【火曜特集】(420) 医薬品談合で新たな疑惑が浮上…国立病院機構の調達で不自然な動き

医薬品卸業界の談合体質について、新たな疑惑が浮上した。公正取引委員会は昨年11月、『国立病院機構』の九州エリアの調達談合疑惑で、医薬品卸各社に立ち入り検査した。公取は2020年、『地域医療機能推進機構』の調達を巡る談合事件を東京地検特捜部と共に摘発。この時、家宅捜索で押収した資料等から、国立病院機構の調達での疑惑が浮上した。本誌が入手した同機構の資料によれば、九州エリアの2016年度以降の医薬品卸各社の落札金額の割合は、図ったように同じだった。しかも、2020年度は突如として前年までと全く異なる割合に変わっている。公取と東京地検による摘発を受け、慌てて受注調整という名の談合を止めたことが窺える。同機構の調達で、疑わしいのは九州だけではない。特に北海道エリアでは、九州とほぼ同じ落札動向が続いていた。その為、公取が今後、北海道での調達にもメスを入れる可能性があるのだ。公取は九州での談合疑惑について、「悪質性が低いとして行政処分等で終わらせる見込み」(業界誌記者)だという。そんな甘い対応で、医薬品業界が反省するのだろうか。

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