【Jazzyの裁判傍聴ライフ】(32) 名古屋タリウム少女傍聴記①

「『今日、人を殺したんだ。服が汚れたから洗ってほしい』。お姉ちゃんから、電話でそう言われました」――。こう証言したのは、2年前に殺人や殺人未遂等の罪で逮捕され、今年1月から名古屋地裁で裁判員裁判が行われた大内万里亜被告(現在21)の妹。この日の公判では、別日に録画された妹の証人尋問の音声が法廷で流されました。大内被告は電話した際、「斧で人を殴った」等と妹に説明したといいます。殺害されたのは、布教活動をしていた無職の女性(当時77)。大内被告が19歳の時の犯行でした。実姉から殺人を告げられても特に驚かなかったという妹。大内被告は、普段から「毒殺したい」「人を殺したい」と殺人願望を頻繁に口にしていたからです。大内被告は妹だけでなく、小中高を通して同じ学校に通っていた友人のA子さんにも犯行を打ち明けていました。検察官が読み上げたA子さんの供述調書によると、大内被告からメールで「人を殺した」「撲殺した」と告白され、その後、電話で大内被告は「想像以上に血が出た」「死体を解割しようとしたけど諦めた」等と話したそうです。大内被告の犯行は、これだけではありません。大内被告は毒物や薬品オタクで、危険な薬品をコレクションするようになり、摂取した時の反応に異様なまでの興味を持ち始めました。高校2年生の頃、大内被告にとって憧れの硫酸タリウムを入手。このタリウムは殺鼠剤等に使われる劇薬で、人間の致死量はたった1gと言われています。

妹は大内被告から、「タリウムを2人の飲み物に混入して飲ませた」と聞かされました。同級生の男子に飲ませた理由については、「近くの席で観察し易いから」と。それだけの理由で、偶々彼を選んだそうです。「死んだらどうするの?」と妹が尋ねると、「別にいいよ、あいつなら」と答えたといいます(※結果的に重度の障害が残りました)。もう1人、タリウムを飲ませたのは、中学まで一緒の学校に通っていた仲の良い女友だちでした。体の不調を訴えて入院した友人を心配するふりをして、お見舞いに行ったり、メールで容体を聞いては経過を観察(※幸い回復し、後遺症は残らず)。更に大内被告は、他の同級生の女子にもタリウムを飲ませようとしたことを、友人のA子さんに話しています(※上手く溶かせなくて未遂に)。突然の中毒症状に苦しみ、日常を奪われた友人らについて、大内被告は妹にこんなメールを送っていました。「今のところ殺人未遂は何回かあるけど、殺人はないんだよな」「あはははは、人の人生を狂わすのは面白い」。大内被告は、自分の周りの人間について、心のある“人”ではなく、ヒト科の“ヒト”と考えていたようです。大内被告にとって一連の行為は実験。タリウムを飲ませた2人を“2個体”と呼んでいました。私は今までに40人以上の殺人犯を法廷で見てきましたが、犯行の動機の殆どは、キレて衝動的に、怨恨や痴情の縺れ、又は金目当て。大内被告のように、“実験として人を手にかける”という特異な被告人を見たのは初めてです。次週は、タリウム事件に関する被告人質問の様子をお届け致します。大内被告は、法廷で何を語ったのでしょうか?


キャプチャ  2017年3月27日号掲載
スポンサーサイト

テーマ : 刑事事件・裁判関連ニュース
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR