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【ふるさと納税の今】(04) 抜け穴で“3割”形骸化

20220331 03
黒毛和牛で知られる宮崎県。最上級と評される宮崎牛の一大産地、小林市は今年夏、『モリモリ増量フェア』と称してふるさと納税を呼び掛けるキャンペーンを実施した。寄付額1万円で受け取れる返礼品の牛肉の量を1㎏から1.5㎏に増量したり、同じ量が貰える寄付額を3000円下げて1万5000円にしたりすると、期間中、牛肉を返礼品とした寄付額は昨年の4倍になった。市の担当者は「昨年からの在庫が解消できた」と胸を撫で下ろした。国は2019年、返礼品は寄付額の3割までという“3割ルール”を厳格化した。そんな中で、増量や値下げをできたことにはからくりがある。農林水産省は2020年、コロナ禍で売り上げが減った農水産品を支援する事業を始めた。仕入れ費用の半額が補助される為、自治体が返礼品にする場合、これまでの倍の量を提供できる。この制度を使った返礼品が昨年度になかった小林市は、寄付額が2割減った。周辺の自治体は増えていた。担当者は「競争に後れを取った」と悔やむ。補助制度は今年度も継続され、小林市は今度は返礼品に利用した。「使わなければ埋もれてしまっていた」と振り返る。一方、この制度を使ってウナギを返礼品とした寄付件数を前年の50倍に急増させた高知県須崎市の担当者は、「(3割を逸脱するかは)グレーではないか。でも、事業者から『助かった』という声を聞くと、悪いことはしていないと思う」と複雑な心境を覗かせた。

“3割の抜け穴”を突かれた形の総務省は、「自治体の支出は3割以内なので問題ないと言わざるを得ない」と黙認する。だが、農水産物の返礼品が少ない北陸地方のある自治体は、「コロナ禍で苦しいのは他の品も同じ。倍増を売りにする返礼品を良しとしてほしくなかった」と不満を漏らした。国と自治体のいたちごっこは、これまでも繰り返されてきた。国の制度拡充を機に自治体の返礼品競争が過熱すると、国は3割ルールや換金性の高い返礼品禁止を打ち出した。だが、当時の総務大臣が一転して容認とも取れる発言をすると、競争は再燃。4市町が制度から除外される事態も起きた。初期から返礼品を出してきた販売業者は冷ややかだ。「ルールが1~2年でころころ変わり、その都度、振り回されてきた。制度が最初からアバウト過ぎたのでは」。農水省の制度をふるさと納税に使う手法を後押しした存在もあった。米どころで知られる新潟県阿賀町。ある販売業者は今年、仲介サイトから「申請を代行するから農水省の制度を利用しないか?」と誘われた。聞かれるまま売り上げ等を伝えて資料を送ると、申請が通った。昨年と同じ量でも半額のコシヒカリがこのサイトで独占的に紹介されると、注文が殺到。町への寄付額は前年同時期から倍増した。仲介サイト運営会社は取材に「申請の代行は販売業者の負担を減らす為だった」とし、「3割ルールの抜け穴になるのでは?」という質問には「回答する立場にない」とのみコメントした。全国の返礼品を紹介し、多くの人が利用する仲介サイトの収入源は、自治体からの掲載手数料だ。ただ、一部の自治体からは「仲介サイトが多額の収益を上げることで都市部にお金が戻り、地方創生になっていない」との批判も受ける。利用者の囲い込みの為、寄付額の一定割合を別の買い物に使えるポイントで還元するサイトもある。利用者の“得”は実質的に返礼品の3割を超え、ルールを形骸化させている。そんな現状を見直そうと先月、仲介サイト運営会社等約20社が特典や広告の規制について協議する協会を設立した。ただ、2年前にも総務省が対策を求め、合意に至らなかった経緯がある。総務省担当者は「返礼品競争が激しかった暗黒時代に戻らないよう要請したい」と話すが、こちらのいたちごっこの先行きも見通せない。 (原奈摘)


キャプチャ  2021年12月21日付掲載
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