ドナルド・トランプを手中に収めて目指すはアメリカの“完全解体”――ロシア及び世界最強の“フィクサー”ウラジーミル・プーチンの恐るべき野望

ドナルド・トランプ政権の誕生によって、世界情勢は大きく変わろうとしている。実は、その裏側で糸を引くのが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領だ。彼は、大国アメリカ“解体”という野望に向け、着実に歩を進めている。プーチンが企む“アメリカ崩し”のシナリオを徹底解説する! (取材・文/フリーライター 西本頑司)

20170227 07
「私の世代で領土問題を全て解決する」――。そんな安倍晋三の勇ましい発言もどこへやら。文字通り、あっさり白旗を上げ、ロシアへの完全屈服という醜態を晒したのが、2016年12月15日に行われた日露首脳会談であろう。翌16日の共同声明を見る限り、会談の内容は“日本のカネで北方領土を開発してロシアにプレゼントする”という内容だったようだ。事実、日本は最初から最後までプーチンに舐められっ放しだった。会談場所である山口県長門町の温泉旅館への2時間40分もの大遅刻も然ることながら、開催直前に「ロシアには領土問題は存在しない。存在していると思っているのは日本だけ」とまで言い放っていたのだ。このような横柄な態度を甘んじて受け入れた安倍は、諸手を挙げて“プーチン大統領さまを温泉で接待”。更にお土産として、「北方領土開発支援費の1兆円まで持たせたのでは?」という噂もあるほどで、全く情けない話である。とはいえ、日本がこれほど譲歩したのには理由があった。それは何と、あのドナルド・トランプの命令だったというのである。安倍は、アメリカ大統領選でトランプが当選した直後の11月19日、マンハッタンの『トランプタワー』にまで出向き、会談を行っている。その際、「日露会談で、日本はロシアに対する全ての要求を取り下げろ」とトランプに厳命されていたらしいのだ。

ロシア情勢に詳しい国際アナリストが解説する。「相変わらず大手メディアは報じませんが、プーチンはトランプ当選劇の立役者なのです。その証拠に、今回のアメリカ大統領選に際し、プーチンはロシアから選挙監視団を送り込んでいます。勿論、これは異例の事態で、『これによってトランプの当選が決まった』とさえ言われているのです」。当初、ヒラリー・クリントンの圧勝と思われていた大統領選。その理由として、ヒラリー陣営がメディアを牛耳っていたことが挙げられる。これに加え、ヒラリー側はいざとなれば不正選挙、つまり票の改竄をすると考えられていた。その証拠に2015年5月、各州の選挙システムがハッキングされる事件が起こり、『連邦捜査局(FBI)』が捜査に乗り出す事態となっていた。この事件は、「ヒラリー陣営が雇った中国系ハッカーの仕業だった」と囁かれている。そこでプーチンは、ロシア軍のハッカー部隊を動員し、「選挙の不正をチェックする」と言ってヒラリー陣営を資したというのだ。その上で当選すれば、トランプは“クリーンな選挙で選ばれた大統領”という印象を国民に与えることができる。トランプにすれば、プーチンは“大恩人”という訳だ。それだけではない。トランプ新政権は、対中戦略でロシアを欠かせないパートナーと位置付けている。アメリカは、“超親露路線”に舵を切ることが予想されているのだ。トランプが大統領選に勝利したのは、破綻したアメリカを再建する辣腕経営者という役割を期待されてのことだ。トランプは、何だかんだいって有能な経営者である。「アメリカ経済の破綻は、ウォール街の投資家たち(富裕層)が支持するブッシュ-クリントンラインが推し進めてきた“中国優遇政策”が引き起こした世界の工場化が原因だ」と見抜いている。事実、アメリカの投資家たちは中国に投資しまくり、中国製品を世界に溢れさせることでボロ儲けしてきた。その結果、アメリカの産業は空洞化し、大半の国民が真面な職を失い、経済が破綻したのだ。当然、トランプは中国製品の締め出しに動く。中国の景気が悪化すれば、中国の軍事的挑発はエスカレートすることになるだろう。一方で、トランプはアメリカ軍の縮小も予定している。直接の対峙はできない以上、ロシアを仲間に引き込んで中国を掣肘しなければならないのだ。もうおわかりだろう。トランプは安倍を“接待部長”に任命し、「プーチンさまを得意の“おもてなし”で歓待しろ」と命じた訳だ。何れにせよ、トランプ政権下で米中関係が悪化すれば、キャスティングボートを握るのはロシアとなる。今後、ロシアの影響力が益々高まるのは間違いない。しかし、本当の“おそロシア”は、ここから始まる。“覇権国家アメリカの解体”。これこそが、プーチンの真の目的である。彼は本気でアメリカをぶっ壊そうというのだ。

