【男の子育て日記】(43) ○月×日

10月28日 セレブママ向け雑誌『VERY』(光文社)の取材を受ける。一部抜粋。

「子供ができても離婚する人はたくさんいますよね。離婚相談もたくさん受けてきた実感として、お互いがいがみあっているのに無理に一緒にいるくらいなら離婚された方がいいのかもしれないと思います。生活のことを考えると離婚できない人が多いけれど、私は暮らしのために何かを我慢するのは耐えられません。女性はやはり、多かれ少なかれ相手がどこの大学を出たとか(※引用者注・妻と樋口の偏差値は凡そ40の開きがあります)何の仕事をしているとか、スペック的なものを気にして結婚すると思います。でも、スペックは変わらなくても、感情は変わっていくもの。あとで結婚生活がうまくいかなくなったとき、スペックだけで選んだ相手だったら後悔してしまいそう。でも、そのときに大好きな人の子どもを産むのなら、たとえあとで、相手のことが嫌いになってもその選択をきっと後悔しないだろう。そう思ったんです」

何かいい話に聞こえるぞ。幻聴か? 世間一般の女性の考え方と真逆のような気もするけど。

――今、結婚当初をふりかえるといかがですか。
「子育てナメてたなと。子育てこんなに大変って誰も教えてくれなかった。たとえ1人でもベビーシッターを雇えば何とかなるかなと思っていました。みんな、しんどいしんどいって言ってもっと声に出して、お互いを慰めあっていいんじゃないかなって思います。【中略】経済的には私は自営業なんで、仕事量が収入に直結して、でも税金払わなあかんし、産前産後は肉体的にもつらいし。…以前に比べて検約家になりました」

おいおい、つい先日も夫が洗った洗濯物に「臭いが付いている」とケチを付け、「洗濯機を買い換える」と言い張るのを止められたのは誰なんだ? 自分は一切やらない癖に、洗濯物の畳み方や置き場所には小煩い。こちらに拘りは無いから、取り敢えず下着入れの上に山のように積まれたストッキングや細々とした類いを片付けてもらっても一向に構わないぞ。

10月29日 一文、林海象監督の妹さんから頂いたアンパンマンのベビラボで遊ぶ。鍵盤に合わせてアンパンマンのキャラが動き、尚且つボタン1つで5種類のメロディーが流れるという優れもの。碌に弾くことはせず、ボタンを次々と押してはメ ロディーに合わせて身体を揺らす。本人的には踊っているつもりなのだろう。「YO! DJカズ!」。持て囃す俺ら夫婦は、文字通りの親バカだ。いや、バカ親か。しかし一文、程なくして溜め息を吐き、DJ終了。納得のいくプレイができなかったのか。「こんなに小さい子でも憂えることがあるのか」と、その事実に驚く。

10月30日 こちらがトイレに行くと泣いて怒る。視界から消えるのが嫌なようだ。結局、トイレの扉を開けっ放しにして用を済ませることに。立ち小便の途中で便器に手を伸ばしてくる。これが知らないブサイクなガキだったら往復ビンタだが、樋口家の御子息なので許せる。バカ親真っ盛り。


樋口毅宏(ひぐち・たけひろ) 作家。1971年、東京都生まれ。帝京大学文学部卒業後、『コアマガジン』に入社。『ニャン2倶楽部Z』『BUBKA』編集部を経て、『白夜書房』に移籍。『コリアムービー』『みうらじゅんマガジン』の編集長を務める。2009年に作家に転身。著書に『日本のセックス』(双葉文庫)・『ルック・バック・イン・アンガー』(祥伝社文庫)・『さよなら小沢健二』(扶桑社)等。


キャプチャ  2017年3月16日号掲載
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