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【精子提供のリアル】(04) 医療機関でのAIDが縮小

20220311 16
夫以外の第三者からの精子提供による人工授精(※AID)では、医療機関に精子を提供する人(※ドナー)が減っている。医療機関でのAIDが縮小し、インターネット上で精子提供が広がる要因にもなっている。ドナー不足を解消しようと、6月には国内初の民間精子バンクの運営が始まった。『日本産科婦人科学会(日産婦)』にAID実施機関として登録している医療機関は、全国に12ある。記者は12施設に実施状況を問い合わせた。9施設から回答があり、5施設がAIDの初診の予約を停止していた。5施設全てがドナー不足を理由に挙げ、過去5年以内に停止した施設が3つだった。一方で、予約を受け付けている施設では、初診の予約からAIDを実施するまでに必要な期間は最大で3ヵ月だった。患者の検査やカウンセリングに必要な期間だという。「ドナー不足はない」と記入した施設も1つあり、全体として縮小傾向にあるものの、施設によって状況が大きく異なった。日本のAID件数の半分を担ってきた慶應義塾大学病院は、初診の予約を2018年7月に停止した。きっかけは、「将来的にドナーの個人情報が開示される可能性がある」とドナーへ説明を始めたことだ。日本のAIDでは、提供を受ける夫婦、生まれてくる子にはドナーの身元はわからない。日産婦の内部規則で、個人情報保護の為、ドナーは匿名とされているからだ。

一方、世界ではAIDで生まれた子の“出自を知る権利”が広まっている。同大の田中守教授は、「AIDで生まれた子が大きくなった20年後、世の中の考え方が変わり、出自を知る権利が重要視される可能性がある。裁判所からドナーの身元を開示するよう命令されるかもしれない」と説明する。2017年10月に説明を変えてから、同病院ではドナー希望者が激減。過去に精子を提供したドナーの中には、「保存している精子を使わないで」という人もいた。元々、治療を始めるまで1年待ちの状態だった。ドナーの確保は一層難しくなり、初診を閉鎖した。AIDのドナーは、各医療機関が独自に繋がりのある人から募集しているとみられ、一般からは募集していない。同病院は公表していないが、他の医療機関では医学生や過去に治療を受けて妊娠した夫婦から募っている。田中教授によると、同病院では応募者の身元や遺伝病の有無を確認。感染症の検査や凍結保存にかかる費用も膨大で、ドナー情報の保存も医療機関でやるしかない。田中教授は、「公的機関が検査や情報管理をする必要がある」と訴える。AIDは70年以上続けられてきたが、公的制度の創設は進んでいない。法整備も2020年12月、民法の特例法(※生殖補助医療法)が成立し、夫が同意の上で第三者が提供した精子で妊娠・出産した場合、夫が子の父であることが漸く法律で明文化された。田中教授は、「精子の無いことを個人の責任にする考え方がある為、社会的マイノリティーである無精子症の人が治療から排除されてきた。欧米では社会で多様性がもっと認められており、そういった考え方が日本にも必要だ」と話した。そんな中、今年6月に埼玉県越谷市の民間会社『みらい生命研究所』が国内初の精子バンクを始めた。日本人男性の1~2%が無精子症とされる。治療をしても約8割は子供ができないという。研究所では、20~40歳の医療従事者や医療機関の関係者を対象にドナーを募集している。ホームページの問い合わせフォームから受け付け、医療関係者への説明会も開催。広域でドナーを集めることができるという。今後、凍結精子の提供が始まり、問題なく運営ができれば一般の人へも広げる予定だ。提供された精子は、感染症の有無や、妊娠する可能性の高さ等、精液の状態も検査。提供先は医療機関で、患者個人に直接提供はしない。9月末までに10人ほどドナーの応募があった。1件15万円を医療機関に請求する予定だが、利益はない。研究所の社長で、長く男性不妊を研究していた獨協医科大学の岡田弘特任教授は、「失敗したら次がない。他で収益を図りながら、この事業を何とかして続けたい」と意気込んだ。


キャプチャ  2021年12月22日付掲載
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