【最強の文章術を身に付けろ!】(14) 成毛眞が直伝! “バズる”投稿の極意

話題を呼ぶバズるSNSの投稿を生み出すには、先ず多くの人に見てもらうようにすることだ。『フェイスブック』の場合、友達の数や“いいね”の数もあるが、その投稿が如何に多くの人にシェアされるかで発信力が決まる。シェア数が増えると、多くの人に読まれていると機械的に判断され、友達等ユーザーのタイムラインの上に表示されるようになる。そうした仕組みを知った上で投稿しないと、誰のタイムラインにも表示されないまま終わってしまう。多くの人のタイムラインに表示させるには、時事ネタ等タイムリーなネタを織り交ぜるのがひとつの手だ。私の場合、そうした話題をフックにして、本当に自分が書きたい話を投稿している。時事ネタと書きたいことを上手く関連付けることも技術のひとつだ。色々な話題に触れることも、見る人を増やすコツだ。偶に犬や猫の話をするが、それはそうした動物好きの人のタイムラインへの表示を狙っているから。そこに表示されて“いいね”を押してもらえれば、その後は自分の投稿が連続して表示されるようになる。食べ物では、チャーシューの話をすることがあるが、多くの人に関心を持ってもらえるテーマだから取り上げている。これがラム肉のようにあまり一般的ではないものだと、表示されなくなる。勿論、単にチャーシューを食べたという投稿だけではだめ。抑々、話が面白くないと読まれない。そうした文章は小学生の日記のような内容のことが多い。先ず、どうやったら気持ちをわかってもらえるかを考える。自分がイメージしている情景を、読んでいる人にも映し出してもらえることを意識し、目の前で起こっていることの特徴を一つひとつ挙げるつもりで書くといい。
更に、読んで得するような話題にすることも、シェアや“いいね”を増やすポイントになる。配信は、毎日続けるよりも3日くらい空けるほうが読まれる可能性は高い。毎日何本も投稿すると、逆に1本当たりの価値が下がってしまうし、飽きられてしまう。“いいね”の数がいくら多くても、それは惰性で押しているだけで読まれていないことも多い。私もSNSに投稿するペースは2~3日に1回で、SNSを開かない日もあるくらいだ。最後まで読んでもらう為には、SNSならではの書き方の工夫が必要だ(※左上画像の上)。先ず、1行目が良し悪しを決める。最初の1行で関心を得られなければ読み飛ばされてしまう。1行目は、本や新聞でいえば小見出しの位置付けで、つかみのような役割を果たす。「これから貴方にこれを読んでもらいます」ということを伝える。その際、長いのはよくないし、タイトルのような書き方は説明的になるので避けたい。1行目で関心を持ってもらい、2行目に進んでくれさえすれば、後は最後まで読んでもらえる。読み易い文章にすることも、最後まで読んでもらうコツだ。そこで意識したいのが、漢字を多用せず、ひらがなに“開く”ことだ。漢字が多ければ難解で読み難い印象になるが、ひらがなを多くすれば平易で読み易い印象を与えることができる。小学生や中学生でも理解できるような平易な文章にするといいだろう。改行後に“1字下げ”をしないことも重要だ。段落の最初の1文字は空けると学校で習ってきたと思うが、それは原稿用紙で書く場合のルールだ。抑々。1行が短いスマホの画面では、1字下げただけでは段落が変わったかわかり難い。その代わり、段落を変える時に“1行空け”をするといい。適度な余白を作る為に、100~140字を目安に段落変えをすると読み易い文章になる。伝えたいことを過不足なく伝えることも意識したい。他人の投稿やニュース等をシェアする場合は、投稿のメインテーマから派生させた追加情報を入れて、貴方の投稿を読みたいと思わせるような“引き”を入れる。シェアする元記事の内容以上にサブ的な内容がものをいう(※左上画像の下)。一方、読者が増えていくと色々な受け取り方をする人が増えてくる。自分の真意とは異なった受け止め方をする人も少なくない。その誤解から誹謗中傷コメントを送られる可能性もある。誤解されない為には、曖昧な表現は避けたほうがいいだろう。例えば、“人気がある”なら、“80%の人に人気”というように、定量的な根拠を入れて誤解を避けるようにする。読まれる内容にしたり、誤解を生まない表現にしたりするには、投稿した後で修正することが大事だ。投稿前ではなく、投稿してから修正を加えていったほうがいい。推敲をしてから投稿しているのでは時間がかかり、タイミングを逸してしまう。私の場合、多い時には10回以上も更新している。修正は気が済むまで行なえばいいが、日を置いて行なうのはお勧めしない。書き上げた時の感触が消え去っていると、却って改悪になってしまうおそれがある。他人が書いた記事を推敲するのとは違う。修正を止めるタイミングは自分の感覚に任せるのがいいだろう。 (聞き手・構成/本誌副編集長 宇都宮徹)

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