fc2ブログ

【アフガニスタンの今】(02) 難民受け入れ、もう限界

20211217 16
今月上旬の朝、トルコ東部のワン県の不法入国者収容施設(※左画像)にアフガニスタン人26人を乗せたミニバスが到着した。医学生のアフマド・アミルリは密航業者に1200ドル(※約13万円)を払い、1ヵ月半かけてほぼ徒歩でトルコまで辿り着いた。闇に紛れて移動しようとしていた深夜1時過ぎ、他のアフガニスタン人十数人と共にトルコ当局に見つかった。アミルリによると、故郷のアフガニスタン東部のガズニ州で、父が『タリバン』に誘拐された。身代金を支払ったものの、父は今も戻らない。「故郷に安全はない。欧州に渡って家族を呼び寄せたいが、今後どうなるのか」。流暢な英語で不安を吐露する。『国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)』は、年末までに50万人のアフガニスタン人が難民として国外に流出する可能性があると指摘する。難民危機の再来を恐れるEUは、アフガニスタン周辺国や通過国が多くの難民を受け入れられるよう、資金を支援する方針を示す。だが、既に多くの難民を抱える国々の警戒は強い。シリア難民ら400万人が暮らすトルコ大統領のレジェプ・タイップ・エルドアンは14日、ドイツ大統領のフランクワルター・シュタインマイヤーとの電話で「新たな難民に対応する余力はない」と告げた。アフガニスタン難民140万人を受け入れているパキスタンの首相補佐官(※安全保障担当)のモイード・ユスフも今月15日、記者団に「これ以上受け入れられる状況ではない」と話す。パキスタンとの国境、アフガニスタン東部のトールハムは連日、出国を望む人でごった返す。検問所の両側ではパキスタン、タリバン双方の兵士が厳重な警備を敷く。ユスフは難民の無秩序な流出を止める為、「アメリカ等国際社会はアフガニスタンを統治するタリバンに関与すべきだ」と訴えた。タリバンは「旧政権の関係者や女性等の安全や権利を守る」と強調しており、国連も対話を促すが、疑念は国内外に渦巻く。シェキーラ・ハシップはカブールが陥落した先月15日の朝、夫と6歳の長女と共にアフガニスタンを脱出し、現在はトルコで身を潜める。国外脱出は二度目。前回はタリバンが支配していた25年前。タリバン戦闘員と意に反して結婚させられそうになり、逃れた。「タリバンは前回も同じ約束をし、履行しなかった。絶対に信じられない」。 《敬称略》


キャプチャ  2021年9月29日付掲載
スポンサーサイト



テーマ : 中東問題
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接