民進党が消えて無くなる日――加速する“蓮舫おろし”と“野党共闘”、夏の都議選で“議席ゼロ”の衝撃予測も

今夏の東京都議選を巡って、民進党は分裂の危機だ。相変わらず小池百合子都知事の人気は絶大で、このままでは惨敗する可能性が高いことから、党内では「蓮舫代表を降ろして野党共闘を進めるべき」との声も――。 (取材・文/政治ジャーナリスト 村嶋雄人)

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今、民進党で起きていることが、単なる党内の勢力争いと思ったら大間違いで、これは蓮舫代表降ろしへの布石である。2017年2月に入って、民進党で旧維新系の松野頼久元官房副長官が新たな党内グループを設立。ここには維新系の十数人が参加して、代表は松野氏、事務総長には松木謙公議員が就いた。設立に当たっての表向きの理由は、2016年9月に行われた代表選を巡って、旧維新系議員たちの間で松野派と江田憲司派で割れたそのシコリからとされている。しかし、松野氏らの本当の狙いは違うという。「松野氏は、代表選で前原誠司元外務大臣を支持した。元々、松野氏は次の総選挙に向けて、『自由党や社民党、それに日本共産党も含めて野党統一を図るべきだ』というのが持論で、最近では前原氏も同じだった。ところが、蓮舫代表や野田佳彦幹事長は腰が重いし、日本共産党に距離を置いている。そこで、松野氏は党内に執行部と完全に距離を置くグループを作って、前原氏や民進党内の他の野党統一派議員らと連携していくのが狙いでした」(同グループメンバー)。また、民進党内では、松野氏の他、旧社民党系の赤松広隆前衆議院副議長のグループも、現在の蓮舫代表や野田幹事長の執行部に反対の姿勢を鮮明にし始めた。同グループ議員の1人は、「民主党政権崩壊のA番戦犯である野田さんを幹事長に起用したところから、蓮舫体制はもう破綻している。蓮舫さんと心中するなんて真っ平御免」と話すほどだ。

2016年12月25日に、こんなことがあった。JR京都駅前で行われた街頭演説で街宣車の上に並んだのは、ここを地盤とする日本共産党国会対策委員会の穀田恵二委員長、そして自由党の小沢一郎共同代表と民進党の松野頼久氏。次期総選挙に向けては、日本共産党・自由党・社民党、そして民進党の4党が、統一候補擁立等で結束できるかが最大の焦点になっている。にも拘わらず、野党第一党の民進党は昨秋、蓮舫代表-野田幹事長体制になってからというもの、日本共産党との距離感を巡っての発言や行動に一貫性がない。野党第一党の癖に、野党4党の協力体制をリードすらしない状態が続いているのだ。民進党内からもとりわけ、再選を狙う落選議員からは、「解散がいつあってもおかしくないのに、代表と幹事長は危機感ゼロ。票を分析しても日本共産党と協力するしかないのは明白なのに、何をやっているんだ」(関東ブロック次期候補者)と怒りの声が上がっている。京都は予てより革新府政が続く土地柄で、今も日本共産党の牙城である。日本共産党としては、京都1区のベテランである穀田氏擁立は譲れないのだが、蓮舫・野田コンビは未だに京都でも独自の民進党候補擁立を模索していて、日本共産党との積極的な調整に乗り出していなかったのだ。小沢代表も松野氏も「日本共産党と連携するしかない」という考えであることから、穀田氏と小沢代表・松野氏らが並び立つことで、「蓮舫代表や野田幹事長に対して、『日本共産党を含めた野党協力に本気になれ』と圧力をかける狙い」(小沢代表周辺)があったのだろう。ところが、蓮舫・野田執行部は逆に、こうした動きを牽制した。松野氏は演説に立ち、「(日本共産党問題で)あれが嫌いとか、ここが合わないとか言ってもしょうがない」と訴えたのだが、野田幹事長は翌26日、記者会見で松野氏の行動を批判したのだ。「京都は非自民・反共産で長く戦ってきた土地柄。個人の判断で行動したことは極めて遺感である。(事前に)電話で強く自制を促したが、残念な結果を招いてしまった」と、公に松野氏を責めたのだ。ただ党内では、「松野氏の行動は正しかった。寧ろ、日本共産党との連携にグズグズしている蓮舫・野田執行部こそおかしい」という声が続々と湧いた。その背景には、「解党的出直しをすべき」という考えの前原誠司元代表・細野豪志代表代行・岡田克也前代表・馬淵澄夫選対委員長ら多くの実力者が、日本共産党との連携の必要性を説き始め、現在の蓮舫・野田コンビの方針に業を煮やしているという事情があるのだ。別のベテラン議員からは、こんな批判も出ている。「野田幹事長が去年の臨時国会終盤に自民党の二階俊博幹事長と密かに会食していたことがわかったが、与野党の攻防が大詰めで、しかも解散の可能性も言われていた時期に与党幹部と会うなんて信じられない。あれで完全に他の野党からの信頼を失った。野田幹事長に松野さんを叱る資格など全く無い」。一応、野田幹事長は、野党4党の政策協定や選挙協力に向けて話し合う為に、野党幹事長・書記局長会談を継続中だが、どこまで本気なのかわからない。「候補者調整でも、『野田さんは“民進党だけが甘い汁を吸って、日本共産党に譲るのは僅かでいい”という本音が見える』と他の野党幹部が言っている」(同べテラン)。

