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【デジタル戦争・敗戦か逆襲か】(中) 個人情報の国家管理を受け入れる韓国

20220520 06
「本当にお待たせしました」――。東京都北区のイタリア料理店『赤バル レッツェ赤羽店』の店長、寄木一真さんは今月1日から緊急事態宣言の解除に伴い、酒の提供が再開できた喜びをこう語る。同店ではコロナ禍前に比べ、売り上げが10分の1まで減少。時短営業や休業要請に応じた飲食店に対する協力金の支給も遅れがちで、テイクアウトメニューを強化して凌いだ。支給遅れの一因はデジタル化の遅れにある。東京都豊島区でスナックを経営する50代の男性は、「知り合いの店では協力金が200万円以上、未払いらしい。うちはもう少し少ないから未だましだ」とぼやく。遅々として進まない協力金の支給に、「書類は全て揃えた。何に時間がかかるのか」と憤った。国連は2年に一度、加盟国の電子政府ランキングを発表している。2020(令和2)年版で日本は14位。アジア勢でも2位の韓国に大きく水をあけられている。韓国ではコロナ禍の経済的な打撃を抑える為、出生届と同時に全国民に割り振られる住民登録番号を活用し、迅速な給付金支給を実現した。同番号には金融機関口座やクレジットカード等多くの個人情報が紐付けられており、スマートフォン等から番号を入力して申請すると、早ければ即座に入金が完了する。中小の飲食店等に対しても納税記録から減収幅を把握し、直ぐに給付金を支給する仕組みが整っている。韓国は、法的には北朝鮮と現在も戦争状態にあり、1968(昭和43)年に住民登録番号制度が導入されたのも、国内に紛れ込んだ北のスパイをあぶり出す為だった。各国のデジタル政策に詳しい『行政情報システム研究所』の狩野英司主席研究員は、「安全保障上の観点から、韓国では国が情報を管理することを嫌う人は少ない。環境が異なる日本でデータを活用するには、政府が国民の信頼を得る努力をするしかない」と話す。

デジタル化の遅れが指摘される日本にも、住民票を持つ全ての人に付与された12桁のマイナンバーがあり、平成28年1月から運用が始まっている。ただ、行政事務に活用できるのは税、社会保障、災害の3分野に限られ、個人の資産状況の把握に繋がる口座情報は紐付けされていない。日本では政府に個人情報を握られることへの不信感が強い為だが、コロナ禍に対応し、政府が昨年4月に決定した国民1人当たり10万円の現金給付の振り込みが遅れる等の弊害も出た。これを受け、政府では同制度を所管する高市早苗総務大臣(※当時)が同年6月、マイナンバーと金融機関口座の紐付け義務化の検討を指示。しかし、国民の反発を危惧する声が出て、政府が運営するインターネット上の個人用ページ『マイナポータル』に1人1口座を任意で登録できる制度を令和4年度中に始めることで落ち着いた。マイナポータルへのログインには、裏面に個人を認証できるICチップを搭載したマイナンバーカードの取得が必要。デジタル庁は“全ての行政手続きがスマホで60秒以内で完結する”社会の実現を目指しており、令和4年度末までにカードの機能をスマホに搭載し、全国民に普及させる目標を掲げる。令和6年度には運転免許証と一体化させる方針も決まっており、カードの利便性を高めることで自主的に取得者を増やそうという作戦だが、交付率は今年9月現在、37.6%にとどまる。新たに発足した岸田文雄政権も、デジタル化を最重要課題に位置付ける。地方で高速・大容量の5G整備を進めて東京一極集中を是正する『デジタル田園都市国家構想』は、岸田首相が就任前から訴えてきた看板政策だ。デジタル庁の牧島かれん大臣は、「全ての人がデジタルのメリットを享受できる社会の実現を目指す」と強調する。ただ、行政のデジタル化が進んでも、国民が使いこなせなければ宝の持ち腐れになる。高齢者にとっては5Gどころか、スマホ利用のハードルも高い。旧方式の3Gサービスが来年から段階的に終了し、従来型の携帯電話(※ガラケー)が使えなくなるが、調査会社の『MMD研究所』のアンケートによると、60~79歳のガラケー利用者のうち約4割が、スマホへの買い替えを現段階で検討していないと答えた。今月6日、東京都千代田区のドコモショップ丸の内店で開かれた講習会では、参加者が真新しい端末を恐々操作していた。スマホに買い替えたばかりという東京都板橋区の主婦、佐藤江美子さん(69)はこう不安を口にする。「操作も一通りはできる。でも、行政手続きを全てスマホで済ませられるようにはなれない」。


キャプチャ  2021年10月12日付掲載
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