【科学捜査フロントライン】(17) “世界に1つ”は指紋だけではない! 最新口唇紋・耳介鑑定

近年は指紋だけでなく、瞳の虹彩や手の平の静脈も、個人認証の手段として知られるようになっているが、これらは体内にある為、犯罪現場に残ることはない。その一方で、口唇紋や耳介の跡が現場に残っていることがある。それらによっても犯人の特定が可能になっている。 (取材・文/フリーライター 鈴木光司)

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犯罪の手口を読み解き、検挙に至る捜査の手法は、ドラマ・映画・インターネットメディア等を通じて、多くの人に知られるようになってきた。そんな潮流の中、一般的には難しいであろう科学捜査も、“素人探偵”の論議の的になっている。その中でも古くからよく知られているのが指紋である。指紋が人間に2つとして同じものは無く、時に犯人を特定する決定打となり得ることは、ドラマや小説を見るまでもなく周知の事実である。だが、そんな重要な指紋と同様の証拠となるものは、未だ他にもあるのだ。その1つが口唇紋である。口唇というのは、要するに唇のこと。口唇等というと些か堅苦しいイメージを受けるが、ロマンチックなキスを行う為の唇と考えると、ぐっと身近に感じるのではないだろうか。冗談を言っているのではない。実はこのキスも、動かぬ証拠の1つとなることがあるのだ。「私たちのところに持ち込まれるケースだと、口唇紋の場合、『ワイシャツ等に付いた口紅を鑑定してくれ』というものがあります。まぁ、口紅と断定しないまでも、『抑々、それが口紅なのかトマトケチャップなのかを鑑定してほしい』と。尤も、若し口紅だった場合に、その比較対象のものがあればという前提になりますが」。『法科学鑑定研究所』の冨田光貴所長は、そう言って笑った。富田氏はそれ以上、“ワイシャツ”については語らなかったが、察するに民事訴訟での浮気の証拠ではないだろうか。勿論、これが刑事事件で殺人現場等に残っていれば、容疑者特定の重要な証拠の1つとなる。「口唇紋というのは文字通り、唇の紋で、指紋同様、それが同じ人間はいないのです。鑑定で特徴点を見ていって、比較対象と1つひとつ照らし合わせれば、本人かどうかを特定できます。勿論、刑事案件でも同様です。以前はグラスの飲み口から(口唇紋が)取れたこともありました」(同)。この口唇紋は、指紋同様、一生変化しないというから、確かに刑事事件でも有力な証拠となり得るだろう。

