fc2ブログ

【精子提供のリアル】(02) 不安定な“出自知る権利”

20220311 14
「(精子)提供活動を終了する運びとなりました」「緊急の場合を除き返信しない形になります」――。10月中旬、関東地方に住む女性(41)の元に、精子提供者の男性(28)から無料通信アプリ『LINE』でメッセージが届いた。女性には、男性が提供した精子で授かった1歳の一人息子がいる。女性は37歳の頃、夫が原因の不妊に悩み、第三者からの精子提供による人工授精を考えた。だが、インターネット上で見つけた病院は提供者不足で停止。年齢を考えると高齢出産になる為、診療の再開は待てなかった。インターネット上で提供者を探し、夫の了解を得て、容器に入った精子の提供を受けた。提供者の男性は、子供と将来会ってくれると言っていた。提供者がどんな人か伝えられるなら、提供者の協力で生まれたことを子供に伝えようと考えていた。提供者の男性のことを心配もしていた。男性は提供で生まれた子供が50人超もいて、家庭もあった。女性は「いつか提供を止めるのだろう」と予感していた。ただ、基本的に返信しないという冒頭のメッセージには驚いた。子供との面会についても特に記載がない。半面、「インターネットだとこういうことがいつ起きてもおかしくない」と受け止めてもいる。産んだことに後悔はない。夫も長男に我が子として愛情を注いでいる。女性は、長男には精子提供で生まれたことを伝えるつもりは、もうないという。言えば提供者が誰なのか聞かれるからだ。これまで通り、夫婦の子として育てていく決意を固めている。

男性は精子提供を止める前、東京都内で記者の取材に応じた。22歳の頃、仕事が激務で体に限界を感じ、子供を作るのは難しいと感じた。海外では精子ドナーがいると知ったが、日本の医療機関では受け付けていなかった。そこで、ブログやウェブサイトを自ら開設して提供を始めた。提供を望むのは、医療機関で治療が受けられない人ばかり。男性は、「初めて会う時、皆怯えていた。でも、これ以外の選択肢がなかったのでは」と思いを巡らせた。提供を受けた人に感謝され、これまで活動を続けてきたという。26歳の時、精子提供について伝えた上で、妻と結婚。妻との間に幼い子供が2人いる。精子提供を止めた理由について、男性は、国内で精子バンクができ、インターネットのドナーも増えたからとLINEで答えた。提供で生まれた子供との面会についても尋ねたが、返答は未だだ。埼玉県の40代会社員男性も、インターネットを介した精子ドナーの一人。出産報告があった女性19人の半数近くと報告後、連絡が取れなくなった。親が望めば子供と面会し、信頼できると判断した人には身元を明かしてもよいと考えている。19人は出産報告のあった人数で、提供後に妊娠したか尋ねても、多くは連絡がない。妊娠したのに報告していない人もいる気がしてならないという。順天堂大学の入澤仁美助教(病院管理学)は、SNSを通じて精子提供をしている人や、提供を受けた人に聞き取りをしてきた。子供への告知や提供者への面会について、「親と提供者の当事者に委ねられ、子供の権利や、出自を告げる適切なタイミングが尊重されないケースがある」と指摘する。親が精子提供で生まれたことを隠していても、遺伝性疾患やアレルギー等を発症し、子供が偶然知ることもある。子供にとって出自を隠されていたショックは大きく、家庭を持っていれば尚更だ。入澤さんは、「子供が知りたい範囲で知ることを保障すべきだ。親は段階的に子供に告知する必要がある」と話す。


キャプチャ  2021年12月8日付掲載
スポンサーサイト



テーマ : 医療ニュース
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

产品搜索
广告
搜索
RSS链接
链接