なのか食べ物なのかよくわからない不思議な食感と味。世界のどこの国でも経験したことがない。他のペットフーズ同様、ちゅ~るにも塩分は殆ど含まれていないのに、適度に脂分があり、旨味が濃厚なので、物足りなさは全然ない。蕪との相性も抜群だった。流石は枝元さんである。旨味と魚(肉)っぽい食味があり、塩分ほぼゼロでマヨネーズのように使える便利さ。しかも、他にとりささみ・とりささみ&日本海産かに・かつお等と色々な味があり、レパートリーも豊富。これは人間用にしてもウケるのではないか。和食の新しい展開になり得るのではないか。バーのつまみだけでない。塩分を取りたくない人や、食欲があまり無くて咀嚼力や胃腸に問題のある病人にもうってつけであろう。レシピは、枝元さんがベストなものを考えてくれる筈だ。唯一の欠点は値段が高いことだが、そこは大量生産で何とか価格を下げてほしい。そのうち、猫と人間がちゅ~るを争う日が来るのかもしれない。


高野秀行(たかの・ひでゆき) ノンフィクション作家。1966年、東京都生まれ。早稲田大学第1文学部仏文科卒。『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)・『アジア未知動物紀行』(講談社文庫)・『世界のシワに夢を見ろ!』(小学館文庫)等著書多数。


キャプチャ  2017年2月23日号掲載
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