20170227 05
信じられない事件が続発した2016年は、まさに激動の年であった。パリでの同時多発テロにヨーロッパのイスラム難民問題、そしてイギリスの『ヨーロッパ連合(EU)』離脱。その締め括りとして世界中を驚かせたのが、アメリカ大統領選におけるトランプの当選であった。この流れ、実は過去にもそっくりな事例がある。ソビエト連邦の崩壊だ。第2次世界大戦後、世界を二分した冷戦構造の時代に東側を率いた旧ソ連は、1980年代になると肥大化した軍事費で経済が悪化。更に、アフガン戦争の泥沼化と、チェルノブイリ原発事故によって止めを刺される。こうして1989年6月、ポーランドが東側から離脱。その余波で『ベルリンの壁』が壊され、『ワルシャワ同盟』と呼ばれた東欧は解体する。その僅か1年後、ソ連内からもウクライナ等が分離・独立。一旦は『独立国家共同体(CIS)』となるも、これに危機感を抱いた軍によるクーデターが勃発し、ソ連のクーデターを排除したボリス・エリツィンが1991年末、ロシア連邦の樹立を宣言する。東側のリーダーを引きずり降ろされ、ただ領土だけがバカでかい二流国家となったのだ。ソ連解体のプロセスを見れば、今、世界で起こっているのは、ソ連をアメリカに置き換えた“ソ連解体”ならぬ“覇権国家アメリカの解体”であることが理解できよう。年間70兆円という肥大化した軍事費に、経済を破綻させ泥沼化した中東情勢とリーマンショック。そして、崩壊の序曲となったポーランド離脱は、未だ記憶に新しいイギリスのEU脱退と対応する。このように、2つのシナリオは見事までに一致しているのだ。そこでトランプである。恐らくトランプは、徹底的に覇権国家アメリカを解体し、その後、普通の大国となった“新アメリカ”の樹立を宣言することになる筈だ。まさに“アメリカ版エリツィン”である。トランプ自身が、アメリカ再建の為にプーチンの構想を受け入れているという事実は、トランプの政策からも伺えよう。この2人のリーダーは、アメリカ解体に向けて一致しているのだ。

