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【食品値上げのリアル】(01) 「過去とは次元が違う」

メーカーによる食品の値上げが相次ぐ。小売りや外食との価格を巡る攻防や、その影響を追う。

20220513 06
「駄菓子にまで原材料高の影響が広がるとは」――。東京都江戸川区で駄菓子店を営む石川活叶は驚きを隠さない。菓子卸を通じて、『やおきん』(東京都墨田区)の人気商品『うまい棒』の値上げの案内が今年初めに届いた。1979年発売の同商品。42年間守り続けた税別10円の価格は、今年4月出荷分から12円になる。主原料のとうもろこしや、植物油等の原材料高等が要因だ。やおきん代表取締役の角谷昌彦は、昨年12月から配布を始めた菓子卸への案内文で、「このような状況下では自社内で許容できる範囲をはるかに超えている」と苦しい胸の内を明かす。トイレ等衛生陶器や家庭用紙、食品等身の回りにある商品の値上げ表明が相次いでいる。原材料高や物流の混乱、エネルギーコストの上昇、為替相場の円安・ドル高等、複合的な要因が重なるのが背景だ。中でも食品は消費者物価指数で生鮮品を除き、構成品目の2割を占めるだけに、店頭価格が上昇すれば家計への打撃は大きい。昨年の食品の値上げに関するプレスリリースの本数を分析すると、前回相次いだ2019年より約2割多い。多くのメーカーと取引する食品卸『国分グループ』本社加工食品・菓子部長の千木良治は、「過去の値上げ局面とは次元が違う」と話す。節約志向の強い消費者と接する小売りは、値上げには消極的だ。狭い商圏で他社と顧客を奪い合う食品スーパーマーケットにとっては、店頭価格は売り上げに直結する重要な指標だからだ。「値上げするのは地域で最後でいい。最初に価格を上げる必要は全くない」。首都圏の大手スーパーの冷凍食品のバイヤーは本音を漏らす。

「指定の期日を過ぎたら出荷価格との差額は補填しない」――。昨年末、大手調味料メーカーから届いた連絡に、ある食品卸の担当者は目を疑った。従来、小売り側が値上げを受け入れるまで、出荷価格と納入価格の差額をメーカーが負担する商慣行があったからだ。物流を担う卸が取引で赤字にならないようにする工夫だ。小売りが納入価格引き上げの受け入れを認めない限り、食品卸が差額を補填し続ける。卸も小売りに価格転嫁を促すよう求めることを意味し、担当者は「メーカーは本気だ」と呻く。昨年に大手が4回も値上げした食用油は、昨年12月に平均価格が値上げ前の同年3月と比べて約1割上昇した。今年も焼酎やレトルトカレー、トマトケチャップ等、食品メーカーの値上げ表明が止まらない状況が続く。小麦で国際指標である『シカゴ商品取引所』の先物価格が昨年11月に約9年ぶりの高値をつける等、原料高に収まる気配がない為だ。『日清オイリオグループ』社長の久野貴久は、「中国での需要増に加え、バイオ燃料向けにも大豆や菜種の引き合いが強まっている。原料高騰は長期戦になる」と見る。昨年にアメリカやブラジルで即席麺を値上げした『日清食品ホールディングス』は来月、中国でも値上げする。社長の安藤宏基は「合理化も限度がある」と話し、国内での値上げも模索し始めている。毎月勤労統計によると、物価上昇を考慮した実質賃金は、昨年11月まで3ヵ月連続で前年を下回る状況が続く。食用油等値上げを表明した食品の店頭価格もじわり上昇する。『日本銀行』が纏めた昨年12月の生活意識に関するアンケート調査では、物価が1年前と比べて「上がった」と回答した割合は77%に上った。賃金が伸びない中で、家計の負担も徐々に増している。『大和証券』シニアアナリストの守田誠は、「食品の販売価格が1%上昇すると、販売量が0.3~0.4%減少する」と試算する。消費者が購買頻度を減らす等、生活防衛色を強めると見る為だ。守田は「小売りやメーカーが販売減に耐えて値上げを進められるかが焦点になる」と指摘する。ある食品メーカー幹部は、「この局面で値上げが浸透しなければ、何れは商品の安定供給すらできなくなる可能性もある」と危機感を語る。食品の店頭価格の上昇基調はどこまで続くのか。消費者の財布の紐が一段と固くなる日が迫っている。 《敬称略》


キャプチャ  2022年2月1日付掲載
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