【“地震予知”という名のニセ科学】(01) 地震予知にカネを使うなら防災対策を強化せよ

大地震が発生→予測できなかった→更なる観測が必要…この無限ループ。年間200億円の予算は何に使われているのか? その予算に意味はあるのか? そろそろ、立ち止まって考える必要がある。地震大国ニッポンに住む我々の全てが――。 (本誌編集部)

20170410 02
“外れマップ”――。日本で活動する地震学者のロバート・ゲラーは、政府の地震調査研究推進本部(以下“地震本部”)が公表している確率論的地震動予測地図(通称“ハザードマップ”)のことをそう揶揄する。過去の大地震をハザードマップ上に当て嵌めてみると、実際、彼の言う通りである。地震が発生したのは全て、確立が低いとされた場所ばかりだ。政府は、このハザードマップの他にも海溝型地震と主要活断層帯の長期評価を公表している。記憶に新しい熊本地震では、地震を引き起こしたとされる布田川断層帯(布田川区間)の30年以内の地震発生確率が“ほぼ0~0.9%”だった。この数字に関し、政府の地震調査委員会の記者会見で、平田直委員長(『東京大学地震研究所』)は、こう話している。「抑々、大きな地震は稀にしか起きない。多くの人は、生きているうちに経験しないで済む。しかし、日本全体では沢山起きている。これ(0.9%)を少ないと思わないでほしい。この程度の数字でも実際に起きたのだから、確率の高い地域では自分のこととして考えて、準備をしてほしい」。言葉通り聞くのであれば、世界で発生する地震の約20%が発生する地震大国に住む以上、国民全員が明日地震が来てもおかしくないよう備えるのが一番だ。現在、日本はこうした状況にあるにも拘わらず、地震調査研究に年間約200億円もの予算を投じている。

地震予知はできない――。尤も、彼らは地震予知ではなく、“地震の調査研究”と言うだろう。地震予知への期待を完全に裏切った1995年1月17日の阪路淡路大震災以降、政府はあらゆる組織から“予知”の名を取った。地震本部も、その前身は『地震予知推進本部』という名前であった。しかし、大地震の度に拡大する観測網の予算を、地震予知と言わず何と言うのだろうか? 地震計・ひずみ計・GPS…。地震や地殻変動の動きを捉え、次なる地震の到来を調査する。それは、次なる地震を“予知”する為の予算に他ならない。更には、知られざる予算の中には、首を傾げたくなるものも沢山ある。一例を挙げる。1000年に1度と言われる東日本大震災が起きても尚、東北地方太平洋沖を中心に地震計等の観測網を拡大しようとしている。地震本部が、大規模地震の発生確率は“今後100年以内にほぼ0%”と発表しているにも拘わらず、だ。予知への批判が集まった阪神淡路大震災後、当時の地震予知推進本部長も兼任する科学技術庁長官だった田中眞紀子氏は、こう言った。「地震予知にカネを使うぐらいだったら、元気のよいナマズを飼ったほうがいい」。流石にナマズに予算をかけようとは思わないが、年間200億円の予算を他に使うことはできないのか? 例えば、熊本地震では電柱の例壊により死者負傷者が出て、更には倒壊した電柱が道路を塞いだことで、救助が困難になった。こうした対策として、無電柱化に取り組む。予知が無理である以上、こうした防災対策にこそ予算を投じるべきではないのか? 本稿を書いている最中、奇しくも、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典栄誉教授(東京工業大学)の「“役に立つかどうか”という観点でばかり科学を捉えると、社会をダメにすると思う」という言葉が話題になった。勿論、基礎研究を続けることは大事である。しかし、大地震が発生する度に「予測できなかった。何故なら観測が足りなかった」という結論に着地し、終わり無き観測網の拡大――つまり予算の拡大を続ける現状を一度、立ち止まって考えることも必要なのではないか。本連載を通じて、読者にご判断頂きたい。


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