【電池バブルがキタ━(゚∀゚)━!!】(08) 台頭する中国部材メーカー、日本は海外の戦略転換が急務

20170410 09
世界最大の電気自動車(EV)市場である中国で、中国の車載用リチウムイオン電池向け部材メーカーの存在感が高まっている。『矢野経済研究所』によると、2015年の世界のリチウムイオン電池における主要4部材(正極材・負極材・電解液・セパレーター)の市場規模(出荷ベース)は、前年比18.1%増の約70億5043万ドル(約7332億円)と大きな伸びを見せた。そのうち、全ての部材で中国部材メーカーのシェア(出荷ベース)は世界トップだ(左図)。中国は政府主導で、2020年までにEVを始めとした環境対応車を500万台普及させることを目標としている。その普及に向けた補助金政策で内需が底上げされ、2015年以降、中国のEV市場は急拡大。中国自動車メーカーが国内の部材メーカーとの取引を増やしてきた為、シェアが大きく拡大した。嘗て世界シェアトップだった日本の部材メーカーは何故、中国に大きく引き離されたのか? 最初の誤算は、スマホ市場を見誤ったことだろう。2000年代前半まではスマホやノートパソコン等の国内需要が旺盛で、世界シェアも高かった日本の部材メーカーは国内需要だけで利益を上げられた。しかし2010年以降、スマホメーカーは価格競争力を求めて、生産拠点を中国や韓国に移転。中国スマホ市場の拡大と共に、小型民生用リチウムイオン電池の需要も急拡大し、中国語材メーカーも力を付けた。一方、製造コストが高い日本国内に留まった大部分の日本の部材メーカーは、顧客要求を満たすレベルに価格を落とせず、徐々に競争力を失っていった。日本の過度な技術志向も、シェアを奪われる要因だっただろう。世界のEV市場において、日本の部材メーカーは生き残れるか。外部環境としては益々厳しくなっていくと見られる。

現在、量産される汎用的な部材では、現行の技術が成熟している為、価格競争に陥っており、世界シェアで勝る中国が優位な状況だ。一方、高機能・高性能の部材では、未だ日本に優位性が残っている。例えば正極材では、電池を高容量化させながら安全性を保ち、且つ安定的に量産することは難しく、高容量の正極材を車載用で生産できる企業は中国には未だ無い。ただ中国は、政府目標の500万台には届かなくとも、仮に300万台程度のEVを普及させることができれば、今後数年のうちに車載用リチウムイオン電池向け部材で相当の“経験値”を積むことになる。嘗て、小型民生用リチウムイオン電池で品質・価格共に顧客要求を叶えてきた時と同様、何れ技術力は追いつき、2020年頃にはそれなりの品質と価格競争力を備えた電池部材を完成させるだろう。また、中国部材メーカーが海外に目を向け始めていることにも注意が必要だ。2020年の補助金政策の終了を見越し、現在、多くの電池メーカーや部材メーカーが、補助金が交付されるうちに貪欲に設備投資を進めている。その一方で、新たにEV市場に参入する企業も後を絶たず、補助金政策が終了する頃には、中国の電池部材市場は供給過剰となっていることが予想される。その為、中国部材メーカーは、更なる成長を求めて海外に目を向けざるを得ないのだ。既に世界では、欧米自動車メーカー各社のEV開発競争と、そのEV向け電池の供給を狙う部材メーカーの競争が始まっている。日本は、中国部材メーカーが本格的に海外進出する前に、先手を打って大手欧米自動車メーカーとの協業を進め、量産販売需要のある国で生産体制を整える等、顧客の求める価格で提供できる体制を今から作らなければ、世界のEV市場でも中国部材メーカーにシェアを奪われてしまうだろう。 (矢野経済研究所インダストリアルテクノロジーユニット事業部長 稲垣佐知也)


キャプチャ  2017年2月14日号掲載
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