【南鳥島に注目せよ!】(03) 中国の強かな資源戦略

20170418 08
2010年9月7日、尖閣諸島沖で違法操業していた中国漁船が、海上保安庁の巡視船に体当たりする事件が起こった。船長は逮捕され、2日後には検察庁に送致されている。同19日に船長の勾留延長が決定すると、中国側は閣僚級の往来停止や石炭関係会議の延期等、複数の報復措置を実施。更に21日には、「釈放しない場合には更なる行動を取る」と表明し、日本向けレアアースの通関手続きが受理されなくなるという深刻な事態に陥った。諸外国のメディアは「日本向けレアース輸出が全面禁止に」と報じ、世界が注目する大問題に発展。これを受けて、日本政府は同24日、中国人船長を処分保留のまま釈放するという判断を下した。これで事態が収束に向かうか…と思いきや、然に非ず。同28日にレアアースの通関手続きが再開されるも、税関での検査が厳重化され、船への積み込みが許可されない等、輸出規制の状況が続く。その結果、日本だけでなく、アメリカも反発する事態となる。翌10月15日、アメリカ通商代表部が「アメリカ通商法301条に基づく調査を開始する」と通告すると、中国はそれに対する報復として、欧米向けのレアアース輸出を停止する措置に出た。

ハイテク産業に不可欠なレアアースを独占的に供給する中国が、これを政治的な問題の対抗手段として用いるようになった。レアアースという言葉だけでなく、それが世界の産業にどれほどの影響を及ぼすかも知らしめた、所謂“レアアースショック”の勃発である。これを契機として、日・米・欧で連携し、レアアースの安定調達や掘削技術について検討する作業部会が、2011年10月に初めて開催されている。レアアース埋蔵量の44%を占め、生産量では85%に達する中国は、それだけ“脅威”なのだ。中国は豊富な埋蔵量を背景に、形振り構わぬ国家政策を以て、早くからレアアース生産量を増やしてきた。更に、シェア獲得を優先した安値攻勢で、世界のレアアース市場を席巻。その結果、1980年代の半ばにはアメリカを追い抜き、2000年に入る頃には世界シェアの90%近くを奪取している。市場の占有を進め、世界で影響力を発揮できるように、計画を立てて綿密に進めてきたのだ。そして2006年からは、自国の環境保全等を名目に、レアアースの輸出量を少しずつ減少。更に、輸出税を引き上げることで、レアアース価格を引き上げてきたのである。中国のレアアース輸出制限に対して、2011年12月23日にはアメリカ通商代表部が「世界貿易機関(WTO)への提訴を含めた措置を講じる」と発表。実際、2012年3月13日には、日本・アメリカ・EUが共同でWTOに提訴している。これに対して中国側は、「あくまで自国の鉱物資源の保護と環境問題を考慮したもので、WTOのルールに沿ったものだ」と主張した。最終的な判決が出たのは2014年8月のことで、原告である日本・アメリカ・EU側の勝訴となった。


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テーマ : 環境・資源・エネルギー
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