【東京情報】 Miss Koike

【東京発】東京都知事の小池百合子は就任当初、欧米のメディアで紹介されることが多かった。その際、キーワードとして使われたのが“クールビズ”だ。第1次小泉第2次改造内閣から第3次改造内閣まで環境大臣に就任した小池は、夏場の軽装による冷房の節約を唱え、“ノーネクタイ・ノージャケット”キャンペーンを打ち出した。この時の印象が強いのだろう。アメリカの『ニューヨークタイムズ』、イギリスの『タイムズ』、ドイツの『フランクフルターアルゲマイネツァイトゥング』も、日本でクールビズを普及させた女性として小池を紹介した。しかし、政治家としての業績には殆ど言及が無い。フランス人記者が吐き捨てた。「言い換えれば、女性指導者としては評価の対象外ということだな。ドイツのアンゲラ・メルケル、イギリスのテリーザ・メイ、アメリカのヒラリー・クリントンといった女性政治家と比べること自体がバカバカしいんだ」。フェミニストのアメリカ人記者が反論する。「でも、日本の首都のトップに初めて女性が就いたのは素晴らしいことだわ。それに、次のオリンピックに関する話題も色々あるじゃない。リオデジャネイロオリンピックの閉会式で、小池さんが着物姿で現れたのも華やかだったし」。しかし、最近の海外メディアでは、小池に関する報道は殆ど無い。ニュース価値としては最早、過去の人なのだ。ドイツのテレビ局『ドイチェヴェレ』のサイトで久しぶりに名前を見かけたが、そこで小池は“女雛”、ドナルド・トランプ大統領は“男雛”に見立てられ、雛壇に並べられていた。要するに、小池もトランプも、何にでも口を挟む“出しゃ張りなヤツ”ということだ。

築地市場の移転問題にオリンピックの競技場問題等、次々と話題を振りまくが、落としどころを考えていないので、混乱だけを引き起こしている。被害者は、真面目に生活を送っている一般市民だ。フランス人記者が憤慨する。「小池のキャラクターはアウン・サン・スー・チーに近いな。ミャンマーの民主化の象徴として祭り上げられ、国民の圧倒的な支持を集めたものの、国政に参加すると軍事政権に肩入れした。ミャンマー国民の期待に背いた訳だ。小池だって、いつ安倍政権に接近するかわからない」。小池の手法は“劇場型”の一言に尽きる。仮想敵を作り出し、改革者を演じる小池がそれを叩く。大衆はそれに喝采を送る。あれを放置すれば、『大阪維新の会』の二の舞になるだろう。尤も、小池に付いているブレーンも維新関係者の如何わしい連中が多い。イギリス人記者が銀縁の分厚い眼鏡を外す。「欧米の第一線で活躍している女性政治家と小池の共通点は殆ど無い。メルケルは、嘗て“コールの娘”と呼ばれた。ヘルムート・コール元首相から絶大な信頼を置かれていたことが、現在の地位のバックボーンになっている。メルケルは、女を武器にして権力者になったのではない」。フランス人記者が笑う。「まぁ、あの風貌を見れば言わずもがなだな。一方、小池百合子は“政界渡り鳥”と呼ばれている。細川護熙・小沢一郎・小泉純一郎と時の権力者に阿り、のし上がってきた。だから、自民党内では信用が無い。政治力を買われて国家の長にまで上り詰めたメルケルとは違う」。マーガレット・サッチャーは“鉄の女”と呼ばれた。小間物屋の娘として生まれながら、志を持って勉学に励み、オックスフォード大学を優秀な成績で卒業。保守党の党首に就任した当時、イギリスでは男尊女卑の考え方が蔓延しており、「女の首相なんて考えられない」との批判が出た。当時、私の同僚だったイギリス人記者も、「若しサッチャーが首相になったら、俺は日本に亡命する」と言っていた。しかし、サッチャーは首相になると男以上に強腰の姿勢を示し、フォークランド務争では「ここまでやるか」というくらいアルゼンチン軍を粉砕した。

アメリカ人記者が頷く。「そういう意味では、メルケルには覚悟があるわ。国内で噴出する不満の声を浴びながら、自らの政治的信条に従い、紛争地からの難民受け入れの方針を維持している。彼女たちと比べたら、小池さんに覚悟があるようには見えない。小池さんは、馬に鞭を打って進め進めと言うのは得意なんだけど」。小池は、豊洲市場の「建築基準法に基づく構造安全性が確認された」とした上で、移転について「都民の意見を参考に総合的に判断する」と発言している。これでは、まるで他人事ではないか。騒ぎを大きくしたのは小池である。元都知事の石原慎太郎は会見で、「混迷の責任は現都知事の小池さんにあると思う」と指摘したが、小池は「人の責任と仰るのは簡単だ」と憤慨。責任のなすり付け合いはみっともない。一番の問題は、小池を批判できない日本のメディアだ。日本の新聞社は時々の空気に流される。「小池に勢いがある」と見ると、その風向きに逆らってまで批判的な記事を書こうとはしない。逆に、小池が墨田区の保育園に視察に行ったとか、どうでもいい話を2段組の記事にする。イギリス人記者が溜め息を吐く。「嘗て、文藝春秋に掲載された立花隆の“田中角栄研究 その金脈と人脈”は、角栄が権力の座を追われるきっかけとなった。当時、私がその話を持ち出すと、日本の政治部記者は声を揃えて、『そんなことはとっくの昔から知っていた』と言う。それなら何故書かないのか。要するに、日本のメディアは権力に追従する体質を持っているんだ。今の日本の報道を見てもわかるように、政府に対して甘過ぎる」。小池は、“日本のジャンヌ・ダルク”と呼ばれたこともある。ジャンヌは神の啓示を受け、フランス軍に従軍し、イングランドとの百年戦争で勝利を収めた。その後、異端審問にかけられ火炙りになるが、死後、無実と殉教が宣言され、カトリックの“聖人”となった。しかし、多くの歴史家が指摘するように、ジャンヌの登場は混乱を生み出しただけだった。改革者は破壊者の別名である。連中は、真っ当に暮らしている市民の気持ちを慮ることができない。結局、“都民ファースト”ではなくて“小池ファースト”なのだ。こうした政治は、少なくとも“クール”ではない。 (『S・P・I』特派員 ヤン・デンマン)


キャプチャ  2017年3月16日号掲載
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