【刑務所のリアル】(11) 「獄中15年の生活は“この世の地獄”でした」――福永法源氏(宗教法人『法の華三法行』設立者)インタビュー

「最高ですかー!」――。バブル期、このフレーズで一躍、カリスマ教祖となったのが、福永法源氏(本名・福永輝義)である。1980年、“天声(天の声)”を聞いて『法の華三法行』を設立。宗教法人化した1987年以降、ド派手なメディア展開を開始した。身長190㎝、安岡力也に似た押し出しの強いルックスで、『オウム真理教』の麻原彰晃や『幸福の科学』の大川隆法らと共に、“平成新宗教の御三家”と呼ばれてメディアを賑わすことになる。しかし、1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件以降、新興宗教への批判が高まる中、1999年、「法の華三法行による霊感商法で詐欺被害を受けた」という元信者たちが相次いで告発。2000年5月9日、福永法源氏は逮捕された。2005年に懲役2年の判決、2008年に上告棄却で実刑が確定し、栃木県の黒羽刑務所に収監となった。そして2014年3月、未決勾留期間9年を差し引き、模範囚だったこともあって、15年ぶりに出所した。刑務所生活について問うと、「本当に辛かった」と振り絞るような声で、15年弱に及ぶ獄中生活を余すことなく語り出した。 (聞き手・構成/フリーライター 西本頑司)

20170328 04

「この世の地獄」――。そう思うほど、獄中生活は大変でした。私が閉じ込められた15年間は、普通の“懲役15年”とは違い、想像を絶する辛いものでした。何故かと言うと、私は逮捕直後から「何も悪いことはしていない」と無罪を主張してきたからです。検察は、素直に“罪を認める”と扱いも良くなるし、刑罰も軽くするのです。逆に否認すれば、「罪を誤魔化そうとしている」「反省していない」ということで、徹底的にやられるのです。精神的にも肉体的にも徹底して追い詰め、揺さぶってきます。こちらが罪を認めるまで“許してくれない”のです。特に、警察の留置場にいた2ヵ月間は、まさに“取り調べ地獄”でした。拘留期間が終わりそうになると、次から次へと別の案件を持ってきては、勾留延長の繰り返しでした。それに留置場は、本当に“臭い飯”なんです。食事がビックリするほど不味い。トイレも丸見え、独居でしたので、誰とも会話もできず、勿論、自由なことなど何も無い状態でした。その苦しさ・辛さに、「嘘でもいいから罪を認めて楽になりたい」と何度思ったことか。そんな状況の中で、私と一緒に逮捕された幹部たちが、罪を認めて、「私の指示でやりました」と証言していきましたが、彼らを責める気にはなれませんでした。

留置場という“取り調べ地獄”の後は、東京拘置所という“孤独地獄”が待っていました。私の場合は未決勾留ということで、常識ではあり得ない9年間、拘留されました。私が入って1年後くらいに、東京拘置所の建て替えがあり、新館となった“8階A棟”が所謂有名人専用階で、世間を騒がした事件の主役たちが集められていました。政治家の鈴木宗男さん、『村上ファンド』の村上世彰さん、防衛省事務次官の守屋武昌さん、『ライブドア』の堀江貴文さん、『K-1』の石井和義さん…。多くの方をお見かけしました。東京拘置所の孤独地獄の中での唯一の楽しみが、週に2~3回ある運動の時間でした。私は鈴木宗男さんとお話をしていました。内容は「暑いですね」「寒いですね」「頑張りましょう」等の他愛もない内容ですが、人と話ができるということだけでも、その時はどれだけ嬉しかったか覚えています。その後は有罪が確定したことで、栃木の黒羽刑務所に収監されることになりました。ここでも、「雑居に入れると受刑者を勧誘する」という理由で、独房に入れられました。配属は、堀江貴文さんや鈴木宗男さんも就いていた、配属の中では一応エリートポジションに当たる衛生係でした。「うんこを片付けろ!」と命じられ、用具を持って走っていく。トイレ掃除は素手で行います。こびり付いたものを爪で剥ぎ落とします。そんなことは我慢できますが、栃木の寒さは私の歳の身体には本当に堪えました。とはいえ、衛生係は所内を自由に動き回れるので、行く先々で色んな受刑者と立ち話はできるようになりました。すると、私の顔を知っているのか、「最高ですか?」と聞いてくるので、こちらも「最高です!」と返事をする。刑務官に「コラッ」と叱られるんですけどね。いつの間にか“神様”と呼ばれ、私を生き仏のように拝む人もいました。黒羽刑務所は初犯や軽犯罪者が多いところですが、地獄のような環境と寒さと孤独で、徐々に人間性を失っていく人も沢山いました。私は、この15年間を多くのことを考える時間に充てることになりました。天声が聞こえたことにより、宗教家としての活動を始め、数十万人という多くの行者さんと関わり、教団も私の範疇を超えてどんどん大きくなっていきました。まさに怪物のようになっていった感じでした。何人の行者さんがいるのか? いくらのお金があるのか?――毎日毎日、分単位で行者さんと向き合っている私には、教団の実態を知ることは不可能なほど大きくなっていたのです。ただ、莫大なお金が教団にあることは、当然ながら感じていました。

20170328 05
それから突然の逮捕。「何がどうなっているのか?」。正直、その時は全くわかりませんでした。「私は何も悪いことはしていない」という信念だけが支えでした。しかし、日本は法治国家であり、最終的には法律で決められるのです。その裁判で“有罪”と判断されたのであれば、教団の代表である私が責任を取ることは当然でありました。15年間に亘る償いは、このようにして始まりました。そして15年間、地獄の中で自問自答を何万回と繰り返しました。「私は何をする為に生まれてきたのか?」「人生の15年間を罪の償いの時間に費やし、残りの人生で何をしようとしているのか?」――。夏の暑さで悪臭漂う独房の中で、体の感覚が失われる栃木の冬の凍てつく寒さの中で、無限に考え続けました。抑々、お金を稼ぎたくて始めた訳ではありませんでした。自分の幼少期のように、貧乏で苦しんでいる人・病気で苦しんでいる人・事業が上手くいかなくて苦しんでいる人・人間関係で苦しんでいる人…。多くの人が苦しんでいることを見て、「何とか人々を救いたい」という1つの気持ちがあるということで した。しかし、巨大化した教団の暴走を止めることができず、最後は有罪という判決を受けて、15年に亘って罪を償ってきました。同じ過ちは繰り返してはいけない。今現在の私は、「人々を救いたい」という気持ちは変わりませんが、「教団を離れ、宗教活動ではない分野で、世の中が必要ということであれば、執筆活動・セミナー・ラジオやテレビ等で活躍してもよいのかな」という思いはあります。詳しいことは何も決まっている訳ではありませんが。


キャプチャ  キャプチャ



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか? [ 村上 尚己 ]
価格:1080円(税込、送料無料) (2017/3/27時点)


スポンサーサイト

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR