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【依存社会ニッポン】第3部・オーバードーズ(下) 乱用防止へ、販売制限や授業も

20220304 03
「その使い方大丈夫? いつでも止められると思ってない?」。東京都墨田区の『鐘ヶ渕薬局』の入り口には、市販薬の適正な使用を呼びかけるポスターが貼ってある。『日本薬剤師会』が啓発用として今年作製したもので、「市販薬を危険な使い方をしていると薬物依存症になる恐れがあります」と注意を呼びかけている。同店の薬剤師、浜野明子さんは「薬を購入する人には必ず声をかけ、体調や症状等を確認し、不安な点はないか聞いている」と話す。市販薬の乱用を防ぐには、販売する薬局等の対応が欠かせない。厚生労働省は、エフェドリンやコデイン等の6成分を含む医薬品を“乱用等の恐れのある医薬品”と指定している。これらの薬を販売する場合は、原則1人1箱とし、適正な数量を超えて購入する場合は、その理由を確認することを義務付けている。高校生等に販売する際には、名前や年齢の確認をしなければならない。大手薬局の大阪市内の店舗では、乱用の恐れのある薬の棚には空箱を置き、“1人ひとつまで”というシールを貼る等している。同店で働く薬剤師は、「購入の際には本人にサインをしてもらう他、店舗内や系列店の間で情報を共有するようにしている」という。

一方で、「買いたい人は偽名を使ったり、複数の店舗を回ったりして手に入れようとする」と打ち明ける。「薬剤師や登録販売者が、どれくらい時間を割いて話を聞けるかが課題だ」と話す。予防や啓発活動も大切だ。日本薬剤師会常務理事の富永孝治さんは、「薬を正しく服用する為の教育を発達段階に応じて行ない、楽に関する知識を身につけてもらうことが重要」と強調する。国の施策でも、学校現場での薬物乱用防止教室の充実強化が求められている。茨城県鹿嶋市の鹿島学園高校では今月中旬、1年生約250人を対象に行なわれた(※右上画像)。「薬は使う量を間違えると毒になる。市販薬の風邪楽の中には興奮作用を持つ成分が入っており、大量に飲むと覚醒剤と同じように危険です」。講演した日本薬科大学の新井一郎教授は、若者に広がる大麻等違法薬物の危険性を紹介した上で、「違法薬物さえ避けていればいいということではない。身近な薬も危険かどうか自分で判断し、量を守って服用することが大切」と呼びかけた。同校で薬物の専門家を招いて教室を開くのは2回目。生徒たちは真剣に耳を傾けていた。男子生徒(16)は、「飲み方の違いで身近な薬に危険があると知って怖かった。市販薬の使用法をよく読み、薬剤師から処方してもらう薬も説明をしっかり聞くようにしたい」と話した。慶應義塾大学の福島紀子名誉教授(社会薬学)は、学校で使う学年毎の教育プログラムを作成し、東京都内の小中学校等で実践してきた。「薬を正しく使わないと副作用や依存する危険があることは、小学校高学年から教育することが必要。より充実した教育を行なう為には、学校薬剤師や地域の薬局、大学の薬学部の連携やネットワーク作りが大切だ」とする。『国立精神・神経医療研究センター』薬物依存研究部室長の嶋根卓也さんは、「薬の適切な使い方だけでなく、薬物問題を抱えた当事者に対する差別や偏見を持たせないように理解を深める教育も大切だ」と指摘。そして、「悩みを抱えた当事者に対しては、学校や地域、社会全体で相談し易い環境を整備する必要がある」と強調している。

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小野仁・福元理央・松本彩和が担当しました。


キャプチャ  2021年11月26日付掲載
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