【ニッポン未解決事件ファイル】(11) 『横田めぐみさん拉致事件』(1977)――めぐみさん“死亡偽装”に隠された北朝鮮の最高機密

1970年代後半に相次いだ北朝鮮による日本人拉致。金正日がその存在を認め、一部の拉致被害者は帰国したが、日本人拉致事件の象徴とも言える横田めぐみさんは、帰国どころか、その生存すら未だ確認されていない――。 (取材・文/ノンフィクションライター 窪田順生)

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1977年11月15日。新潟市で中学校のバドミントン部の練習を終え、家路に向かっていた女子中学生の横田めぐみさん(当時13)が、忽然と姿を消した。警察は誘拐事件として捜査に当たったが、目撃者・遺留品共にゼロ。宛ら“神隠し”のようだった。そんな“消えた少女”の名が、“拉致”という言葉と共に日本中を駆け巡ったのは、それから20年もの歳月が流れた1997年。北朝鮮による拉致被害者の家族によって『北朝鮮による拉致被害者家族連絡会』が結成され、父・滋さんと母・早紀江さんがめぐみさんの名を公にして政府へ救出を求めたことが、そのきっかけとなった。無論、以前から「北朝鮮に拉致されたのでは?」という疑惑はあったが、北朝鮮や『朝鮮総連』がこれを強く否定。しかし、1985年に北朝鮮の工作員として日本人の拉致に関わっていた辛光洙が韓国で逮捕されたことや、その2年後に発生した大韓航空機爆破事件で逮捕された金賢姫が「(1978年に拉致された)田口八重子さんから日本に関する教育を受けた」と証言したことで、漸くマスコミ・政府が現実のものとして受け止めて動き出したのだ。そして、滋さんたちが訴え始めてから5年が経過した2002年9月17日、小泉純一郎首相(当時)が北朝鮮を電撃訪問。初の日朝首脳会談で、金正日総書記が“拉致”の存在を認め謝罪。蓮池薫さん等拉致被害者5人の帰国も実現し、解決へ向けて動き出したかのように見えたが、そこで新たな“謎”が浮かび上がってしまう。「下校途中のめぐみさんを拉致し、工作船で40時間かけて平壌に連れてきた」ということは認めたものの、そこからの消息については、“隠蔽”とも取れるような不可解な対応を繰り返したのだ。

北朝鮮は当初、「めぐみさんは1986年、韓国から拉致されてきた金英男と結婚し、翌1987年に娘のキム・ウンギョンを出産したが、1993年3月に自殺した」と説明した(※後に1994年4月に訂正)。しかし、これは明らかにおかしい。帰国した拉致被害者の1人である地村富貴恵さんが、「1994年6月にめぐみさんが隣に引っ越してきた」と証言していたからだ。更に、「土葬後の1997年に火葬をした」という説明だが、そこで語られる火葬場は、複数の脱北者が「1999年にできた」と証言しているのだ。「めぐみさんの“死”を偽装しているのではないか」――。その疑惑に更に拍車をかけたのが、2004年11月の日朝実務者協議を通じて日本側に引き渡された、めぐみさん本人だという“遺骨”だ。DNA鑑定の結果、別人2人分のDNAが検出されたのだ。かの国が何故、白々しい嘘を吐くのかは皆目見当がつかないが、気になる情報がある。2011年、韓国自由先進党議員の朴宣映が、脱北者経由で北朝鮮高官から以下のような証言を得たのだ。それによると、「めぐみさんは現在も生存しており、“知ってはいけないことを知り過ぎた”為、かの拉致被害者のように帰国をさせることができず、偽の遺骨で“死”を偽装した」。仮にこの証言が事実だとしたら、めぐみさんは一体何を知ってしまったのか。金賢姫の証言にもあったような工作員教育に携わったことで、何かしらの国家機密にアクセスした可能性もあるが、「もっと大きなタブーに近付いたからではないのか?」という意見もある。それは、現在の最高実力者である朝鮮労働党の金正恩委員長だ。「母の高英姫が病弱だったことから、金正恩の母親代わりを務めたのがめぐみさんだったのではないか?」というのだ。確かに、最高指導者の“養母”を日本に引き渡すことなどできる訳がない。認めることもできない中で、“死”を偽装するというのは理に適っている。また、金正恩とめぐみさんの関係を示唆する人々の中には、耳を疑うような話をぶちまける方もいる。国際アナリストの飯山一郎氏は、著書『横田めぐみさんと金正恩』(三五館)の中で、金正恩の実母がめぐみさんであることを詳細に述べているのだ。「トンデモ説だ」と呆れる方も多いだろうが、未だにこのように様々な怪情報が飛び交うほど、北朝鮮側の横田めぐみさんの扱いは、他の拉致被害者と比較しても異常と言わざるをえない。彼女は、あの国で一体何を見たのか。


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