【Test drive impression】(14) 『ボルボ V90 T6 AWD Inscription』――新世代プラットフォームを採用! フラッグシップの実力は?

「ボルボっていったら四角いワゴンでしょ」なんて言っているアナタ! 1990年代のワゴンブームで一世を風靡した850の記憶からボルボがアップデートされていないかも…。というのも、現在のボルボは、数あるプレミアムカーの中で大きな変貌を遂げているメーカー。中でもフラッグシップモデルに当たる90シリーズは、北欧デザインが醸し出す温もりが乗員を癒やしてくれるハイエンドモデル。そう、ボルボが長年拘り続けてきた妥協無き“安全性の追求”や“人に優しいクルマ造り”はそのままに、今後の自動運転化に繋がっていく“運転支援システム”を搭載しているモデル。2リッター直4ガソリンエンジンの他、コンセントから充電し、エンジンとモーターが連携しながら走るプラグインハイブリッドを、ボルボとして初めて設定しています。90シリーズは、4つのボディータイプで構成されています。昨年登場したSUVの『XC90』に始まり、今年にはセダンの『S90』、最低地上高に余裕を与えた『V90クロスカントリー』。そして、今回ご紹介する『エステート』(ワゴン)が今年2月に日本デビューしました。『メルセデスベンツ』や『BMW』等のドイツ勢と同様、1つ上のクラスの車体をベースに、多彩なキャラクターのモデルを横展開し、多様化するニーズに応えていく計画。因みに、今回ご紹介するワゴンモデル『V90』のエクステリアは、“世界で最も美しいエステート”という言葉が相応しい。

このモデルのベースとなったコンセプトカーはスポーツクーペ的なイメージでしたが、実際の市販モデルはコンセプトカーが持つ官能的なイメージをそのまま踏襲し、低く伸びやかなスタイルを実現しています。サイドから眺めると、長めの全長を生かした伸びやかなシルエット。特に、フロントウインドーから前輪までの間隔を広く確保したロングノーズのプロポーションは、昔の高級車を彷彿とさせるもの。その優雅な佇まいを眺めていたら、思わず感嘆の溜め息が漏れそうになったほど。更に、インテリアにもボルボならではの美学が感じられます。ドアを開けて最初にうっとりとなるのは、滑らかでハイセンスなカラーのレザーシート。しかも、リモコンキーはシート素材と同じカラーのレザーをあしらったものが用意されているではありませんか。柔らかな感触のシートに身を預け、幸せを感じながら、ダッシュボード周りを見渡すと、天然木をふんだんにあしらった木目パネルの面積の広さにまたうっとり。インパネ中央には、タブレット端末を思わせる9インチのセンターディスプレイが配置され、ナビ機能を始め、車両周りの障害物の確認をフォローするカメラ画像の表示、車両の設定機能、『Bluetooth』を繋いで音楽再生やハンズフリー通話も可能。全車に標準装備となるのが、マップ、メッセージ、ポッドキャストの再生等、スマホアプリと連携する『Apple CarPlay』と『Android AUTO』。手持ちのデバイスを柔軟に使いこなせるトレンド感も満点です。タッチバネルは赤外線方式で、冬場に手袋をしたままでも操作が可能です。エステートを使いこなす上で気になるのは、荷室の使い勝手。スタイリッシュなモデルだからといって、実用面に抜かりは無し! リアサスペンションは、グラスファイバー複合素材を用いたリーフスプリングを採用。左右の後輪を繋ぐ延長線上に配置された構造は、軽量コンパクトであるだけでなく、走行中に振動やノイズが少なく、大柄な割に足取りは実に軽快。

また、シンプルな構造は、荷室内への張り出しが少ないことで、荷室の幅をワイドに確保できる点がメリットです。リアはエアサスがオプション設定されていて、荷物の積載量に応じて車高を変えたり、ドライブモードの選択を行った場合に乗り心地を意識したクルージングから、アグレッシブな走りが楽しめるスポーティーな味つけまで、選択した走行モードに最適な設定を自動的に行います。荷室の実用性は、後席の背もたれが60:40の分割可倒式。臨機応変にアレンジできる他、背もたれの中央の扉を開ければ長尺物の収納が可能。荷室の床板を立てて使うグロサリーバッグホルダーは、荷物が泳がないように2本のバンドで固定できます。気になる走りは保守的と思うかもしれませんが、いえいえ、“退屈”なんて言わせないのが最近のボルボです。試乗したのは直4の2リッター直噴ターボエンジンにスーパーチャージャーを組み合わせ、320馬力を発生する『T6 AWD』。今回、3名乗車でも出足のトルクにゆとりがあって、スイスイ走れるパワーの持ち主。タイトな峠道を走ってみると、タイヤが路面を丁寧に捉えながら、クルマの動きをイメージ通りにコントロールできる走りが気持ちいい! 乗り心地は、ナッパレザーシートの上質な肌触りもさることながら、後席はまるでリラクセーションスペースにいるかのよう。ボルボは、実際の事故を鑑みた予防安全装備を積極的に導入してきたメーカーですが、90シリーズでは衝突被害軽減ブレーキが前走車・歩行者・自転車に対応するのに加え、世界初の機能として“大型動物検知機能”、更に追従走行中はレーンから食み出さないように操舵支援まで行ってくれます。美しい容姿に加えて包容力まで…惚れてしまいそう♡


藤島知子(ふじしま・ともこ) 自動車ジャーナリスト・レーシングドライバー・『日本カーオブザイヤー』選考委員。1975年、神奈川県生まれ。文教大学女子短期大学英語英文科卒。レースクイーンやレーサーを経て、2002年より執筆活動を開始。『クルマでいこう!』(テレビ神奈川)にレギュラー出演中。


キャプチャ  2017年4月3日号掲載




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