こうなれば、次に起こるのはEUの完全解体と言えるだろう。ソ連崩壊時にユーゴスラビアの独裁者だったチャウシェスクは、人民裁判で処刑された。現在、韓国を襲っている朴槿恵弾効のようなケースが、フランスやドイツで起きる可能性も高いのだ。ソ連を解体したのは、当時のアメリカ大統領だったジョージ・H・W・ブッシュ(以下“パパブッシュ”)だった。ソ連を軍拡競争に巻き込んで自減させた後、徹底的に潰した。そうして、現在に至るまでのアメリカの覇権を築いたのだった。「やられたらやり返す、倍返しだ」。これを本当に実行してしまう。それが、プーチンという男の“おそロシア(さ)”なのである。プーチンは、間違いなくアメリカをぶっ壊すことだろう。理由ははっきりしている。ソ連崩壊後のパパブッシュの対応があまりにも酷かったからである。ここを理解していない人が実に多いのだ。実際、日本人の多くは「ロシア国民はソ連崩壊を喜んでいる」と勘違いしている。「ソ連時代に比べて言論・結社・思想(宗教)の自由が保障され、努力すれば報われる民主的な制度になった。結果的に見れば、ソ連崩壊は国民にとって良かった筈だ」と。確かに日本の場合、アメリカの戦後政策は、歴史的に見ても非常に公平で良心的だった。ところがロシアの場合、非常に悪質で無茶苦茶なものだったのだ。国を潰した共産党幹部たちは、パパブッシュの許可を得てロシアンマフィアに鞍替え、後に『オリガルヒ』と呼ばれる新興財閥を形成。責任を取って処罰や処刑されるどころか、寧ろぬくぬくと肥え太っていったのである。一方、ソ連崩壊を必死に支えてきた軍人や官僚たちは職を奪われ、タクシーの運転手や日雇い労働者に落ちぶれた。妻や娘が売春をして生活を支える家庭も珍しくなかった。一般国民も、オリガルヒによってソ連時代以上に搾取され、文句を言えばマフィアたちの制裁が待っているという地獄のような生活を強いられていた。オリガルヒは、欧米資本によって多くのエネルギー資源を開発し、市場を独占していた為に、バカ高い値段で石油・ガス・食糧を売りつけ、暴利を貪ることができた。しかも、利益の大半は欧米の投資家へ横流しするのだ。国を潰した後は、売国行為で国家と国民を食い物にした。更にパパプッシュは、ロシア人の誇りまで踏み躙った。旧ソ連時代、塗炭の苦しみに人民が耐えてきたのは、「アメリカと戦争をしても勝てないまでも負けない」という矜持にあった。それが“報復核攻撃”である。核兵器は、ただ保有するだけでは抑止力にはならない。先制攻撃を受けても、その報復で相手国を全滅させられる能力を持って初めて、抑止力となるものだ。その意味では、現在の中国にこの報復能力は無い。従って、新しい冷戦構造は作れないのだ。旧ソ連時代には報復能力があった。だからこそ、アメリカと世界を二分できたのだ。そのシンボルが、映画『レッドオクトーバーを追え!』(パラマウント映画)で知られるタイフーン型原潜である。排水量5万トン、数十発の核ミサイルを持つ水中要塞を、ソ連の領海である北極海に配備。アメリカが攻撃型原潜で撃沈しようにも、領海内では手出しをできなくしていた。こうして、旧ソ連はアメリカに対抗する“核の傘”を維持してきた。ロシア人にとって旧ソ連の歴史と価値は、この技術を得る為にあったと考えているのだ。それをパパブッシュは、タイフーン型原潜全てを破却しただけでなく、二度と作れないよう工廠のあったウクライナを分離・独立させた上で、借金のカタとして軍需工場を売却した。ソ連人民の血と汗と命の結晶である技術を叩き売ったのである。

20170227 06
これが、冷戦に勝利したパパブッシュによる“ロシア統治”の実態だ。ロシア国民が感謝する筈はあるまい。ロシア人の凄まじい憎しみと怨嗟の中から、ウラジーミル・プーチンという独裁者が生まれたのだ。どんなに冷酷非道な行為をしようとも、ロシア人がプーチンを圧倒的に支持するのは、「プーチンならばきっと復讐してくれる」と信じているからなのである。事実、プーチンの政策は“ソ連解体の屈辱を拭う”という姿勢が一貫している。オリガルヒを法的根拠の無いまま無理矢理国営化し、経営陣たちを逮捕&処刑。その返す刀で、アンチ派のメディアを全て潰す。欧米メディアは盛んに批判したが、ロシア人にすればオリガルヒは売国奴である。本来ならば戦犯として処断されるべき連中を優遇していたのが“西側”であり、そんな連中を持て囃していたのが、欧米資本の影響下にあったメディア各社だった。当然、欧米メディアがプーチンを独裁者・殺人者とどんなに批判したところで、支持率が落ちることはない。それどころか、新興財閥の国営化で国民所得が5倍にも跳ね上がれば、プーチンの正しさは証明されたようなものであろう。更にプーチンは、新たに得た資金でロシアの誇りを取り戻すべく、新型戦略原潜の開発に着手した。多くの苦労を重ねながら、2014年にはボレイ型原潜3隻を実戦配備する。遂に“報復核攻撃能力”が復活、ロシア国民を歓喜させている。その仕上げとして、“覇権国家アメリカ”の解体ショーが愈々始まるのだ。プーチンの支持率が90%という異常な数字になるのも、無理はないだろう。現在のアメリカの覇権は、ソ連と東側を解体し、唯一の超大国となることで築かれたものだ。戦後のグランドデザインは、基本的に冷戦構造を前提に作られている。故に現在の体制は、東側を潰しながら西側だけで繁栄を謳歌するという、ある意味、非常に歪なものなのだ。それを徹底的に破壊しなければ、“戦後体制”は終わらない。だからこそプーチンは、アメリカの解体を実行しようとしているのである。そんな化け物のような政治家相手に、日本が真面な領土交渉などできる筈もない。しがない“宴会部長”の安倍にできるのは“温泉接待”ぐらいという訳だ。 《敬称略》


キャプチャ  第17号掲載
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