また採取の方法も、これまた指紋同様、アルミニウム粉等の試薬を使った粉末法や液体法等が使われる。よくテレビドラマ等で見る、パタパタとブラッシングする…それが粉末法だ。採取方法は多岐に亘り、また指紋とも重なるので割愛するが、方法自体は他の鑑定に比べれば比較的容易と考えていいかもしれない。口唇紋と同じく、2人といない動かぬ証拠になり得るものが、我々の顔には他にもある。それは耳介だ。耳介というと聞き慣れないかもしれないが、耳の外側に出ている部分、つまり内耳等の内側ではなく、日頃から我々が“耳”と呼んでいる箇所である。そこが重要だというのだ。「耳は、鑑定において確度が物凄く高いですね。やはり指紋と同じで、重ね合わせることはしないですが、一致する点を見つけていきます。耳というのは、形から外耳の文様まで全員違う。親子でも同じ人はいません」(同)。この耳介、耳がどういった場合に犯罪を行った決め手になるのか。「例えばですが、泥棒がバルコニーから中を覗くような時に、耳がガラス等についてしまうことがあります。捜査現場で鑑識さんが指紋を採取していたら、『耳が出てきた』と。犯人が累犯者の場合、彼らは刑務所の中等で学習していますので、指紋には特に気を遣います。『犯行の時には手袋を嵌めなくてはいけない』という具合に。だから、逮捕しても指紋に関しては妙に堂々としていたりする。そこで、『ちょっと耳の写真を撮らせてくれ』と撮影し、照合するのです。犯人が、『いや、そんなところ(現場)に行っていない』と強弁しても、耳介が合えば『いや、これはあなたの耳で間違いないですよ』となる訳です」(同)。確かに、刑事ドラマでも指紋を採取する場面はあっても、耳介を採取するシーンには中々出くわさない。犯人にしても、「まさか耳で…」ということは十分あるだろう。また、耳介を外部から鑑定することで、より強力な証拠となることもある。「防犯カメラの場合ですと、当たり前ですが、耳だけが独立して歩いていることはありません。角度やカメラの数によって、輪郭が取れていたり、横顔の一部が取れていたりする。そこに耳介、耳の形が特定できれば、総合的な判断ができます」(同)。この外部からの耳介の特定というのは実は重要で、1964年には科学的に“2つとない”ものとして認識されていたという。また、捜査の証拠として指紋より有効なのは、耳介に凹凸があることだ。指紋から目で見える凹凸を特定するのは不可能だが、耳介なら可能である。防犯カメラの映像は当然のこと、写真等でも映像・画像の解析度次第で、犯人・容疑者を特定する有力な手がかりとなる。勿論、犯行そのものを証明することはできないが、「現場にその人物がいた」という重要な裏付けになることは間違いない。当然のことながら、犯行現場で採取ができて、尚且つ対象者(※この場合は容疑者)と照らし合わせて合致すれば、それに越したことはない。そうなると、採取における条件も気になってくる。「当然、指紋と同じなので、乾燥している指よりも脂ぎっていたほうが付き易い。これは口唇紋でも同じです。アミノ酸に反応しますからね」(同)。また、紙よりもガラス等のほうが採取は容易だともいう。これは捜査全てに言えることだが、条件はよりよいほうが有力な証拠になるということである。

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尤も、口唇紋、或いは耳介の採取となると、指紋同様に“状態”が大切になってくるのは事実だ。当然のことだが、容疑者が都合よく綺麗に口唇紋や耳介の痕跡を残してくれる訳ではない。単純に飲み物に口をつける場合でも、何度も同じ場所に口をつけることもある。その場合は“紋”が重なることにより、鮮明に採取できないこともある。そうなると、例えばコップに口をつけているような時は、「口唇紋よりもDNA型の鑑定を…」という話にもなるだろう。「DNA型が確度の高い鑑定であることは間違いありません。但し、唯一、双子の場合は同一になってしまいます。その一方で、指紋もそうですが、口唇紋や耳介は誰かと同じということはありません」(同)。現状、DNA型鑑定が犯罪捜査において強力なエースであることに違いはないが、総合的な判断において、口唇紋や耳介も重要な役割を果たすのである。特に、総合的な犯罪捜査において、外部からの耳介の鑑定・判断は大きな武器になる筈だ。DNA型がそうであるように、たとえ髪の毛1本でも、現場にブツが残っていなければ、抑々鑑定のしようもない。これは指紋や口唇紋でも同じことである。但し、耳介は映像や写真の解析度が一定レベルに達していれば、判断が可能なのだ。勿論、これには容疑者等対象者の耳介を把握していることが条件となる。前述のように、1964年の時点でも、耳介について議論が交わされている。犯罪捜査の“先進国”とも言えるアメリカでは、既に50年以上、耳介を捜査に有功活用しているという。日本の捜査機関も同様に、耳介については有力な証拠と認識しているだろうが、指紋同様、対象者からの採取が課題となるだろう。事はプライバシーの問題にもなり得るからだ。若し、これらを平時に採取することになれば、大きな議論を巻き起こすことは必至だ。2020年に東京オリンピックを控え、今、日本ではテロ対策の重要性が語られている。科学捜査も日々進化している。それだけに、今後の犯罪抑止の方策は、国民的なコンセンサスを必要とするだろう。


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