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【感染症と共生するケニア】(上) 結核15%減の理由

結核、マラリア、エイズは世界の三大感染症と呼ばれている。コロナ禍の今、その流行地ではどんなことが起きているのだろうか。発展途上国の感染症対策に取り組む『世界エイズ・結核・マラリア対策基金』(※本部はスイス)の協力の下、ケニアで取材した。

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トタン屋根の掘っ立て小屋が所狭しと並び、通りに面した部分で食べ物や日用品が売られている。東アフリカで最大規模のスラムが広がるケニアの首都、ナイロビのキベラ地区。住民でごった返しているが、マスクをしている人は少ない。人口が密集するスラムは感染症拡大の温床だ。結核が深刻なこの地域で、新型コロナウイルスが対策に影を落としていた。“結核をなくそう”――。身分証発行等の為の行政機関が集まる一角に、そう呼びかける張り紙が張られたテントがあり、ボランティアスタッフに促されて人々が列を作っていた(※左画像、撮影/五十嵐朋子、以下同)。中にはタッチパネルのついた1.3m程の高さの機械がある。症状の有無を確認するスクリーニング検査機だ。画面をタッチして名前や電話番号を入力し、「咳はないか?」「体重が急に減っていないか?」「寝汗をかいていないか?」等の質問に答える。「結核の可能性がある」と判定されれば、検査を勧められる。2年前に導入され、ナイロビの5ヵ所に設置されているという。検査に取り組む医療NGO『アムレフ』のアン・ムネネさんは、「検査に繋げるのにとても効果があった」と手応えを語る。

ケニアは、『世界保健機関(WHO)』によって結核が特に深刻な国と位置付けられる30ヵ国の一つだ。2020年に新たに結核と診断された人は約7万3000人。診断を受けていない感染者も同数程度いるとみられ、実際の感染者数は約14万人に上ると推計される。この為、感染者をきちんと把握することが急務だ。ボランティアに勧められて検査を受けて昨年、陽性とわかったエライジャ・オムワタさん(41)は、「咳は出ていたが疲れているだけだと思っていた。家族に伝染させる危険があると知らなかったので、治療できて感謝している」と話す。しかし、そんな取り組みはコロナ禍で打撃を受けた。ケニアでは昨年3月に最初の感染者が確認され、同月末から段階的な都市封鎖(※ロックダウン)が始まった。行政機関は閉まり、外出する人も減った。この影響で、結核のスクリーニング検査を受ける人も激減した。また、新型コロナウイルスと診断される可能性があると誤解して、結核の検査を避ける人もいる。感染しても薬を服用して通院する結核と異なり、新型コロナウイルスの場合は一定期間の隔離が必要となる。この為、「仕事ができなくなる」と心配する人が多い。ケニアの新たな結核の感染者は昨年、統計上は前年より約15%減ったが、国はその理由を「新型コロナウイルスの影響で検査を受ける人が減った為」と推定する。ムネネさんらは、新型コロナウイルスと結核の違いや、結核検査の大切さを知ってもらおうと、ラジオ番組等で懸命に訴えている。「コロナ禍で一つだけ良いことがあったとすれば、それは新型コロナウイルスへの注意を喚起する時に、結核についても知ってもらえることです」。ムネネさんは前向きに、そう語った。


キャプチャ  2021年12月24日付掲載
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