【労基署ショックが日本を襲う】(14) 社会人1500人アンケートで見えてきた長時間労働の現実(下)

20170322 01
出勤時間を早められても、退勤時間は変わらない。職場の明かりを消されても、暗聞の中で働く。業務の外部委託を増やすことが許されても、組織内の人員を削られる――。長時間労働対策の名の下に行われた施策の多くが、効果を発揮しないか、逆効果を招くという皮肉な結果に終わっている。本誌が実施した社会人1500人アンケート(※詳細は前回)の結果から、そんな実態が浮き彫りになった。職場が採用している長時間労働の抑制対策への評価結果を右画像で示した。評価対象は以下の6対策だ。①出勤時間を早める②パソコンのシャットダウンや消灯によって職場で働けなくなる③“ノー残業デー”を設ける④労働時間の短縮が人事評価に反映される⑤業務の外部委託を増やす⑥事前に上司の承認を取る等残業申請を厳格化する。この内、「効果が無かった」と「逆効果だった」の合計を「効果があった」が上回った対策は、残念ながらゼロ。本社や本部の経営陣や人事担当者等、“上”の人たちが頭を捻って導入したのであろう長時間労働対策だが、現場には厳しい現実が広がっているのだ。特に導入・運用に注意が必要なのが、“出勤時間を早める”だ。他の対策と比べて、「逆効果だった」という回答の比率が明らかに高い。具体的な失敗談を聞くと、「『未だ時間がある』と思い、益々ダラダラすることになった」というように、朝早く来た分だけ労働時間が増えたケースが散見される。深夜残業禁止とセットでの運用が必要だろう。また、“労働時間を短くすると部署や個人の業績・評価に反映される”も、思いの外、「効果があった」という回答の比率が低かった。理由を探ると、運用方針や管理職の意識に問題があって、「効果が無い」と感じている人が多いようだ。「誰も労働時間の短縮を“努力した”とは認識しない」「意識が変わっていない。特に中間管理職の意識が問題」といった声がアンケート内で上がっている。「上は『残業するな』と言うが、業務量はどんどん増えている」。それが多くの労働者の偽らざる本音だろう。現場の実態に合わせ、彼らが本当に実行できる環境を整えた上で制度を導入し、その後の運用にまで気を配る――。それが、真の長時間労働対策を実現する為のカギとなりそうだ。

①パソコンのシャットダウンや消灯によって職場で働けなくなる
「1ヵ所に集まり、そこだけ電気を点けて働く」(40代・管理職)、「再度点灯して業務を進めるだけ」(40代・管理職)、「暗い中でも仕事を進める羽目になった」(30代・電子部品・非管理職)、「あともう少しで仕上がる。これを瞬断するのは非効率」(60代・その他)、「業務を自宅に持ち帰る為、表に出ない残業が増えた」(40代・機械・管理職)、「電源を落とした後にパソコン以外での作業を行う」(20代以下・非管理職)
②“ノー残業デー”を設ける
「上司の飲み会だと、仕事と何ら変わらない」(20代以下・非管理職)、「突発トラブルという例外が多く、例外が増えると形骸化する」(40代・素材メーカー・管理職)、「声掛けをしている人事自身が定時退社できない」(50代・鉄道関連・管理職)、「会社での労働時間は確かに減るが、その分、持ち帰りが明らかに増えたし、仕事が雑になってミスが増え、競合他社からシェアを取られているのは看過できない」(50代・その他)、「収益第一主義。目標未達の場合には残業になる」(50代・証券・管理職)、「結局、業務量や取引先の納期等については、ノー残業デーを理由にはできない」(40代・飲食店・非管理職)
③労働時間の短縮が人事評価に反映される
「誰も労働時間の短縮を“努力した”とは認識しない」(60代以上・管理職)、「多少、人事評価に反映しているのかもしれないが、具体的にフィードバックがある訳ではないのでわかり難い」(40代・通販・非管理職)、「意識が変わっていない。特に中間管理職の意識が問題」(60代以上・コンサルティング・その他)
④業務の外部委託を増やす
「委託と同時に人員も削減される」(30代・市役所・非管理職)、「教える時間が手間になる。マニュアルの整備も必要になり、結局、労働時間が増える」(40代・非管理職)、「委託先業者の質が低い等でクレーム処理監督を要した」(50代・役員・経営者)、「今までの仕事をアウトソーシングした分、空いた時間に新たな仕事が増え、それが終わらないとまた残業となった」(40代・非管理職)、「技術系の派遣者は残業が必要なことが多いので、立ち会わなければならない」(40代・電機・管理職)、「経営企画を外部委託できない」(60代以上・役員・経営者)
⑤出勤時間を早める
「『未だ時間がある』と思い、益々ダラダラすることになった」(50代・非管理職)、「早く来ても帰る時間はほぼ変わらず、残業時間が延びる人もいた」(20代以下・非管理職)、「納期最優先の為、結局は残業になってしまう」(40代・管理職)、「経営陣が早く来ないので浸透しなかった」(40代・管理職)、「客先との時間が合わず、残業時間に問い合わせ等がある」(50代・管理職)、「生産量は機械の性能で決まるので、全員が出勤時間を早めても効果無し」(50代・食品メーカー・非管理職)


キャプチャ  2016年12月17日号掲載
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