働き方改革、実態調査で判明した消費減退のワケ――生産性向上で手取り減少、「副業を解禁すべき」との声も

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月100時間未満か、100時間以下か――。『日本経団連』と『連合』の間で続いていた労働時間の上限を巡る綱引きは、安倍晋三首相が連合側の主張する“100時間未満”を要請して決着した。過労死ラインギリギリの決着に「不十分だ」との指摘もあるが、これまで事実上青天井だった残業時間に、初めて罰則付きの上限が設けられた事実は大きい。昨年10月、大手広告代理店『電通』の新入社員の過労自殺が労災認定されたと発表されてから、日本中の企業が一斉に働き方改革のピッチを上げている。最大の焦点は、労働時間の削減だ。労働災害の防止に繋げると同時に、多様な人が働ける環境を整え、経済活性化を図る。安倍内閣が、働き方改革を最大のチャレンジと位置付ける重要施策である理由だ。だが、働き方改革によって企業の現場に何が起き、どんなメリットやデメリットが発生しているのかはわかっていなかった。今回、本誌が先月24~27日に実施し、ビジネスパーソン1036人から回答を得た緊急調査で、実情が明らかになった。調査結果からは、働き方改革における“不都合な真実”が浮かび上がった。働き方改革を推進する企業に勤めるビジネスパーソンには、改革後に寧ろ消費意欲は減退する人が多いという事実だ。「もっと消費したくなった」という人の割合が僅か3.1%に留まったのに対して、「消費したくなくなった」が14.9%と上回ったのだ。原因は明白だ。残業時間を減らす取り組みを進めれば、残業代が減る。その為、手取りの給与が減ったからだ。事実、「改革を進めたことで手取りが減った」と回答した人は24.5%にも上る。長時間労働の慣行が続く中、日本企業の給与は残業代を前提にしてバランスを取ってきた。現場からは、「大幅な収入減」等と切実なコメントが多く寄せられた。日本経済の足を引っ張る家計消費の弱さが増幅されかねない。

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働き方改革を経済の好循環に繋げる方法について、最も多かった答えは、「手取り収入の維持・上昇を先行すること」(37.7%)だった。「労務負荷の削減等環境改善」(27.6%)、「副業や兼業の解禁」(17.7%)と続く。生産性を高める施策を実施するなら、労働時間が減ったとしても、労働分配率を変更する必要はない。残業代が減った分を人件費に還元する施策が一時的に遅れているだけか、それとも体よく実質的な賃下げの手段としているのか――。後者の企業が多ければ、日本経済へのマイナス影響は長引きそうだ。一方で、一定の成果が表れ始めた部分もある。日本経済に蔓延する違法なサービス残業が減少傾向にあることだ。改革を始める前後で、サービス残業の時間が「増えた」と答えた人の割合が4.5%なのに対して、「減った」は24.8%に上っている。「サービス残業をしていない」と答えた人の割合は、35.7%から47.3%へと上昇している。理由は、実際に時間外労働時間が減少している為と言えそうだ。会社が求める残業時間内で仕事が終われば、上司の目等を気にすることなく、出勤簿を正確に記入できる。但し、既に業務が効率化されている職場で、仕事量を減らさず、残業だけを抑制する指示が出れば、サービス残業の発生を助長する。実際、「仕事を家に持ち帰ることになった」とのコメントも寄せられた。企業側の意識が変わった効果を指摘する意見もある。「部下にサービス残業をさせると、上司が処罰されるようになった」「労基署が入ってから、残業時間が厳密に管理されている」。働き方改革は、多くの企業において始まったばかりだ。進捗と成果をチェックしながら、随時打ち手を見直していくことが、改革を成功に導く最短ルートだ。  (取材・文/本誌 広岡延隆)


キャプチャ  2017年4月3日号掲載
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