【崩壊する物流業界】(04) 『ヤマト運輸』を脅かす新興宅配、『Amazon.com』配送でシェア拡大

20170328 03
Amazonの荷物は、ヤマト運輸や『日本郵便』が届けることが多い。ただ、最近は聞き慣れない業者が届けるケースが出てきた。Amazonが“デリバリープロバイダ”と称する宅配業者だ。Amazonのホームページには、『SBS即配サポート』・『ファイズ』・『ジャパンクイックサービス』・『札幌通運』の4社が名を連ねる。何れも宅配主体ではなく、企業間をメインにする物流会社だ。2月、東京都内のある配送センターを訪ねた。外観は何の変哲もない普通の倉庫だが、待機している十数台の軽ワゴンの荷室には、お馴染みのAmazonの段ボールがぎっしり詰まっていた。他の会社の荷物は無い。ここは、SBS即配サポートが運営するAmazon専用のセンターだ。写真撮影は許されなかったが、Amazonで注文された商品が集まり、SBSが顧客に届ける。Amazon専用のセンターを4つ運営し、都内6区(中央・千代田・港・江東・品川・世田谷)の配達を受け持つ。「Amazonから『自社専用の宅配が欲しい』との申し出があった。『都内の中枢部ならば』と引き受けた」と、即配サポートの親会社で、企業の物流業務を一括受託する3PLで成長を続ける『SBSホールディングス』の鎌田正彦社長は言う。「ヤマト運輸に佐川急便・日本郵便、そしてAmazonという4大キャリアーになりたい」。Amazonの配送を手掛ける物流会社の幹部は、担当者からよくそんな言葉を聞くという。「ヤマトや日本郵便に依存しない体制を構築したい」ということなのだろう。デリバリープロバイダは、その布石と言えそうだ。では、デリバリープロバイダに指名されているのはどんな会社か。

朝7時、東京都江東区にあるSBS即配サポートの物流センターには、威勢のいい声が響く。所狭しと並ぶ100台の軽ワゴンに、赤いジャンパーの配達員が荷物を手早く積み込んでいく。SBS即配サポートは、企業向けに小口貨物を配達する会社として、1987年に設立され、現在は約2400社から依頼を受け、年間1300万を超える荷物を運んでいる。創業時から一貫している強みは即日配達だ。午前中に預かった荷物を夕方までに届ける。午後に預かった荷物については、翌日の午前中に届くよう、1日2便の体制を敷いている。混載便の為、チャーター便による即日配達に比べて料金も安い。社員と外部配達員で、東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県をカバーする。眼鏡レンズの当日配達からスタートし、オフィス文具や美容院用品の配送、飲食店用食材の配達に拡大。最近は、香港や台湾等から朝出発した空輸貨物を、成田空港から当日中に配達するサービスも行っている。この配達力に目をつけたのがAmazonだ。「個人宅配は未経験だった」(SBS即配サポートの下山俊介社長)が、昨年からスタートした。既存の取引先に影響が及ばないよう、物流センターは別に設け、配達員は外部委託を中心にした。荷物は地域毎に仕分けした状態で納品してもらい、手間を省いているという。Amazonからの荷物はどんどん増えている。冒頭に訪れたセンターでは、それに対応する為に、僅か1年で車の台数を2割増やした。順調に見えるが、事業を纏めた佐伯禎泰執行役員は、「宅配の難しさを感じた1年だった」と振り返る。企業間物流では再配達が殆ど無いが、個人向け宅配では2~3割に上り、手間がかかる。またSBSは、都内6区を150台でカバーしているが、1つの区で200~250台に上るというヤマトや佐川に比べると、顧客への対応力にどうしても差が出てしまう。「お客さんにとってのスタンダードはヤマトの配達。でも、そこまでの対応は難しい」(同)。Amazon専用の配達を手掛ける他の会社も悩みを抱えている。「お客さんはインターネットに明るい人が多い。少しでも問題があると、辛辣なコメントを直ぐに書き込まれる」。前出の鎌田社長は、「Amazonから『エリアを広げてほしい』という要望はある。我々は人が足りないので、無理のない範囲で広げていく」と言う。Amazonの自社物流網の構築に向け、配送業者を取り込む動きは今後も続くだろう。質では群を抜くヤマトと雖も、うかうかしていられない。 (取材・文/本誌 鈴木良英)


キャプチャ  2017年3月4日号掲載
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