【笑う北朝鮮・崩壊論の嘘】(04) 制裁、国連加盟国5割従わず

20170418 09
マレーシアで、金正日総書記の長男で金正恩委員長の異母兄・金正男氏が殺害された事件が広く報じられたことを受けて、マレーシアと北朝鮮の関係が知られるようになった。経済発展著しいマレーシアやシンガポールで数多くの北朝鮮人がビジネスを営んでいることは、関係者の間では10年以上前からよく知られていた事実だ。北朝鮮はマレーシアを“非敵対国”と位置付け、資金調達や国際社会とのパイプ作りに利用してきた。北朝鮮は、主要国では唯一、マレーシア人に対して査証(ビザ)無しでの入国も認めていた。今では膠着状態に陥っている。日朝国交正常化交渉でも、マレーシアは舞台の1つになった。マレーシアだけではない。東南アジアでは、インドネシアやカンボジアとの友好的な関係が知られる。日本では、北朝鮮について、危機を演出することで交渉相手から譲歩を引き出す“瀬戸際外交”を繰り広げ、国際社会から孤立したイメージが強い。だが実際には、西側諸国や中東各国も含め、北朝鮮と外交関係を有する国は意外と多い。筆者が調べたところによれば、北朝鮮と国交を持つ国連加盟国は161ヵ国に上る。その背景には、北朝鮮が1970年代に“国連外交”を掲げ、積極的に外交を進めたことがある。中国が1971年に台湾に代わって国連の代表権を得ると、北朝鮮は“朝鮮半島の正統政府”としての座を巡って韓国と競い合ったのだ。国連外交以前の外交の対象は、主に旧東側諸国や容共国家だった。東南アジアでは、金日成主席自らインドネシアのスカルノ大統領やカンボジアのノロドム・シアヌーク国王に対して、トップ外交を繰り広げた。

更に、北朝鮮が当時、注目したのがアフリカだ。アフリカは、1957年のガーナを皮切りに、1960年代を通じて独立運動が活発化し、多くの国が独立を始めた時期に当たる。しかも、旧宗主国である欧米諸国に対する反発心の強い国も多く、アメリカと対立する北朝鮮にとって友好関係を築くのに都合がよかった。北朝鮮のアフリカ外交で活躍した1人が、朝鮮労働党序列2位の金永南氏だ。外交官だった金氏は、1998年以降、対外的には北朝鮮の国家元首として位置付けられる最高人民会議(国会)常任委員会委員長の地位にある。今年89歳と高齢だが、昨年もアフリカを訪れた。アフリカ各国との関係は今でも強い。例えば、国連安全保障理事会の制裁決議への対応を見ると如実にわかる。北朝鮮人はマレーシアで国連安保理制裁決議を破る活動を行ってはいたものの、マレーシア政府自身は国連決議を破るような活動を起こしている訳ではない。ところがアフリカには、政府自ら国連安保理決議を破るような活動を行っている国が少なくない。政府・軍隊・警察が北朝鮮から武器を輸入したり、北朝鮮に軍事トレーニングを依頼したりする。2009年に国連安保理決議に賛成した非常任理事国のウガンダは、北朝鮮に自国警察の軍事トレーニングを依頼し、自ら制裁を破った。また昨年11月には、北朝鮮製の彫刻像(銅像)の輸入が禁止されたにも拘わらず、アフリカには未だ同国製の像が建てられている可能性がある。アフリカで制裁決議を守る意識が希薄なのは、抑々、北朝鮮の核・ミサイル兵器の射程からは遠く離れているのに加え、こうした古くからの友好関係がある。国連安保理は国連加盟国に対し、制裁措置の実施状況の報告を求めている。北朝鮮に対する制裁措置の実施状況を報告したのは、昨年末時点で、国連加盟国193ヵ国中102ヵ国と約半数に過ぎなかった。実質的に加盟国の半数が、制裁について無視、乃至は傍観を決め込み、“北朝鮮を支持している”と受け止めることもできる。アフリカ54ヵ国に限れば、実施状況を報告したのは10ヵ国に留まり、実に約8割が報告していない。制裁決議を破る国が増えれば、当然、その効果は薄れる。北朝鮮は必ずしも孤立していない。その外交力を侮ってはならない。 (聖学院大学教授 宮本悟)


キャプチャ  2017年4月11日号掲載
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テーマ : 北朝鮮問題
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