【Test drive impression】(17) 『ミニ クーパーDクロスオーバー』――ミニ史上最大のミニは質感もサイズも大幅アップ!

「最近のミニって随分大きくなったよね」な~んて声が聞こえてきますが、確かにミニという名前の割にボディーサイズは拡大していますよね。それこそ、ちょっと前までは前席主体で乗る3ドアのハッチバックが主流でしたが、2011年に初代ミニクロスオーバーが登場したことを皮切りに、後席ドアを備えた5ドアモデルを展開して、ライフステージの変化に囚われずに選べるブランドに。変化を恐れずに突き進む新しい提案は、ファミリー層や趣味層に歓迎されて、日本のミニ販売の約4割を占めるほどの超人気モデルに成長しました。そんなミニクロスオーバーの2代目が今年2月に登場。存在感溢れる佇まいからわかるように、ボディーサイズは従来よりも大柄に! 具体的には、全長が初代よりも+195㎜、全幅+30㎜、全高は+45㎜拡大。大胆に変貌を遂げた理由は、ボディーの骨格部分がBMW2シリーズの『アクティブツアラー』と共用化された影響と言えます。それによって、タイヤがボディーの四隅に配置されてワイドに構えたスタンス、高めの全高を意識させない均整が取れたプロポーションに仕上がっています。ミニのアイコンである丸目のヘッドライトは、上下から力を加えて変形させたような表情に変わり、力強くも滑らかな面で構成されたボディーに馴染んでいます。ミニのデザインは個性的な半面、好みが分かれがちでしたが、今回のモデルは質感を高めたディテールにモダンなエッセンスが加わったことで、幅広い層に受け入れられ易いデザインに進化したように映ります。

ボディーの大型化による最大のメリットは、室内空間が広くなったこと。今回の取材では男性2名を乗せて走りましたが、後席からは「膝周りがだいぶ広いね!」と頗る好評でした。タイヤの間隔が広がったことで、居住空間にゆとりが生まれたからでしょう。更に、後席は先代同様に左右独立式で、前後スライドが可能なので、膝周りの広さと荷室の空間を臨機応変に調整できます。背もたれは最大30度まで倒せ、3分割でアレンジできるもので、長尺物も積み込み易い構造。全長の拡大に伴って、荷室容量は従来よりも100リットル拡大して、クロスオーバーの冒険的なキャラクターに相応しく、趣味の道具を積む能力を高めています。インテリアの設えは、このクラスのライバルと比較して群を抜くクオリティーの高さ。他のミニ同様、パネルやシートの素材は、バリエーション豊富なパーツ群から自分なりのセンスでコーディネートを楽しむことができる。『MINI Yours』と呼ばれるハイエンドの素材も用意されており、本物を追求する“拘り層”の遊び心を擽ります。今回、ドライブしたのは2リッターのディーゼルエンジンを搭載した前輪駆動モデル。僅か1750回転で33.6ものトルクを発生させるとあって、加速中はグイグイと車を前に押し出す力強さを発揮します。ディーゼル特有のガラガラ音は上手く封じ込められていて、走行中の車内は静かで快適。乗り心地面では、ワイドに構えたスタンスと剛性を高めたボディー、優れたシャシーの効果で嫌な揺すられ感を与えず、従来と比べて格段に洗練された走りに進化しています。

路面の凹凸に負けないフラットライドな走りは、長距離移動も快適に過ごせそう。ただ、走行モードが“MID”の時に気になったのが、高速走行中にドライバーのハンドル操作に少し敏感に反応するパワステと車の動き。ドライバーが場当たり的にハンドルを切ると、同乗者の体が揺すられ易い傾向にあります。その辺りは“SPORT”モードのほうが安定性が高まるので、走行状況に応じて切り替えが必要かも。また、優等生的な走りは快適性の面で嬉しいけど、ゴーカートフィールを期待すると、「ミニとして少し刺激が足りない」と思ったのも事実。その辺りは、プラグインハイブリッド車やそのうち登場するであろうハイスペックなJCW仕様に期待したいところ。今回の試乗で凄さを見せつけられたのは、ディーゼルエンジンの実用燃費の高さ。アクセルは軽い踏み込みで軽々と必要な車速に到達することもあって、高速と一般道を約150㎞走った平均燃費は15.8㎞/リッター。車重約1.8トン、3名乗車で山道を駆け抜けたことを踏まえれば、期待以上の数字かも。軽油はハイオクよりも圧倒的に安いし、高速移動や荷物を積んで走る場合はランニングコストが削減できそう。でも、肝心の車両価格は、クーパーDが386万円からと高価な設定。軈て登場する1.5リッターのガソリン仕様『ONE』のスタート価格が、新規層+従来型からの乗り換え層がクーパーDクロスオーバーの購入に踏み切るかどうかを左右しそう!


藤島知子(ふじしま・ともこ) 自動車ジャーナリスト・レーシングドライバー・『日本カーオブザイヤー』選考委員。1975年、神奈川県生まれ。文教大学女子短期大学英語英文科卒。レースクイーンやレーサーを経て、2002年より執筆活動を開始。『クルマでいこう!』(テレビ神奈川)にレギュラー出演中。


キャプチャ  2017年4月24日号掲載




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