【政治の現場・総裁任期延長へ】(04) 執行部が幅、育たぬ若手

自民党執行部は今月13日、天皇陛下の退位について、「一代限りの特例法が望ましい」とする見解を纏めた。この見解に対し、元行革担当大臣の村上誠一郎(64)が同17日の総務会で、政調会長の茂木敏充(61)に噛み付いた。

村上「党見解は、政府の有識者会議が論点整理に書いた通りの内容だ」
茂木「全然違う。論点整理はあくまで参考だ」
村上「どう違うのか? 細かいことが大事だ」

茂木が見解を纏めた経緯を説明すると、村上は声を荒らげた。「何でそういう議論を我々に教えないのか! こちらから聞かなければ黙っているつもりか!」。党の事実上の最高意思決定機関の総務会では嘗て、選挙制度改革や郵政民営化について、政府方針が軌道修正されることもあった。「党内で侃々諤々の議論をしても、最後は1つに纏まる。そこが民主党政権と違う」というのが自民党の自慢だったが、今は議論の場が設けられず、執行部が物事を決めている。総裁任期延長や退位の見解は、文書で地方組織や議員の意見を募っただけだった。村上は、「今の執行部は自由闊達な議論をさせない。周りも、上が決めたことを追認するだけ。“不自由民主党”だ」と憤る。発足から4年を過ぎても安倍内閣が高い支持率を維持している為、党は内閣に物を言い難いムードがある。幹事長の二階俊博(78)、総務会長の細田博之(72)、副総裁の高村正彦(74)ら重鎮が党を仕切っていることで、活発な議論を阻害しているとの見方もある。執行部は昨年暮れ、自民党会派の無所属議員に、政調の会議へのオブザーバー参加を認めた。

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首相の安倍晋三(62)が対露政策で頼る鈴木貴子(31・元衆議院議員の鈴木宗男の娘)や、二階が会派入りさせた浅尾慶一郎(53)らの将来の自民党入りの布石とされた。この方針に、党農林部会長の小泉進次郎(35)ら一部議員が、「党内の了承手続き無しに決めるのは問題だ」と反発。小泉は、農林部会への無所属の参加を拒否した。結局、小泉らの要求を一部受け入れる形でオブザーバー参加が認められたが、党内には「執行部は好き勝手にやり過ぎだ」との不満も残った。中堅・若手は、新陳代謝が進まないことに焦りを感じている。昨年11月の総務会では、衆議院比例選の73歳定年制の“撤廃論”が飛び出した。定年制は、世代交代を目的に、「選挙区との重複立候補も含めて、衆議院比例選の公認は原則として73歳未満」と定められた党の内規だ。撤廃論は、「高齢化社会が進む中で、年齢で重複立候補を制限すべきでない」との認識から浮上した。党青年局長の鈴木馨祐(40)は、「定年制の撤廃は党の活性化を阻害する」として昨年末、各地の青年局幹部から見直し反対の合意を取り付け、執行部に制度堅持を申し入れた。今月7日の総務会では、鈴木に対し、主にベテランから「平均寿命は延びている。青年局の考え方は時代に逆行している」「世代対立を煽り、党を混乱させたいのか」といった反論が出た。結論は党選挙対策本部での議論に委ねられた。“YKK”と呼ばれた山崎拓・加藤紘一・小泉純一郎や、その次の世代の安倍晋三・石原伸晃・岸田文雄らは、中堅に差しかかる頃から枢要なポストに就いて、頭角を現した。今、そうした自民党議員は中々見当たらない。“ポスト安倍”が育たないのは、安倍がベテランを重用している為なのか。或いは政治家が小粒になった為なのか――。 《敬称略》


⦿読売新聞 2017年2月27日付掲載⦿
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