【激流韓国】(03) 埋めようのない格差

20170330 01
「この辺りのアパートは、暫く値上がりが続くだろうね」――。ソウル南部・江南区の大峙洞。不動産会社を10年以上営む李健弘(56)は、こう予想する。僅か3.5㎢に500もの学習塾が犇く同地区は、お金持ちが集まる韓国有数の街だ。先月時点の1㎡当たりのアパートの平均売買価格は1129万ウォン(約113万円)と、全国平均の4倍。「有名大学の受験突破へ優れた教育を受けられる」というのが人気の理由だが、「ここに住めるのは精々、上位10%に入る高所得層。値上がりで、居住者は更に限られていく」と李は言う。就職等で学歴が大きな意味を持つ韓国で、一握りの富裕層ほど将来が有利になり易い構図が強まる。今月10日に朴槿恵(65)が大統領を罷免された直前の世論調査。弾劾賛成は60歳以上で50%だったのに対し、29歳以下では92%に上った。

“朴降ろし”は、若者による既得権者への不満のマグマの噴出でもある。格差は今年5月9日の大統領選の主要テーマになるが、縮小への解が容易には見つからないほど深刻になっている。「住宅を持つ者と持たない者の格差は埋めようがない」。第2野党『国民の党』の国会議員・鄭東泳(63)は今月6日、警鐘を鳴らした。1988年の民主化後の賃金は6倍に上昇したが、江南区のアパート価格は264倍に拡大した。特に、2003年からの“革新系”盧武鉉政権の下での値上がりが激しかったといい、「今や正常な所得内で自宅を構えるのは不可能になった」。朴も、2013年の政権発足当初は、大企業と中小企業の共存や所得格差の是正を掲げていた。任期途中から景気浮揚策として、不動産等資産市場の活性化に頼り始めた。労働市場改革は頓挫し、大学以上の高等教育卒業者の就職率は70%を切る。昨年9.8%だった若年失業率の上昇も続く。若者の間では、生き辛い韓国を“ヘル(地獄)朝鮮”と卑下する言葉が飛び交う。「私は、経済と庶民生活の問題を解決できる候補者だ」。大統領選で支持率首位を独走する革新系最大野党『共に民主党』の前代表・文在寅(64)は、今月14日のテレビ討論会で胸を張った。自身が幹部の一員だった盧政権で、寧ろ拡大の要因を作った格差をどう解消するのか。建設的な方策は未だ示せていない。 《敬称略》


⦿日本経済新聞 2017年3月24日付掲載⦿
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