【東芝・4度目の危機】(03) 「融資判断できない」

20170301 04
「こんな状態では融資判断ができない」――。今月15日、東京都港区芝浦の『東芝』本社で開かれた金融機関向け説明会。前日の決算発表を踏まえ、来月末までの協調融資の延長を求める同社財務担当専務・平田政善(58)らに、出席者から怒りの声が相次いだ。「ガバナンスはどうなってるんだ」「情報開示が足りない」「債務超過を回避できるのか」。苦情や質問が後を絶たず、予定の1時間を超え、1時間30分超に及んだ。最終的に銀行団が矛を収めたのは、決算発表で同社社長・綱川智(61)がメモリー事業売却の方針を表明したからだ。「最大限の利益を得る為に、2割以上売ることも考えては?」。主要取引行の『みずほ銀行』幹部が綱川と協議したのは今月上旬。東芝は来月末までに2割未満の株を売却する方針だった。これに対し、4月以降の融資継続を約束。「過半数の売却を視野に入れるべきだ」と訴えた。

政府系ということで、支援の担い手として急に注目を集めた『日本政策投資銀行』等からは「一定の株を持ち続けるべきだ」という意見もあったが、みずほ銀行・『三井住友銀行』という主要2行が歩調を合わせ、大勢が固まった。三井住友銀行頭取の国部毅(62)は、東芝の説明会の翌日にあった『全国銀行協会』会長の記者会見で、「メモリー事業の活用で、実質的な株主資本はプラスが維持される」と改めて強調した。ただ、今の銀行団の結束も、首の皮一枚の危うさがある。支援の旗振り役であるみずほ銀行は、今回のドタバタ劇の裏で重要な決断を下していた。「東芝の債務者区分を“要注意先”に下げる」。先月下旬のみずほ銀行の臨時取締役会。審査担当の説明に対し、『みずほフィナンシャルグループ』社長の佐藤康博(64)は、一切異論を挟まなかった。債務者区分は、“正常先”から“破綻懸念先”まで大きく5段階ある。要注意先は正常先の1段階下だが、もう一段下がると不良債権となり、原則として新規融資はできなくなる。「本当に支える気があるのか?」。区分の引き下げを聞き耳を疑ったのは、主要取引行の支援を信じて協調融資を続けていた地銀だ。東芝は「メモリー事業に2兆円以上の価値がある」と見積もるが、「相応の損失リスクを抱えながらの融資継続には覚悟がいる」(地銀幹部)。銀行団は不安を拭い切れないまま、再建の行方を注視している。 《敬称略》


⦿日本経済新聞 2017年2月23日付掲載⦿
スポンサーサイト

テーマ : 経済・社会
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR