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【中国共産党100年・強権解剖】第1部・源流(04) 赤に染まったウイグル

20220527 13
“熱烈慶祝100周年!”。中国共産党創建100年を目前に控えた先月下旬、中国の西端に位置する新疆ウイグル自治区カシュガルを訪れると、イスラム色の緑よりも党を象徴する赤が市内を席巻していた。自治区の人口約2600万人のうち、58%を少数民族が占める。中でもカシュガルは、イスラム教徒のウイグル族が9割程度を占めるにも拘わらず、である。“党史を学び、思想を悟り、実務を行ない、新たな局面を開く”。商店には揃って、スローガンを記した赤い横断幕や中国国旗が翻る。中国最大のモスク(※イスラム教礼拝所)である『エイティガール寺院』付近も、幕や旗で赤く染まっていた。旧市街を歩くと、閉鎖されたモスクが幾つかあった。中には、新型コロナウイルスのPCR検査場となっていたところも。観光施設で働くウイグル族の女性(26)と話をした。監視カメラが四方八方に備え付けられている。彼女は流暢ではない標準中国語で、平然と言った。「職場では、イスラム教でも仏教でも宗教を信じていたら働けません。私も信じていません」。信仰よりも党への忠誠を優先させる――。習近平指導部は“宗教の中国化”を加速させていた。「宗教はアヘンだ!」。無神論を掲げる中国共産党はこう断罪し、創建当初から宗教弾圧を続けてきた。文化大革命の時期には、紅衛兵がチベット仏教の寺院を徹底的に破壊した。「髭を伸ばしている」「スカーフを被った」。たったそれだけの理由で多くのウイグル族らが収容所に送られてきたのが、最近の新疆ウイグル自治区である。その数は明らかにされていないが、100万人以上とも言われている。

国際的な非難の高まりにも、当局は「テロ対策として過激分子を摘発している」と称し、人権侵害行為を正当化してきた。実態は、宗教にとどまらず、固有の言語や文化を消滅させる“民族浄化”に等しい。「ウイグル族への差別は以前からあったが、ここ数年は更に顕著になった」。ウイグル弾圧への懸念を強めているのが、中国民主化運動の学生リーダーだったウアルカイシ(53)だ。自身もウイグル族出身。1989年に武力鎮圧された天安門事件後、香港経由で欧米に逃れた。現在は台湾を拠点に、ウイグル人支援を精力的に行なっている。ウアルカイシが問題視するのは、国家主席(※党総書記)の習近平が掲げるスローガン“中華民族の偉大な復興”だ。「漢族至上主義の裏返し」であり、少数民族にとっては漢族への同化強要に他ならないという。「漢族への同化を拒否して自らの文化を守ろうとする少数民族が、露骨に排除されるようになっている」。各地のウイグルやモンゴル族の学校では標準中国語教育が強引に進められ、反発する教師が教職を追われる事件が相次いでいる。中国共産党は草創期、民族自決を主張していた。少数民族問題に詳しい静岡大学教授の楊海英によると、党創建3年後の1924年、初代総書記の陳独秀は「モンゴル人が中国から離脱したければ、我々はその民族自決権を否定しない」との文章を書いている。建国の父である毛沢東も1935年、「我々と協力すれば…モンゴルは独立と自由を獲得できるだろう」等とする宣言を出している。しかし楊によると、共産党の当初の主張は①民族自決を認めていなかった中国国民党への対抗意識②ソビエト連邦による国際共産主義運動の指導センター『共産主義インターナショナル(コミンテルン)』からの指示――があったからに過ぎない。共産党が1949年に国民党との内戦に勝ち、共産主義陣営内の路線対立からソ連との関係が悪化すると、少数民族に配慮する必要がなくなる。それ以降、共産党から少数民族への視線は、“優れた中国人(=漢族)”と“野蛮な周辺民族”という伝統的な中華思想に基づくものでしかないことが露わになっていく。結果、“優れた中国の文明”である言語や生活様式を強要する同化政策が正当化されることになった。嘗て、中国の王朝はウイグルやモンゴル、チベット等の民族居住地域を未開の“化外の地”と称していた。中国の外縁部に当たるこれらは、ロシアやインド等と国境を接する国防上極めて重要な地域となっている。強国路線を加速させる習政権が、少数民族地域の同化、中国化を急ぐ理由はここにもある。 《敬称略》


キャプチャ  2021年7月4日付掲載
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