【Test drive impression】(15) 『BMW 523d Luxury』――新型で超絶進化したという装備&ディーゼルエンジンの実力は?

出来たてホヤホヤの新型なのに、乗れば直ぐに「やっぱりBMW!」という感触が伝わってくる。そんな表現が相応しい1台が、『BMW』から登場した新型5シリーズだ。7年ぶり7度目のフルモデルチェンジを果たし、日本では今年2月より販売が開始されている。因みに、BMW5シリーズの初代モデルが登場したのは1972年。気が付けば、全世界で800万台を売った人気モデルである。今回のモデルチェンジは、ボディーの一部にアルミ等を使い、先代に比べて約80㎏という大幅な軽量化を達成した。しかし、新型の注目は、部分自動運転とも言えるような運転支援システムが採用されたことだ。BMW5シリーズと言えば、最大のライバルは『メルセデスベンツ』Eクラス。Eクラスは昨年、新型へと進化して、やはり部分自動運転を搭載しており、この分野でトップクラスと言われる。それだけに、BMW5シリーズも部分自動運転を搭載しない訳にはいかず…というのが背景にある。扨て、部分自動運転の話の前に、今回の5シリーズの概要を少し。搭載されるエンジンは、2リッターの4気筒ガソリンとディーゼルで、ガソリンはパワーに応じて『523』と『530』の2種類。更に、プラグインハイブリッドの『530e』がある。そして、3リッターの6気筒ガソリンを搭載する『540』というラインアップ。其々に、ベーシックな『i』、上質な『Luxury』、スポーティーな『M sport』が用意されている。今回試乗したのは523dのLuxury。つまり、ディーゼルエンジンを搭載した上質なモデル。

走り出すと、これがビックリ! ライバルであるメルセデスベンツEクラスが霞むほどの乗り心地の良さが、じんわりと伝わってくる。Eクラスと言えば乗り心地が良く、5シリーズと言えばスポーティーという昔からのキャラクターがある訳だが、今回の5シリーズは実にしっとりとしている。尤も、グレードがLuxuryなだけに、余計にコンフォート性能が高いのだけれど。更に、走り出して驚くのは、軽いこと。大幅な軽量化が効いているのがはっきりわかる。そして勿論、2リッターのディーゼルエンジンの力は非常に強い。BMWは昔からエンジンの良さに定評があるけれど、ディーゼルエンジンもまた然り。ディーゼルというと、「力は強いがフィーリングはイマイチだよな」という印象を持っている人も少なくない筈。が、このディーゼルエンジンは本当に気持ちよく回るグッドフィーリング。しかもこのエンジン、燃費は21.5㎞/リッターと驚きの低燃費なのだ。そして、低速では乗り心地の良さに驚いたサスペンションだが、ペースを上げるとBMWらしいスポーティーな一面を覗かせる。今回のモデルはLuxuryだから、どちらかと言えば乗り心地重視ではある。それでも、走らせるとスポーティーな血筋を感じさせる辺りが、流石はBMW。ここがメルセデスベンツとは大きく違う。今回の試乗場所は『横浜ベイサイド』。ここから幹線道路を通って首都高に乗り、大黒PAまでのルートだったが、日常的なドライビングでも存分にBMWらしいスポーティーさを感じ取れる。5シリーズだけに、乗り心地の良さや、高級サルーンらしい雰囲気も満点。それに加えてスポーティーさが漂っているのだから、新世代の最新作でもBMWは本分を忘れていない。しかし! 今回の5シリーズの目玉は、冒頭で触れた部分自動運転とも言える運転支援システムの充実ぶりにある。

ハンドルのスポーク内に設けられたハンドルの絵が描いてあるボタンを押す。と同時に、メーター真正面の下部にハンドルの絵が浮かび出て、これが緑色に。すると、車がハンドルを自動的に操作するのだ。勿論、自動的といっても全自動ではない。ある程度の角度まではアシストしてくれるということ。急なカーブには対応しないが、緩やかな高速道路のカーブ程度なら車がハンドル操作をし続けてくれる。実際、今回の試乗コースである横浜ベイサイドマリーナから、首都高速に乗って大黒PAに行くまでの間だと、高速に乗って運転支援の操作スイッチを押したら、後はハンドルに手を添えているだけでほぼ走れてしまった。当然、前方を走る車に合わせてアクセルとブレーキを自動的に操作し、追従してくれる機能も備える。更に、後側方の死角から車が来る場合等に対しても警告音を出す。新型5シリーズは、安全装備にも抜かりがない。更に、極めつきは上級モデル。7シリーズと同じように、ディスプレイ付きのキーを使って、駐車もリモートで行えてしまう。現在は、車からドライバーが降りた状態で、前後にのみ動かせる(※日本の規制上そうなっている)。例えば、横幅が狭く、ドアが開閉できないようなシチュエーションの場所でも、この機能を使えば、車から降りて車だけ前方へ進めて駐車も可能だ。というように、“自動車の未来”を感じられる装備満載なのが、今回の新型5シリーズだ。そして、こうした機能は輸入車の場合、直ぐに他のモデルにも展開されていく傾向にある。恐らく、今後は3シリーズ等にも運転支援機能等は搭載されるようになるだろう。新型5シリーズは、ディーゼルや運転支援機能に目を奪われるが、実際、走らせると間違いなくBMWで、走る楽しさ・気持ちよさは忘れられていなかった。


河口まなぶ(かわぐち・まなぶ) 自動車ジャーナリスト・『日本カーオブザイヤー』選考委員。1970年、茨城県生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、『モーターマガジン』のアルバイトを経て、1995年からフリーに。現在、YouTubeLIVEにて『LOVECARS!TV!』(毎週金曜日22時)の司会を担当中。


キャプチャ  2017年4月10日号掲載




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