【かわる金融・地方を興す】(05) 地銀、再編効果を模索

20170308 01
『横浜銀行』は昨年5月、『東日本銀行』(東京都中央区)の支店が入るビルに、立川支店(東京都立川市)を開いた。両銀行は昨年4月に経営統合し、『コンコルティアフィナンシャルグループ』を設立した。同じ地域の住民や企業に対し、横浜銀行は資産家向けの金融サービスを、東日本銀行は中小企業向けの融資を其々提供し、お互いの強みを活用し合っている。橫浜銀行立川支店の平間武志支店長(46)は、「一緒に作戦会議を開き、資産家が多い等、地域の特徴を教えてもらった」と話す。横浜銀行は昨年5月から9月末までの間に、目標の1.8倍となる46億円の資産家向け融資を実行した。地方銀行業界では、人口減や長引く金利の低下で、再編の動きが相次いでいる。先月5日には、何れも三重県を地盤とする『三重銀行』と『第三銀行』が、経営統合に向けた交渉を進めていることが明らかになった。再編に踏み出した銀行は、統合の効果を発揮しようと試行錯誤している。2014年に経営統合し、『東京TYフィナンシャルグループ』を設立した『東京都民銀行』と『八千代銀行』(東京都新宿区)は同年、戸建て住宅を供給する『サーティーフォー』(神奈川県相模原市)に協調融資した。同社の国安勝巳副社長(51)は「両行から物件や取引先を紹介してもらいたい」と話し、取引先からの期待も大きい。

昨年4月の熊本地震の後、熊本市東区で鍼灸院を夫と営む益坂くみ子さん(64)を、付き合いのある『肥後銀行』(熊本市)と馴染みのない『鹿児島銀行』(鹿児島市)の行員が訪れた。両銀行は2015年に経営統合し、『九州フィナンシャルグループ』を設立した。肥後銀行の一部行員が避難生活を迫られた為、鹿児島銀行が応援に入ったのだ。両行は震災後、協力して約6万の取引先企業と個人の被災状況を確認し、困りごとを聞いて回った。経営統合が危機管理に役立った例だ。しかし、統合に踏み切った地銀が、どこまで成果を出せるかは未知数だ。統合を経験した東日本のある地銀の頭取は、「直ぐ新しいビジネスモデルが生まれる訳ではない。システム統合や事務部門の人員削減は業績改善に繋がり易いが、思い切ったリストラは難しい」と語る。地銀同士の経営統合は、持ち株会社の傘下に複数の銀行がぶら下がる形が多い。各地銀は地元の名士のような存在で、相手に呑み込まれるのを嫌がるからだ。持ち株会社ができる分、ポストが増え、指揮系統も複雑になる。1つの銀行になる合併に比べて、統合の効果は生み出し難い。昨年10月に『足利銀行』(栃木県宇都宮市)を傘下に持つ『足利ホールディングス』と『常陽銀行』(茨城県水戸市)が統合して誕生した『めぶきフィナンシャルグループ』は、重複店舗がある宇都宮や古河等、地区毎に両行の行員同士が話し合う“地域連携会議”を始めた。どのような連携が出来るのかを議論しているが、具体的な成果はこれからだ。緩やかな連携を模索する動きも出ている。『千葉銀行』(千葉市)と『武蔵野銀行』(さいたま市)は昨年3月、『千葉・武蔵野アライアンス』を結び、資産運用等幅広い分野で協力を進め、株式を3%程度持ち合う。関係者は、「互いの営業エリアを侵さない代わりに、統合もしない“相互不可侵条約”の意味合いもある」と解説する。首都圏や大都市圏は、地方より収益環境が良く、現時点で統合に踏み切る理由を見い出し難い。「三重の2行の統合交渉は大変驚いた。で、うちはどうか。今は十分単独でやっていける」。『愛知銀行』の矢沢勝幸頭取は先月6日、同じ中京圏の三重行・第三銀行の経営統合に触れ、こう語った。経営環境が厳しきを増していく中、如何に“目利き力”を磨き、“大再編時代”に臨むのか。地銀界は手探りで、その答えを探している。 =おわり

               ◇

戸塚光彦・秋山洋成・水野翔太・辻本貴啓・坂本幸信・木瀬武・滝沢孝祐が担当しました。


⦿読売新聞 2017年2月8日付掲載⦿
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