【地方銀行のリアル】(01) 大垣共立銀行(岐阜県)――土屋家“超長期支配”の異常

20170419 10
木曽三川を抱えて雄大に広がる濃尾平野。その一角に位置する“水都”大垣市が今、“OKBシティー”と化しつつある。JR東海道線の大垣駅から“西美濃の要衝”とも言われた大垣城へと続くアーケード商店街『大垣郭町商店街』は、2013年暮れから事実上、『OKBストリート』へと名前を変えた。街には雑貨販売に喫茶店を併設した『OKB牧場』、障害者自立支援の『OKB工房』に、テレビCM制作等の『OKBスタジオ』と、OKB関連施設がまさに目白押し。市南部の大外羽地区には2015年秋、約1haの耕作地を持つ『OKB農場』まで誕生した。「ここは、松尾芭蕉の“奥の細道”の結びの地ともなった由緒正しい城下町。OKBのアルファベット3文字が溢れ返る佇まいには、何やら違和感を隠せない」。地元関係者の中には、こう言って眉を顰める向きも少なくないが、OKBの進撃は止まらない。昨年4月には『岐阜アリーナ』が、そして今月からは複合文化施設『岐阜県県民ふれあい会館』が、其々『OKBぎふ清流アリーナ』『OKBふれあい会館』に看板を塗り替える等、その関連施設は市域を越えて、県都の岐阜市をも席巻する勢いだ。“OKB”――。大垣市に本拠を置く『大垣共立銀行』が、英語表記による行名の頭文字から採ったこの名称を使い始めたのは、2000年代初頭から。秋元康氏がプロデュースしたアイドルユニット『AKB48』が登場する2005年よりも実は前のこととされている。ただ、それを前面に打ち出すようになったのは、やはりAKB48が大ブレークを遂げた後になってのこと。ミニスカートを穿かせた女性行員45人で『OKB45』なるユニットを結成、地域のイベントに参加させて宣伝効果を引き出す等、殆ど便乗商法とも言える「品性に欠けたやり口」(『岐阜信用金庫』関係者)で、預金の獲得等に繋げていった。

背景にあるとされるのは、同じ岐阜県を地盤としながら、収益・財務基盤・貸出金シェア等で常に後塵を拝する形となってきた『十六銀行』への強烈なライバル意識だ。競合行を打ち負かすには、「徹底した差別化戦略が不可欠。その為には、お行儀の良さは二の次で、ある意味、形振り等構っていられない」(大垣共立銀行関係者)といったところだろう。実際、1984年には、お堅いイメージのある銀行としては異例とも言えるビキニ姿の水着モデルを使った広告宣伝ポスターを制作し、地元金融関係者らの度肝を抜いた“前科”もある。地上17階建て約60mと、1973年の完成時“東海一”の高さを誇った本店ビルにも、ライバルに対する負けじ魂が滲む。1993年から24年間にも亘ってトップに君臨し続けている土屋嶢頭取の父・斉氏(故人)が頭取だった時代に手掛けたプロジェクトだが、当初は20階建ての計画だった。しかし、「地銀の本店にそんな豪華なものは必要ない」として旧大蔵省が猛反対。結局は3階分を削ったが、“十七”の線だけは頑として譲らなかった。“十六”を超えないと、それこそ建てる意味が無くなるからだ。“金融界随一”とも言われる革新的なサービスを次々と打ち出しているのも、通底するのは十六銀行との“差別化”だ。都市銀行を含めた全国の普通銀行で初めて、日曜・祝日のキャッシュコーナー営業に踏み切った1990年6月の“サンデーバンキング”を皮切りに、365日ATM無休稼働の“エブリデーバンキング”(1994年9月)や、人口過疎の山間地を回る巡回営業移動店舗『ひだ1号』(※現在は『OKBスーパーひだ1号』)の導入(2000年4月)等、平成に入ってから始めた新サービスの大半が、国内金融機関初か地銀初。最近でも、銀行界初のドライブスルー店舗の新設や、手の平認証だけでATMが利用できる“ピピット”、更には『タリーズコーヒー』とのコラボ店舗の開設等で話題を攫った。今年度からは新基幹システムへの移行と平仄を合わせる形で、手の平認証だけで窓口取引ができる無通帳型総合口座の取り扱い等も開始する。尤も、こうした新サービスは預金者等から一定の支持を集める一方、「単なる売名行為」「抜け駆け」等として、十六銀行ばかりか、地元金融筋からの反発も根強い。昨年1月、『大垣信用金庫』と『西濃信用金庫』の合併で誕生した『大垣西濃信用金庫』幹部が指弾する。「ATMをスロットマシンに見立てて、絵柄や数字が揃うと時間外手数料を無料にしたり、美容整形ローンや女性専用の離婚関連ローンの取り扱い等は、明らかにやり過ぎ。社会通念上、公益性を求められる預金取扱機関がやるべきサービスとは思えない」。行内やグループの一部からも不満の声が漏れる。画期的なサービスを提供することで世間の耳目を集めても、それが本業の収益力強化にどう結びついているのか、成果が今一つはっきりしないからだ。そして、その思いは「寧ろサービスコストばかりが膨らんでいるのでは?」といった市場の疑念とも重なる。

20170419 11
今年3月期、大垣共立銀行は、十六銀行が『岐阜銀行』との再編コスト等が嵩んで収益を落とした2012年3月期以来、5年ぶりに連結業務純益でライバルを凌駕した模様だ。十六銀行が200億円前後に留まったのに対し、大垣共立銀行は220億円前後を計上。約20億円の差をつけたとみられる。とはいえ、これは上期(※2016年4~9月)に仕組み貸付債権の一部を売却して、76億円の利益を捻り出したことによるもの。これが無ければ逆転はあり得なかったことになる。それどころか、コスト負担の重さに、『日本銀行』によるマイナス金利政策の影響も重なり、預貸金利ザヤは0.16%(※単体ベース)だった昨年3月期から一段と低下し、逆ザヤ寸前(※上期終了時点では0.01%)にまで悪化した見込みだ。地元金融筋の間では、「十六銀行との実力差は一向に縮まっていないばかりか、寧ろ広がっている」との見方さえ燻る。そんな大垣共立銀行が今年2月20日に表明したのが資本増強だ。公募増資を柱に、最大302億円を調達、昨年末で10%を割り込んだ自己資本比率の回復を図るのが狙いだった。しかし、希薄化率が18%を超えるとあって、市場の評価は散々。翌21日には1日で10%超も値を下げる等、株価は急落した。結局、当初想定を大幅に下回る価格での新株発行を余儀なくされ、調達額は229億円余に留まる羽目に。投資家らの怒りは今尚収まらない。「何しろ2度目。リーマンショック後の2009年にも希薄化率16%超の公募増資を打ち出して、同様に株価暴落を招いている。性懲りもなく“再犯”に走るのは、25年近くも続く土屋ワンマン体制の下、無責任体質が蔓延り、自浄作用がすっかり失われているからではないか」(大手生命保険関係者)。“お前ら(O)株主無視(K)銀行(B)”との皮肉も頻りだ。


キャプチャ  2017年4月号掲載
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