【電池バブルがキタ━(゚∀゚)━!!】(06) 基礎からわかるリチウムイオン電池

20170327 10
①リチウムイオン電池ってどんな電池?
電池は、使い捨ての“1次電池”と、充電して何度も使うことができる“2次電池(蓄電池)”に大別できる。2次電池の中で、サイズ・重さ等で最も高性能なのがリチウムイオン電池だ。パソコンやスマートフォン等の“民生品”、そして電気自動車等の“車載”、更に設備・電力供給用の“蓄電設備”まで、あらゆる用途に使われている。リチウムイオン電池は、正極材にコバルト酸リチウムを使うことで、高いエネルギー密度が可能になった。電池に蓄えられるエネルギー量の目安となる電圧は、他の2次電池が1.2ボルトに対して、リチウムイオン電池は3.7ボルト。小さなサイズで同じ電気量を蓄えることができる為、ビデオカメラ・パソコン・携帯電話、そしてスマートフォン等の電源として研究開発が進んできた。特にビデオカメラは、小型軽量化や長時間録画撮影が製品の競争力上求められた。ビデオカメラ業界のトップを走っていた『ソニー』がリチウムイオン電池搭載のビデオを1992年に製品化したことが、リチウムイオン電池市場が拡大するきっかけになった。リチウムイオン電池は、現在も主要部材(正極・負極・セパレーター・電解液)の改良が研究されている。電気を蓄える能力は、主に正極・負極の電極材の組み合わせの分野で、安全性はセパレーターや電解液で研究が進んでいる。次世代電池への交代は未だ先で、当面はリチウムイオン電池の時代が続く。

②安全性は?
リチウムイオン電池の重要な部材の1つである電解液が課題になっている。電解液は、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた“有機電解液”と言われる材料で、電気は通し易いが揮発・引火も起こり易い特性を持つ。無理な電池の使い方をして電池の温度が上昇すると、発火する可能性がある。スマートフォン等で生じている最近のリチウムイオン電池のトラブルは、基本的には異物の混入等といった電池製造技術に課題があるが、電解液も発火の要因の1つと考えられている。発火対策の為、リチウムイオン電池は、電池の温度が高くなり過ぎると電池を流れる電気がストップする仕組みになっている。だが、上手く作動せずに事故が発生してしまう。根本的な対策として、電解液を使わない“全固体電池”の開発が期待されている。液漏れ・揮発による発火が起こり易い液体に代わって、安定した固体の物質を電解質に使う。特に、安全性が重視される電気自動車(EV)の次世代電池の本命となっているが、未だ開発途上で、普及には時間がかかりそうだ。

③電気自動車の価格に占める割合は?
EV用の電池の価格はまだまだ高い。『テスラモーターズ』のEVは、ビデオカメラやパソコン向けとして規格化され、大量生産できる安価なタイプのリチウムイオン電池を大量に並ベて使うことで、コストを抑えている。一方、専用のリチウムイオン電池を搭載する『リーフ』(日産自動車)等のEVは、車両価格の半分以上を電池関連のコストが占めているとみられる。車載向けリチウムイオン電池のコストは、量産化により徐々に下がることが期待されている。要は、電気自動車の販売動向次第と言えそうだ。また、リチウム等材料価格の影響も大きい。将来的には、資源鉱山を所有する国の利権や政策等の政治的な影響も懸念されている。

④自動運転で電池はどう変わる?
次世代自動車の大きなテーマは、“電動化”と“自動化(自動運転)”。電動化では、エンジンに代わる動力がモーターになり、その電源として高性能な電池が必要になってきている。また、自動運転車には多くのセンサーやカメラ等の監視装置・高性能なコンピューター・通信装置が搭載される。その為、従来の自動車よりも多くの電気を使うことになる。より多くの電気を蓄えることができる電池として期待さ れているのが、“金属空気電池”等の次世代電池の開発だ。しかし、自動運転の開発スピードに次世代電池の開発が追いついていない。その為、現実的にはリチウムイオン電池の改良や、搭載する電池の数を増やして対応することになる。また、現在はアイドリングストップに用いられているキャパシター(コンデンサー)や、ブレーキをかける時に発電する回生エネルギー装置等、発電・蓄電部品の有効な組み合わせの活用も期待される。

⑤充電の技術は進んでいる?
EVの普及に向けた課題は、「走行距離が短い」「充電にかかる時間が長い」「電池の重量が重い」等、その殆どが電池に関するものだ。だが、「多くの課題が充電技術の改良で克服できる」という考え方もある。短い時間で、簡単に、安全に、どこででも充電できれは、小さな電池で済み、価格も安くなる。そんな夢を実現するのが“ワイヤレス給電”だ。停車中に路面と車の間で“電磁誘導”という技術を使った給電方法が開発されて、コンビニの駐車場等での実用化が進んでいる。電磁誘導は、電動歯ブラシやコードレスフォンの台に載せて充電するものと同じ原理で、2つのコイル(巻き線)の間で磁界(磁力)を発生させて、反対側に電気を起こす。だが、伝える距離が短く、2つのコイルの位置を合わせる必要がある。給電の距離や位置合わせの問題に対応できる“磁界共鳴”という方式も研究されている。磁界共鳴は電磁誘導と同じく、2つのコイルを使うが、こちらは磁界(磁力)ではなく振動が伝わる(共鳴する)ことでエネルギーを伝える方法。一方の音叉(機器)で発生した音が、反対側の同じ周波数の音叉に伝わって音が出る現象で、波動エネルギーの応用である。更に、マイクロ波を使った“電波給電”等の技術も期待される。電波を使ってエネルギーを送り、電気に変換して電力を供給することができる。こうした技術により、信号やバス停で停車中に給電ができたり、道路面と車の間で走りながら給電ができたり、更に空間の電波を利用してWi-Fi(無線LAN)のように給電できれば、高性能な電池は必要なくなる。課題は、電波の混信と人体への影響等だ。 (産業調査アナリスト 鷹羽毅)


キャプチャ  2017年2月14日号掲載




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