【笑う北朝鮮・崩壊論の嘘】(03) 中国が石炭禁輸も鉄鉱石に“抜け穴”

20170414 06
中国は2月18日、同時点で通関手続きを済ませていない北朝鮮産石炭の輸入について、「来年末まで停止する」との公告を出した。北朝鮮の核・ミサイル開発に対する経済制裁を巡り、中国はこれまで、関係国からは煮え切らないように映る姿勢を取ってきた。国際社会がいくら制裁を行っても、北朝鮮の貿易の約9割を占める中国が貿易を続ければ、北朝鮮のダメージは少なく、制裁の効果も限られてしまう為だ。しかし、今回の措置は一線を越えたように見える。というのも、「中国が国連の制裁措置を上回る独自の内容を初めて加えた」と捉えることができるからだ。石炭は北朝鮮の中国向け輸出額の4割超を占め、北朝鮮が外貨を得る為の貴重な手段の1つだ。その為、北朝鮮は「大国と自称する国がアメリカの拍子に踊っている」と、中国の対応に強烈な不快感を表明したのである。中国の本気度はどの程度だろう。北朝鮮に対する国連の経済制裁を巡る中国のこれまでの対応を振り返ってみよう。中国は、国連安全保障理事会が昨年1月の北朝鮮第4次核実験後に採択した安保理決議2270を受けて、石炭・鉄・鉄鉱石・バナジウム・チタン・金・レアアースの輸入と、定期航空路線向けを除く航空燃料の輸出を禁じる通達を出した。安保理決議に沿った内容だが、中国は安保理決議に「石炭、鉄及び鉄鉱石については、民生目的の取引はこれを除外する」という但し書きがあることを理由に、北朝鮮と石炭・鉄鉱石・鉄の貿易を続けてきた。

実際に、石炭の貿易額は減るどころか、2016年は2015年比12.5%増となった。その後、北朝鮮が昨年9月に第5次核実験に踏み切ると、国連安保理は同11月、追加的な制裁措置として決議2321を採択した。北朝鮮からの輸入禁止品として新たに、ニッケル・銅・銀・亜鉛を追加すると共に、石炭については民生目的であっても、年間取引額約4億ドル、若しくは取引量750万トンまでとする輸入上限を設定した。この決議を受けて中国は昨年12月、『2016年第81号公告』を発表した。この公告と、中国対外貿易法は、今回の石炭全面輸入禁止措置の根拠として挙げられている。ただ、不思議なことに、今年1月と2月の石炭取引額(量)は、未だこの上限に達していない。中国の従来の姿勢を考えれば、駆け込み的に上限額(量)まで取引を増やしてもおかしくはない筈だ。中国は、これまで「国際法規には従う」としながらも、日本・アメリカ・韓国等が国連決議とは別に上乗せで実施している独自の北朝鮮制裁措置には与しない姿勢で一貫してきた。だが、今回の石炭輸入停止措置は、国連安保理決議2321の設けた、貿易制限を名目とした事実上の中国独自の措置である可能性が高い。石炭貿易に厳しい顔をする一方で、実は国連安保理決議2321には、北朝鮮や中国にとって“抜け穴”がある。同決議では、鉄・鉄鉱石については従来通り、民生目的の取引を制裁の対象から除外する項目が設けられているのだ。若し、北朝鮮が今後、核・ミサイル開発の一時停止に応じる態度を見せさえすれば、中国はこの点を“柔軟”に解釈し、鉄・鉄鉱石の輸入を続けることで、金正恩政権の外貨収入を一定程度保証する――。石炭に関しては初めて、本格的な制裁に乗り出す構えを見せながらも、鉄・鉄鉱石についてはそんなカードを残している。中国にとって、北朝鮮の核・ミサイル開発が進むのは望ましくない。しかしそれ以上に、金正恩体制が揺らぐのは困る。今回の中国の措置には、北朝鮮に対して、対話と並行して取り得る圧力手段を模索する、中国のそんなジレンマが滲み出ているようだ。 (『霞山会』研究員 堀田幸裕)


キャプチャ  2017年4月11日号掲載
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テーマ : 北朝鮮問題
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