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【精子提供のリアル】(01) インターネットで検索、頼みの綱

“無償で精子提供”・“精子提供ボランティア”――。こんな言葉が載ったページがウェブ上で沢山見つかる。インターネット上で知り合った人から精子を貰い、子供を産んだ人もいる。当事者に取材すると、産みたくても精子が手に入らない人にとっては頼みの綱になっていた。

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10月下旬、公園で清水尚雄さん(38)と妻の彩香さん(28)、2歳の長男が遊んでいた(※右画像)。滑り台で遊ぶ長男に、夫婦は傍に立って「もう1回」「もう1回」と手を叩いて盛り上げる。彩香さんは、8月に生まれたばかりの長女を抱きかかえていた。2人の子供は、インターネット上で見つけた1人の男性から精子提供を受けて授かった。尚雄さんは女性の体に生まれ、男性と自認するFTMだ。性別適合手術を受けて男性に戸籍を変え、彩香さんと結婚した。当初は親族から精子を貰おうとしたが、親族が病気になり断念。次に、医療機関で匿名の第三者から提供を受けた精子を使った人工授精(※AID)を考えた。地元の病院で唯一紹介してもらえた医療機関の受診を検討したが、友人から「初診まで2~3年待ち」と聞かされた。自然に妊娠できない為、「時間に猶予はない」。精子をくれる人をインターネット上で探し始めた。だが、インターネットは「無法地帯」(尚雄さん)だった。提供者から受け取った精子を、シリンジという針のない注射器の形をした容器で体内に注入する方法があるが、ある提供者からは「性行為以外は受け付けない」と言われて断った。

インターネットを見ると、「待ち合わせ場所はホテル」「女性1人で来ること」。3万~5万円の支払いを求める提供者もいた。そんな中、彩香さんたちは精液を容器に入れて提供してくれる男性を見つけた。生まれた子供が望めば会ってくれるという。男性に会って信頼できると感じ、提供を受けた。子供には出自を包み隠さず話し、両親が待ち望んで生まれたことを伝えるつもりだ。生殖医療に詳しい独協医科大学の岡田弘特任教授は、約5年前からインターネットを介した精子提供に注目していた。昨年、“精子提供者”・“精子ボランティア”等の語句で検索してヒットした140のウェブサイトを調べると、感染症の検査結果や受け渡し方法、費用等必要な情報が開示されていないサイトが96%と大半だった。SNSでの個人間のやり取りに誘導するものも多かった。医学的なリスクもある。エイズを含む性感染症は、感染してから検査で検出できるようになるまで空白期間がある。医療機関でのAIDでは精子を半年以上凍結してから提供者を再検査し、陰性だった場合のみ実施しているが、個人間では生の状態で渡される。医療機関では近親婚を防ぐ為、1人の提供者につき生まれる子供は10人までと決められているが、個人間では数十人の子供がいる提供者もいる。岡田さんは、「渡された精液が本当にその人のものかすら確かめようがない」と指摘する。AIDの歴史は古く、国内では1948年に慶應義塾大学病院で初めて実施された。『日本産科婦人科学会』の資料によると、2019年までの直近10年では年2000~3000件実施され、約1000人の子供が生まれた。近年、ドナー不足の為、医療機関での提供が受け難くなっている。女性同性愛者のレズビアンカップルや独身女性は治療の対象になっていない。当事者への取材から、精子提供の今を5回に亘って追った。


キャプチャ  2021年12月1日付掲載
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Author:George Clooney

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