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【経済安保・見えない脅威】(08) 「先端技術育成、官民一体で」――小林鷹之氏(経済安全保障担当大臣)

20220526 05
日本を取り巻く経済安全保障の環境は厳しさを増している。アメリカと中国、ロシア等の対立に代表される国際社会のパワーバランスの変化や、経済のグローバル化に伴うサプライチェーンの複雑化が背景にある。新型コロナウイルスの感染拡大では、マスクや医療用ガウン等でサプライチェーンの脆弱性が露呈し、経済的な依存関係を政治利用する動きも出てきた。アフターコロナも、危機の際には各国が自国優先の政策を行なうことも想定され、自前でワクチンや治療薬を開発、確保する力が問われるだろう。今国会に提出した経済安全保障推進法案が成立すれば、日本は対策への取り組みで漸くスタート地点に立ち、一歩を踏み出すことができる。この一歩は非常に大きなものだが、今後も社会、経済環境は色々変化するので、次々と新しい課題は出てくるだろう。先ず真っ先に法制化すべきなのが、法案に盛り込んだ①サプライチェーン確保②基幹インフラ設備の事前審査③先端技術開発④特許非公開――の4本柱だ。法案が成立すれば、4本柱の実現に向け、内閣府に実務を担う新たな部局を設け、其々の基本指針を作りたいと考えている。先端技術の開発では、関係省庁と研究者による協議会の枠組みを新設し、国家的に重要な技術分野を選定して官民一体での育成を進める。研究資金は、先ずは5000億円規模とすることを目指す。技術の選定では、2023年度を目処に創設するシンクタンクの知見も生かす予定だ。安全・安心の為の規制や技術流出の防止について、その実効性を担保する為には罰則も必要となる。一方で、自由な経済、研究活動をできる限り阻害しないように配慮しなければならない。法案成立後に予定される政省令の制定を含め、産業界やアカデミア側とは緊密に意見のキャッチボールをしながら、真摯に丁寧に向き合っていくつもりだ。こうした経済安保の動きは、他国に言われてやるものではない。自民党の議論も踏まえ、我が国が自らの基軸を打ち立てる為に主導しているものだ。


キャプチャ  2022年3月1日付掲載
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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争
ジャンル : 政治・経済

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