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【ウィズコロナ・どうなる経済】(上) 溜まった消費欲は噴き出すか?

行動制限が本格的に緩和され、新型コロナウイルスと共存するウィズコロナ経済がいよいよ動き出した。先行きと課題を探った。

20220520 15
ロンドン中心部の飲食街では、昼過ぎから屋外営業を始めたパブやレストランで、マスクを着けずに談笑する人々の姿が目立つ。食事を楽しんでいた男性(39)は、「新型コロナウイルスの感染が拡大する前のイギリスに戻った。皆、好きにハグをするし、マスクをしなくても咎める人も少なくなった」と話した。店舗でのマスク着用義務や他人との距離を確保するルール等、コロナ禍の規制を7月19日に撤廃したイングランド。今ではロンドンの屋外でマスクを着用している人は殆ど見ない。経済活動の再開を受け、今年通年の実質GDPは、『経済協力開発機構(OECD)』の予測で6.7%増加する“V字回復”を見込んでいる。コロナ禍収束を謳歌してきた欧米に比べ、停滞感が際立っていた日本経済。今年に入り、先月末に緊急事態宣言が解除されるまで、宣言も蔓延防止等重点措置も発令されなかった日は1ヵ月足らずと行動制限が日常化した。実質GDP成長率は7~9月期で前期比年率5%程度のマイナス成長になるとの見立てもあり、今年通年(※OECD予測)でも2.5%にとどまる等、先進国では独り負けの状況だ。ただ、緊急事態宣言が全面解除された今月以降、日本経済の空気は変わった。データ分析会社『ナウキャスト』と『JCB』がクレジットカード決済額を纏めたデータでは、新規感染者数の減少傾向が鮮明になった先月後半の消費水準は、感染拡大前の平成28~30年同期の平均と比べ1.3%減となり、先月前半(※7.2%減)よりマイナス幅が大きく縮小した。先月末の宣言解除で消費が上向く今月前半は、「コロナ禍前水準を上回る可能性もある」(ナウキャスト担当者)という。

コロナ禍に揺さぶられたこの1年半、消費できなかった家計の貯蓄は国内だけで20兆円規模に上るとの試算もある。抑えてきた消費意欲が行動規制の緩和で噴き出せば、苦境に喘ぐ飲食業等のサービス業に特需が生まれる可能性がある。緊急事態宣言の解除で賑やかさが戻りつつある大阪市内の繁華街、道頓堀。一昨日午後6時頃、その中心部にある『串かつだるま』道頓堀店前には、来店客の列ができていた。政府の『ワクチン・検査パッケージ実証実験』に参加したことで、本社から派遣された社員が客1組ずつに説明しなければならず、入り口に“渋滞”が起きたのだ。社員の一人は、「実験の協力店として、全ての来店客に実証実験の内容を説明しなければならないことになっている」と話した。政府はこの冬、感染の第六波が来ても経済活動を一律に止めずに済むよう、ワクチン接種済証か検査の陰性証明があれば行動制限を緩和する実証実験を始めた。入店時の確認手続き等の手順や、店側の負担を確認し、課題を分析する。ただ、大阪府や東京都が緊急事態宣言の解除後も続いた午後9時閉店の時短要請を25日に解除する等、感染減少で制限を撤廃する自治体が相次ぐ。条件を満たせば5人以上の会食や営業時間延長を認める実証実験のメリットは色褪せた。串かつ店の店長(38)は「実験結果を有効に活用し、感染が再拡大しても店を運営できるようにしてほしい」と期待するが、協力店が少なければ十分な知見が得られない恐れもある。抑も、ウィズコロナ経済が動き出しても個人消費が順調に回復するかは不透明だ。欧米に比べ健康への関心が高いとされる日本では、感染リスクを高める行動に心理的な抵抗感が強い。2回のワクチン接種が済んでもマスクを外さない人が多いのはその為だとされる。行動制限緩和後も高齢者を中心に外出を渋る動きが予想され、「飲食店の客足はコロナ禍前水準には戻らない」(東京都内の酒販店店主)と悲観する声もある。バブル経済崩壊後、平均賃金が30年近く横ばいを続け物価が下落するデフレを抜け出せない日本では、生活防衛意識がデフレマインドとして染みつく。国内の新規感染者数は減少し、第五波前の水準を下回っているが、一部地域で下げ止まり傾向も指摘され、年末に再び行動制限が強まる恐れを払拭できない限り、消費回復も腰折れしかねない。ワクチン接種が先行したイギリス等では、既にリバウンドが起きた。イングランドでは学校が再開した先月から、1日当たりの新規感染者数は3万人を超える日が増加。イギリス政府によると、全国の累計入院者数は今月1日時点で約54万9000人と、7月19日の規制撤廃時から6万人以上も増加している。ボリス・ジョンソン首相は感染拡大が「予想の範囲内」だとして、経済再開の姿勢を崩さない。コロナ禍で休業を強いられた人に政府が給与の大半を肩代わりする制度も、先月末で終了した。ただ、医療体制が逼迫した場合はロックダウン再開の可能性もある。海外の事例を踏まえれば、国内も感染再拡大は避けられない。岸田文雄首相が総裁を務める自民党は、衆院選公約で病床と医療人材の確保による“医療難民ゼロ”実現を掲げており、菅義偉前政権で進まなかった医療体制強化は選挙後真っ先に取り組むべき課題だ。『みずほ銀行』の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、「緊急事態宣言の乱発で実体経済のスイッチを頻繁に切り替える政策が、先行き不透明感を高め、消費や投資を抑制してきた」と指摘。ワクチン接種済証の活用等で“行動制限一本槍”の防疫政策から抜け出し、日本経済を成長軌道に戻すことが、岸田政権が重視する分配の原資を得る上でも欠かせない。感染防止と経済活動を両立させ、明るい未来を感じた消費者が財布の紐を緩める好循環を作れるかが問われる。


キャプチャ  2021年10月29日付掲載
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