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民進党の支持母体と言えば、日本最大の労組の元締めである『日本労働組合総連合会(連合)』だが、両者の歪な関係性について、党閣僚経験者はこう話す。「連合にしてみれば、長い革新勢力内の対立から、天敵の日本共産党とは一緒にやりたくない。蓮舫・野田コンビはそのことに気を遣って、日本共産党と距離を置いているのでしょう」。民進党トップの弱腰姿勢に対して、自由党の小沢代表も「連合の票は大したことないんだが、ポスターは貼ってくれるし、動員もしてくれる。それで神経質になっているんだ」と分析しているようだ。小沢代表は今、野党協力に向けて水面下で接着剤の役目に徹している。前述した民進党の野党連携派の実力議員らを始め、日本共産党の志位和夫委員長らと個別に膝を突き合わせながら共闘の流れを作っている。当然、野党協力について、連合幹部とも接触していた。そんな小沢代表は、蓮舫・野田コンビのように「連合への気遣いは不必要だ」と断じている。「連合幹部と話してみると、『確かに共闘しかないですね』と言っている。抑々、連合は応援団なんだから、自分の気に入ったところを応援すりゃいい。それに、日本共産党を応援する必要もなく、偶々民進党は日本共産党との統一候補をやっているだけなんだから、その候補を応援すればいいだけだ。『どうしても日本共産党と一緒に並ぶのが嫌なら、連合は連合独自でやればいい』と連合幹部に言ったら、『なるほど』と納得してくれた。変なコソコソした小細工は捨てて、トップの蓮舫さんや野田さんはもっと遠慮せずに堂々と話すべきだ」。

