【電池バブルがキタ━(゚∀゚)━!!】(05) 部材メーカー担当役員インタビュー

20170321 18
■EV市場は予想以上に拡大  高山茂樹氏(『旭化成』セパレータ事業本部長)
――旭化成の強みは?
「3つの要素が相乗効果を出していることだ。1つ目は、セパレーター事業を最初に始めたパイオニアだということ。この為、顧客基盤も広く、確度の高い情報が集まり、市場動向を探るのに役立っている。2つ目は、湿式・乾式双方を持っていること。3つ目は、大量供給できる能力があること。車載向けの電池は、機能が優れているだけでは採用されない。長期間安定供給できることが必要だ」

――設備投資計画は?
「日向工場(宮崎県)と守山工場(滋賀県)でラインを増設して、計110億円を投じる。また、詳細は未定だが、2020年までに150億~200億円を投じる。EV市場は予想以上に拡大しており、追加の設備投資の可能性もある」

――2015年にアメリカの『ポリポア』を買収した。成果は?
「当社は、技術的にはセパレーター分野でトップを走っている。その当社から見ても、ポリポアの技術力・生産技術の素晴らしさは想定以上だった。しかし、高い成長を見越してかなり先行投資をした。この分を今後、取り返せるかが課題だ」

――中国の部材メーカーが日本勢を追いかけて技術を磨いている。どう見るか?
「中国勢の動向はとても気にしている。但し、セパレーターは、一定の膜の厚さを保つ為の膜厚管理と、リチウムイオンを通す穴を微細に開ける技術が問われる。これが狂うと、正極と負極がショートして、発火にも繋がる。品質管理が強く問われており、車載用電池向けならば尚更だ。それを中国で達成できるのか。確かに、長期間で見れば現在、当社が求めるレベルの品質管理もできるようになるだろう。当社はその間に、技術改良をした製品で、世界のデファクトスタンダード(事実上の標準)を握る戦略だ」

――リチウムイオンの次の世代の電池として、全固体電池の研究が進んでいる。「全固体電池ができればセパレーターは不要になる」との見方がある。
「全固体電池の基礎研究はしており、対応は考えている。確かに、学術分野では電解質に使う固体の超伝導体の研究も進んでいる。しかし、その超伝導体を生産ラインに乗せて量産するのは、現状では困難だ。値段との兼ね合いもある。全固体電池の商用化は、未だ先のことだと見ている」

20170321 19
■コスト削減は業界全体で対応を  荒木良剛氏(『三菱化学』電池本部長
――今後の電気自動車(EV)市場は?
「当社の電池材料事業の主力は、電解液と負極材だ。現在の年間生産能力は、電解液4万3500トン・負極材1万2000トンだ。これが2025年には2~3倍に増加すると見ている。ただ、不透明な部分もある。今後のEV市場の拡大に伴う需要の増加を見越して、様々な材料メーカーが設備投資をしている。『業界全体としては比較的、明るい見通しを持っている』と言えるが、当社は寧ろ『競争が激しい市場に変化している』と受け止めており、慎重に見ている」

――市場はどう変化しているか?
「世界的な環境規制で、EWは一気に高級車から大衆車中心の市場へと移行し、低価格化が進んでいる。EVは未だ黎明期で、技術進歩が不可欠で、研究開発には資金が必要だ。しかし、車両価格がどんどん下がっている。車両価格が下がれば当然、材料メーカーにもコストカットが求められる」

――その弊害は?
「コスト削減は必要だが、部材メーカー等の産業全体の一角に偏り過ぎると、技術開発もままならず、結局、EVの技術進歩に皺寄せがいく。大切なのは、材料のみのコスト削減ではなく、生産工程も含めた電池パック全体のコストカットだ。材料の品質改善が寄与して、電池パックの歩留まりが1%でも向上すれば、大きなコスト削減効果になる。自動車メーカー・電池メーカー・材料メーカーが垂直に連携して生産性を向上させるよう取り組まなければ、EV産業に健全な発展は無いだろう」

――中国市場の拡大に、どう対応するか?
「昨年10月、宇部興産と中国の電解液事業で業務提携を結び、今年4月から事業を合弁形態に移行する。同社とは、電解液事業で長い間、競合関係にあり、互いの特許に触れる部分は回避してビジネスを展開してきた。しかし、EV用電池材料の技術進歩と同時にスピードも求められる現状では、両者の技術を有効活用し、補完することが重要だ。販売数量で右肩上がりの市場だが、コスト競争が極めて厳しいので、1社だけの力で利益を上げられる時代ではない。中国は規制が多い。その上、中央政府と繋がりのある国営企業が大勢という非常に難しい市場だ。しかし、EVとプラグインハイブリッド車(PHV)で販売台数世界最大にまでなった中国市場は避けて通れない。戦える下地を宇部興産と作った上で、中国の自動車メーカーと電池メーカーの動向をよく見ながら、対応していきたい」 (聞き手/本誌 種市房子・荒木宏香)


キャプチャ  2017年2月14日号掲載




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