【ニッポン未解決事件ファイル】(14) 『歌舞伎町ラブホテル連続殺人事件』(1981)――歌舞伎町の真ん中で起こったラブホ連続殺人事件の“伝説”

日本一の繁華街・歌舞伎町にあるラブホテル街で、連続して3件の女性殺人事件が発生した。歌舞伎町という特殊な状況の中、事件は時効を迎えたが、住民たちの間で事件は伝説として語り継がれている――。 (取材・文/フリーライター 鈴木光司)

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キーワードはラブホテルという“密室性”か、それとも繁華街が持つ“魔性”なのか。歌舞伎町にある3軒のラブホテルで女性が殺害される事件が発生したのは、1981年のことだった。第1の事件は3月20日。歌舞伎町2丁目にあるラブホテル『ニューエルスカイ』(※現在は廃業。事件現場、他の2件も同様)の一室で、チェックアウトの時間が迫っても応答が無いことを不審に思ったスタッフが部屋を開けたところ、女性の死体を発見。死因は絞殺だった。また、一緒に入室した男性は既に退室していたという。その後の調べで、女性は歌舞伎町のホステスで45歳と判明したが、容疑者とみられる男の身元は杳としてわからなかった。第2の事件は、約1ヵ月後の4月26日22時頃。同じく歌舞伎町にあるラブホテル『コカパレス』で、約1時間前に入室した男女の内、男が先に退室。その時、男が利用料金を支払わないで出て行ったこともあり、スタッフが部屋を確認したところ、若い女性がパンティストッキングで首を絞められた状態で絶命していた。第3の事件は6月14日、『東丘』というラブホテルで起きる。18時30分頃入室した男女の内、又もや男が1人で退室。従業員は、前の2件が頭を過ったのだろうか、残された女性の確認に行ったところ、やはりパンティストッキングで首を絞められている状態で発見された。女性は病院に運ばれた後、死亡と判断される。この第3の事件の被害者は、後に埼玉県川口市に住む17歳の女性と判明したが、第2の事件の被害者は身元不明のまま、今に至っている。

この連続した3つの事件の被害者には共通点がある。それは、司法解剖の結果、体内から覚醒剤が検出されたということ。それも、注射痕は無かった為、経口からの服用が有力とみられた(※当時、“炙り”という使用方法は少なかった)。犯行状況から、「同一犯の可能性が高い」とみられていた。にも拘わらず、この連続殺人はお宮入りとなってしまう。幾つかの要因が考えられるが、その1つに挙げられるのが、ラブホテルという特殊な環境である。当時は今ほどラブホテルが一般的ではなく、「行きずりの情事・不倫、そして風俗関係者等が利用するもの」という意識も少なくなかった。その為、セキュリティー面よりもプライバシー重視・匿名性が求められる傾向にあった。防犯カメラが設置されていなかったことは、その顕著な例だろう。そしてもう1つが、歌舞伎町自体の特殊性である。今も昔も、この街に魅惑される人間は多種多様であり、地域性は勿論、国籍すら問わない。「夜間人口が極端に多い、どこかキケンな匂いのするこの街では、何が起こってもおかしくない」というイメージが定着している。実際に、この殺人事件も、被害者と加害者を結び付ける線は無いに等しく、強いて言えば男と女というだけ。捜査が難航するのも必然と言えた。結局、この3件の殺人は、15年後の1996年に時効が成立している。その後、世間一般的には「歌舞伎町なら然もありなん」とばかりに事件は風化していく。が、当の歌舞伎町住人たちにとっては、この連続殺人は大きなインパクトだった為、それが街独特の口伝として残っていくことになる。特にラブホテルを利用する頻度が高い風俗嬢・ホステス・ホスト等の間では、35年が経った今でも事件のことは周知のネタだ。また、現在の口伝とでも言うべきSNSや繁華街専門の掲示板等では、事ある毎に書き込みが続けられている。そして、時偶にそれは“怪奇現象”等の都市伝説的風評を伴った。そのことが顕著に見られたのが、2016年1月6日に起きた『ホテルまつき』での火災だ。何と、「このホテルが嘗て、連続殺人の舞台の1軒だった」という話が歌舞伎町住民たちの中で流れ、マスコミもそれを後追いしたのだ。そう、彼ら住民たちにとって、あの事件は未だ“生きている”のである。因みに、まつきの火災では63歳の女性が一酸化炭素中毒で死亡しているが、住民の間では“歌舞伎町に生きる商売仲間”というのが定説だ。


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