去年の代表選挙では、明らかに選挙の顔として期待され、選出された蓮舫代表だが、国会で安倍政権への追及は今一つに終わっている。しかも、日本共産党との連携について、「向こうの片思い」等と失礼極まりない発言も。更に野田幹事長までが、臨時国会でカジノ法案の採決を許してしまう等、他の野党との足並みを乱し、信頼を損なう失態を招いた。また、2017年2月に入って蓮舫代表は、次期総選挙で原発ゼロの目標年次について、「これまでの“2030年代”を早めて“2030年”を公約にしたい」と言い出した。反原発を目玉にしたいということだろうが、これも唐突で、党内や支援団体との調整が上手くいっていない。「連合の中には電力総連があって、ここは原発推進の立場なので、蓮舫代表はこことの協議が決裂したようだ」(電力総連の支援を受けている民進党議員)、「“今直ぐゼロに”というならわかるが、“2030年代”を“2030年”にしてどんな説得力があるというのか。電力総連や党内にいる原発維持派に気を遣いながら、中途半端に決めたのがミエミエ。要するに指導カゼロということだ」(民進党ベテラン議員)、「国会で天下り問題等、政府・与党の不祥事を追及する千載一遇のチャンスなのに、今、この時期に何故、原発政策で党内が割れているような悪印象を態々世間に与えないといけないのか」(民進党国対幹部)。この原発問題は、現在も民進党内の意見対立が続いている。蓮舫代表は「2017年3月の党大会までに結論を出す」としているが、前出の国対幹部が言うように、安倍自民党を野党一丸となって追及しなければならない予算国会中の今、不協和音を率先して起こすのは得策ではない。そして、これらが重なって、政党支持率も1桁の域を出ない。「『もう永久に支持率は上がらないのか…』と絶望的です。言葉は勇ましいが、やることは全て期待外れ。次の選挙にかけている私たちは我慢できません。総選挙は、蓮舫代表では戦えない」(東海地区民進党次期候補)と、党内からは悲痛な声が上がっている。こうした中で、“蓮舫降ろし”が愈々現実味を帯びてきている。本来なら、国政とは関係ない筈の一地方選挙である今夏の東京都議会議員選挙だが、その結果次第で全てが決まるのだ。東京都民からの小池人気は相変わらず絶大で、都議選で小池知事率いる『都民ファーストの会』が、何と70人擁立して単独過半数を狙うという話も出てきている。そうなると、都議会民進党にしてみれば、壊滅的な敗北もあり得る。ある政党の世論調査では、“民進党は0~2議席”等といったショッキングな結果も出ているほどだ。蓮舫代表のお膝元である東京で壊滅状態ともなれば、当然、責任は免れない。そこで、前述した松野氏や赤松氏らが動き出す可能性が出てきているのだ。

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松野氏らのシナリオについて、同氏に近い議員はこう話す。「今年は解散総選挙がいつあってもおかしくないし、もう野党統一を待っていられない。松野さんは、前原さんをポスト蓮舫として、細野代表代行のグループや赤松さんらと連携を密にして、蓮舫降ろしを謀るでしょう。本来、都議選は地方選挙ですが、首都決戦で各党は本部を挙げて戦うのが恒例。事実上、国政選挙並みという捉え方もできます。蓮舫代表のままでは絶対に勝てない。早々に民進党を離党して、小池さんの都民ファーストの会に鞍替えした元都議・蓮舫派の人もいるくらいです。今回、松野さんや赤松さんは、都議選の民進党の結果を以て、蓮舫代表に退陣を迫るつもりでしょう」。そして松野氏は、前回の代表選挙でも推した前原氏を代表に選び、その下で早急に野党協力を進めるというシナリオなのだ。「『松野さんは、単なる野党協力だけでなく、小沢さんや社民党と一緒になって野党再々編まで考えているのではないか?』とも見られています。今の民進党の殆どの議員が野党共闘派ですから、多くが前原さん・松野さん・赤松さんらと行動を共にするに違いない。そうなると、民進党は分裂して壊滅です」(同)。これについて、党内の若手議員はどう見ているか。「松野さんは変幻自在な人ですから、『未だ今の段階は蓮舫降ろしと見せかけて、野党協力を早く進めるようプレッシャーをかけているだけ』との見方もあります。ただ、蓮舫代表がどこまでこの問題を深刻に受け止めるかにかかっていますね。蓮舫さんの本気度が見えなければ、今度の都議選をきっかけに蓮舫降ろしは現実となり、その後も蓮舫さんが代表職にしがみ付けば、党は空中分解し、野党再々編です。そうなれば、若手は選挙基盤が弱いので、日本共産党との連携が必要不可欠。必然的に、私は野党共闘派である前原さんらについて行きますよ」。追い込まれた蓮舫執行部――。近い将来、民進党が消えて無くなる日が来るかもしれない。 (写真提供/政治ジャーナリスト 小川裕夫)


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