【Test drive impression】(10) 『マツダ ロードスター RF RS 6MT』――ソフトトップと何が違うのか? ロードスターRFを徹底試乗!

「果たしてこいつをロードスターと呼んでいいのか?」という話題が、意外とファンや自動車関係者の間で盛り上がっているのが、『マツダ』の『ロードスター』に新たに加わった『RF』というモデルだ。何故ならこのモデル、通常の手動式幌製のソフトトップ機構を持つノーマルに対して、電動開閉式ハード素材のオープントップ機構を持つ訳だが、何とオープンにしてもドライバーの頭上部分とリアのウインドウが開くだけで、周りを取り囲む柱が残る構造をしているのだ。しかし! 実際にオープン状態にすると、写真とは裏腹に開放感は意外やちゃんとあるのだから驚く! しかも、電動開閉式且つ幌ではないハードルーフなので、通常の幌製ソフトトップより耐候性や防犯性も抜群だ。そんな理由から、ロードスターの中でもかなりの販売割合を持つモデルでもある。因みに、先代ロードスターでは、同様のモデルが『RHT』というモデル名だった。RHTとはリトラクタブルハードトップの略。要するに、「折り畳み式のハードトップですよ」ということ。実際に、幌と同じようなフォルムのハードトップが見事なカラクリで収納されていた。では何故、今回はRHTではなくRFなのか? RFとはリトラクタブルファストバック。つまり、折り畳み可能なファストバック(というスタイルのモデル)って意味合いを持つ訳だ。そうして屋根が開いた状態でのフォルムを見ると、「なるほど納得」ということになる。しかも! このRF。屋根を開けても閉じてもそのスタイルがほぼ変わらない上に、冒頭で書いた通り、そのスタイル自体が実に美しい! 実際に後ろ斜めから眺めてみると、その姿はどこか懐かしい感覚が漂う。

1960~1970年代のスポーツカーのような雰囲気が、どこかから不思議と漂ってくる。そして、如何にもスポーツカーらしい情感や佇まいを感じる。そんな文句無しのスタイルなのだ。「でも、電動開閉式且つハードな素材の屋根を与えたら重くなるのでは?」と勘のいい人は思うだろう。確かにその通りで、ノーマルよりも重量は増している。が、ロードスターは元々軽量で、実際にノーマルモデルは1トンを切るものから、1トン台に収まる軽量っぷりなのだ。なので、このRFとなっても、車両重量は僅かに1100㎏。更に搭載エンジンは、ノーマルの場合は1.5リッターだが、このRFには新たに2.0リッターモデルが用意されたのがトピック! 最高出力158馬力、最大トルク20.4を発生するので、走りに全く非力な感じは無し! 寧ろ1.5リッターにはない力強い感じに加え、低速から力があるので、扱い易さも上々なのだ。とはいえ、エンジン自体のフィーリングに関しては1.5リッターのほうが一枚上手。1.5リッターのほうがエンジン回転が気持ちよく高まっていくし、組み合わせるトランスミッションがMTの場合は、やはり1.5リッターに組み合わせられるMTが新設計されたものだけに、操作フィーリングが超絶に気持ちいいからだ。だがエンジンは、ATとの組み合わせの2.0リッターがいい。気楽なAT運転の際に、低回転からの力強さでアクセルをあまり開けずとも滑らかに走るし、シフト操作が無い分、エンジンの回転上昇の良し悪しもそれほど意識せずに運転できる。ただ、ATだと乗り心地がちょいと気になる人もいるかも。というのも、ATの場合はトランスミッションを抱えるトンネルに補強パーツが付かないので、路面の段差や荒れたところでちょいとブルブルした動きが出易い。それに比べると、MTは全体的にスッキリした乗り味になる。

どちらを選ぼうとも、若干の悩ましさはある。そうした走りのことを考えると、やっぱり幌製ソフトトップのノーマルのほうが、トランスミッションがどちらでも走りがスッキリ気持ちいい。それはさておき、RFの魅力はそのスタイルだ。美しいスタイルと共に、ノーマルにはない大人っぽい印象も併せ持っている。それだけに、走りの楽しさ・気持ち良さオンリーではなく、“車を所有し愛でる”という意味合いにおいて、「RFには、この車ならではの魅力がある」と感じた。また、「もういい年だから、ガンガン走るというよりも、気持ちよく流して走りたいぞ」という紳士な方にもピッタリの選択ではないか。この車ならば、ATモデルでゆっくりと夜の高速をクルージングするなんてシブ~い世界もハマるだろう。それに実際、艶やかなスタイリングをしているので、どこにでも乗っていける品の良さも兼ね備えている。という風に見てくると、このロードスターRFというのは、とても大人っぽい世界観を持ったスポーツカー。そして、そういった世界観を持ったスポーツカーというのは、残念ながらこれまでの日本のスポーツカーには無かった。それだけに、とても価値ある存在だ。肝心なことを忘れていた。屋根を開けてもオープンに感じないスタイルをしているものの、実際に走らせると開放感の高いオープンエアモータリングを存分に堪能できるので、ご安心を。因みに、車両価格はチト高めな印象がある。スポーティーな装備が充実のRSグレードだと、正直、諸費用込みで400万円オーバーという価格になってしまう。RFは、価格も大人なスポーツカーなのである。


河口まなぶ(かわぐち・まなぶ) 自動車ジャーナリスト・『日本カーオブザイヤー』選考委員。1970年、茨城県生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、『モーターマガジン』のアルバイトを経て、1995年からフリーに。


キャプチャ  2017年3月6日号掲載




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